極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

デジタル革命真っ盛り

2012年07月11日 | デジタル革命渦論

 

 



【究極の太陽電池】

 
3D Photonic Band Gap Crystal

量子ドット型のような効率の良い太陽光発電素子開発が着々と進んでいる。先日、野田進京大教授グループのフォトニ
クス結晶型太陽電池素子で変換効率が40%まで高めることが可能だという。次世代型太陽電池として現段階で考えら
れているもので2通りある。その1つが結晶シリコンを使った量子系(『マルチエキシトンな僕たち』)と2つめは、
他の新たな技術との融合系があり今回の発明は後者。ところで、フォトニック結晶は、屈折率が周期的に変化するナノ
構造体で、これを通過する光の波長を制御(フォトニック結晶を構成する物質の組み合わせ方により、結晶中にある波
長域の光が伝播しないフォトニックバンドギャップという部分をつくることができる。実質的に光が存在できないフ
トニックバンドギャップ
の性質を利用し、結晶内部で光を制御する(「フォトニック結晶型太陽光発電」))することが
できる
。次世代の半導体面発光素子として、2次元フォトニック結晶(以下2DPCと称す)を用いたフォトニック結
晶面発光レーザ(以下PCSELと称す)が提案されている。PCSELは、その光学特性が微細構造の寸法・形状に
より決まり、材料に依らないという特徴を持ち、大面積・単一モード、2次元的な偏光制御、出射角度の制御といった、
従来の半導体発光素子単体では実現困難な新しい特性を有し、高出力半導体レーザの可能性を切り拓くポテンシャルを
有している。

 
 

※太陽光発電効率の飛躍的な向上を目指し、フォトニック結晶を核とするフォトニック・ナノ構造の活用により、新し
い光マネジメント技術の開発が京都大学野田進教授らが行っている。フォトニック結晶のバンド端効果に基づく大面積
共振作用を用いて、薄膜シリコン(マイクロクリスタルシリコン・アモルファスシリコン等)の光吸収の減少が顕著と
なる波長域(600-1000nm)において、効果的な光閉じ込め利用するもの。

 
ところで、2次元フォトニック結晶をつくるには次のような問題がある。

(1)大面積の2DPC作製が困難である。すなわち、貼合わせるウェハが反りを有している場合、ウェハ間にゴミが
  ある場合、ウェハ表面に大きな凹凸がある場合などの場合には、これらのウェハを上手く貼り合わせることができ
  ない。
(2)2DPC層に空洞を含んでおり、結合係数κが大きく、大面積化に不向きである。その理由は、2DPC層に均
  一に光を分布させるために、電極長Lに対して面内方向の規格化結合係数κLを1~2程度とすることが望ましい
  が、2DPC層に空洞を含む場合、κの値が1000cm-1以上の値となり、Lの値が数10μmに制限されるからである。
(3)2DPC層界面をエピ層で埋め込むため、欠陥が少なく、信頼性が改善する。
(4)2DPC層に空洞を含まないので、放熱性に優れ、大出力化に向いている。

※ 高出力PCSELの実用化を目指す上では、再成長型PCSELが、貼り合わせ型のPCSELよりも優位。

特開2012-033749「半導体面発光素子及びその製造方法」

※上図は、半導体面発光素子を一部破断して示す半導体面発光素子の斜視図。半導体面発光素子は、半導体基板1上に
順次形成された下部クラッド層2、下部光ガイド層3、活性層4、上部光ガイド層5、フォトニック結晶層6、上部ク
ラッド層7、コンタクト層8を備えている。半導体基板1の裏面側には、電極E1が全面に設けられており、コンタク
ト層8の中央部には電極E2が設けられている。

これらの化合物半導体層の材料/厚みは以下の通りである。なお、導電型の記載のないものは不純物濃度が1015/cm3
下の真性半導体である。なお、不純物が添加されている場合の濃度は、1017~1020/cm3である。また、下記は本実施の
形態の一例であって、活性層4およびフォトニック結晶層6を含む構成であれば、材料系、膜厚、層の構成には自由度
を持つ。なお、括弧内の数値は、後述の実験で用いた数値であり、MOCVD法によるAlGaAsの成長温度は500℃~850
℃であって、実験では550~700℃を採用し、成長時におけるAl原料としてTMA(トリメチルアルミニム)、ガリウム
原料としてTMG(トリメチルガリウム)およびTEG(トリエチルガリウム)、As原料としてはAsH3(アルシン)、N
型不純物用の原料としてSi26(ジシラン)、P型不純物用の原料としてDEZn(ジエチル亜鉛)を用いた。

  1. コンタクト層8:P型のGaAs/50~500nm(200nm)
  2. 上部クラッド層7:P型のAlGaAs(Al0.4Ga0.6As)/1.0~3.0μm(2.0μm)
  3. フォトニック結晶層6:基本層6A:GaAs/50~200nm(100nm)、埋め込み層6B:AlGaAs(Al0.4Ga0.6As)
    /50~200nm(100nm)
  4. 上部光ガイド層5:上層:GaAs/10~200nm(50nm)、下層:P型または真性のAlGaAs/10~100nm(50nm)
  5. 活性層4(多重量子井戸構造):AlGaAs/InGaAs MQW/10~100nm(30nm)
  6. 下部光ガイド層3:AlGaAs/0~300nm(150nm)
  7. 下部クラッド層2:N型のAlGaAs/1.0~3.0μm(2.0μm)
  8. 半導体基板1:N型のGaAs/80~350μm(150μm)

 
【符号の説明】6A・・・基本層、6B・・・埋め込み層、H・・・穴

このようにして、閃亜鉛構造の第1化合物半導体からなる基本層6A内に複数の穴Hを周期的に形成し、穴H内に、閃
亜鉛構造
で、第2化合物半導体で埋め込み層6Bを成長させ積層したフォトニック結晶層6と、この結晶層に光を供給
する活性層4と、を備
え、穴の側面は、{110}面(結晶構造)で、埋め込み層6Bは、穴の側面との界面である少
なくとも1つの{110}面から突出した
凸部HB1を持つことで、発光出力や寿命などの特性を改善できる半導体面
発光素子の製造するというものだ。後は製造システ
ム、プロセス、装置開発の出番といういうわけだ。



 

「もはや技術なし」(星野芳郎)ではなく「もはやバルク技術ない」といいかえていいだろう。マルメイディアが、デ
ジタル革命の別称
であるように、この革命は「知価革命」(堺屋太一)の別称でもあるといえる。この世界の経済でも
その変化が顕れているのだが、
政治経済体制は旧態のままだ。そのことを洞察できない限り、威勢のいいことを語って
も、いずれ馬脚を現すと、タイピングしなが
らそう思った次第。

 

コメント
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