『ザ・ロード』
THE ROAD(2009年アメリカ)
監督 ジョン・ヒルコート
脚本 ジョー・ペンホール
原作 コーマック・マッカシー
出演 ヴィゴ・モーテンセン
コディ・スミット=マクフィー
ロバート・デュヴァル
ガイ・ピアース
シャーリーズ・セロン
■ストーリー■
文明が崩壊し、動植物も絶滅しようとしていた近未来の世界、わずかに生き残った人々の中には飢えのため、人肉を喰らう食人集団と化す者達も発生していた。男は、人の肉は食べずに、人間の尊厳を守ろうとしながら息子とともにアメリカ大陸を南へと旅していた。彼ら親子は、ある日、食料の入ったシェルターを発見するのだった。
■感想■
コーマック・マッカシーのピューリッツァー賞受賞の同名作品の映画化作品。
コーマック・マッカシーといえば、『ノーカントリー』(2007年)の原作者です。
ピューリッツァー賞受賞作家だけあって、エンタメ度はあまり高くないです・・・。
息子を守るヴィゴ・モーテンセンがマジメ!マジメ!
モラルを守り、また息子に人間の尊厳を教えながら旅する親子の話って、地味すぎ。
原作があるから、しょうがないんでしょうけどね。ここは、原作を離れて、エンターテイメント度の高い映画にして欲しかったような気がしちゃいますね。文明が崩壊した近未来が舞台とはいえ、マジメな作品です!
なぜ文明が崩壊したのか??
途中、息子が町で出会う少年は??
ガイ・ピアースの家族は、どうやって旅してきたの??
とにかくあまり考えないで、この状況の中で、親子がどうやって生きていくのかを観なさい!ってことなんでしょうね。
食料を手に入れたあとで、今までと性格が変わっていく父親!実際、そうなっちゃうでしょうしね。
自分たちの荷物を奪った人間に厳しく報復する姿等、今まで、息子に説いていた教えと違った行動を取る父親!
こういうところを映画を観終わったあとに、みんなで話し合ってネ!ってことなんでしょうか??アメリカよりも、フランス人に受けそうな感じの作品ですね。フランス人は映画を観終わったあと、その作品について、あーだ、こーだ、話し合うのが好きらしいですからね!!
極端に説明的なセリフがないのも、物語の背景を色々考えられて、議論するには良いですもんね。
監督はオーストラリア出身の『プロポジション 血の誓約』(2005年)のジョン・ヒルコート。
こんな超マジメな終末Sci-Fi映画になってしまったのは、監督や脚本家のせいというより、この原作を、このまま映画化しようとした製作者たちの影響ですよね!!
『ラスト・ソルジャー』(ビデオ題:『ザ・エクスキューター』)(1983年)のロモロ・グェッリエリ監督や、『ニューヨーク2019』(ビデオ題:『サイボーグ・ハンター ニューヨーク2019年』)(1984年)のセルジオ・マルティーノ監督あたりが、エンタメ度アップして撮ったら、すごく面白そうな映画になっただろうに!!残念な感じです!!
もちろん、そのときは、主人公には名前があるでしょうし、改造した自動車や、食人族と化したグループとの戦いに終始するんでしょうね!!なぜか普通に生き残っているヒロインとの恋愛とかの要素も出てきて、原作とは似ても似つかない作品になっちゃうんでしょうね!!
でも、映画化作品がそんなになったら、原作ファン、激怒り状態でしょうけどね。
期待しないで、観ればそれなりに楽しめる作品にはなっていますけど、ランニングタイム112分は長すぎ!本編、実質102分でも長すぎです!こんなに起伏が無いストーリーなら、あと15分くらい短くてOKです!
まぁ、ピューリッツァー賞獲るような作品が原作だから、エンターテイメント度の高い作品を期待しちゃいけないんですよね。
ところで、動植物が絶滅したら、人間も生き残れないと思うんですけど、どうなんでしょうね?? 60点
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