『マイ・ボディガード』
MAN ON FIRE(2004年アメリカ、イギリス、メキシコ)
監督:トニー・スコット
脚本:ブライアン・ヘルゲランド
原作:A・J・クイネル(「燃える男」(集英社文庫))
出演:デンゼル・ワシントン
ダコタ・ファニング
クリストファー・ウォーケン
ジャンカルロ・ジャンニーニ
ラダ・ミッチェル、
ミッキー・ローク
■ストーリー■
元外人部隊(←そんな説明あった??)、対テロ部隊のジョン・クリーシーは、生きる希望を失ない、アルコール中毒になっていた。
ある日、クリーシーは、友人のレイバーンからメキシコでボディガードの仕事の依頼を受けるのだった。仕事で生きる目的を見出せるかもとレイバーンが考えてくれたからだった。
南米では誘拐がビジネスになっていた。誘拐の保険のためボディガードが必要だった実業家に雇われ、9歳の女の子ピタのボディガードになったクリーシーは、仕事の中で徐々にピタに心を開いていくのだが、、、。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
A・J・クイネルのベストセラーでジョン・クリーシーシリーズの第1作目「燃える男」(集英社文庫)の映画化です!!
基本的に、自分は映画と原作はまるっきり別物だと考えてるので映画が面白くなるなら、
「変更点があっても、それはそれでいい!」って思ってるんですけどネ。
デビッド・マレル「一人だけの軍隊」(ハヤカワ文庫)の映画化作品『ランボー』(1982年)も、映画的っていう意味では、あのラストを原作から変更したのコトもありなのかな??って思いました、、、。
主人公が暴れまくって、完結してしまった小説版と、主人公がトラウトマン大佐に説得されてしまう映画版、どちらもアリかな??
で、今作『マイ・ボディガード』なんですけど、、、、原作を変えすぎ!
原作変えすぎ!
元の作品が何かをクイズにしても良いくらい原作を変えすぎ!!まるで「逃げるアヒル」が『コブラ』になったくらいの印象。それ以上か、、。
舞台がイタリアからメキシコになったのは時代背景もあるでしょうから、まだ良いですけど、“殺しの芸術家”とまでレイバーンに言われる殺人マシーンのクリーシーが戦うのに、どうもそんな印象受けない。
原作では、マフィアの1大組織全てが相手だったのに!!
映画版の今作ではメキシコの小悪党なギャングが相手、、。なぜ?
それにしても、あのラストのな悲しくなるような改変は何????
今作は普段、アクション映画を見たことも無いような、芸術的な映画しか見たことないような映画ファン向けの作品????
リュック・ベッソン監督の『レオン』(1994年)よりも10000倍ヒドイ展開!
感傷的でセンティメンタリズムあふれた親子向き映画になってまーす!
クエンティン・タランティーノがDVDのパッケージの宣伝のうたい文句で「地獄のようなすさまじさ」とか言ってるんで、よっぽどスゴイ作品なのかと思ったら、、、ファミリー向け作品のようなラスト。
A・J・クイネルの原作の面白みを台無しにする改悪!
主演は、主人公クリーシー役にデンゼル・ワシンントン。
共演はクリストファー・ウォーケン。相棒レイバーン役です。なんでもオファーは弁護士役だったらしいですけど悪役はもうイヤみたいなこと言って変えてもらったらしいです。
あと、ミッキー・ローク、ジャンカルロ・ジャンニーニ、ラダ・ミッチェル。ピタ役には天才子役とも言われてるダコタ・ファニング。
大作だけあって、キャスティングが、やたらやたら豪華です!!
監督は『クリムゾン・タイド』(1995年)、『エネミー・オブ・アメリカ』(1998年)、『スパイ・ゲーム』(2001年)等々、悪い意味で、職人監督のトニー・スコット!!
脚本は『LAコンフィデンシャル』(1997年)、『陰謀のセオリー』(1997年)、『ペイバック』(1999年)のブライアン・ヘルゲランド。多分、原作には何の思い入れがないんでしょうね、、、。
ランニングタイム146分も長すぎ。今作で感動した人は、アクション映画でなく、普通のドラマが好きな映画ファンなんでしょうか?
A・J・クイネルの「燃える男」は、イタリア、フランス合作で1987年にスコット・グレン主演で“MAN ON FIRE”(a.k.a.Absinthe)監督:Elie Chouraquiで映画化されていますが、この作品んも原作者A・J・クイネルを激怒させたとか??
共演はブルック・アダムス、ダニー・アイエロ、ジョナサン・プライス。
今作は、スコット・グレン版と同じ展開だったのに、A・J・クイネルは評価したんでしょうか?? 自分が原作者だったら、映画化されるたびに、同じような展開でガッカリ、、かも??
シルヴェスター・スタローン主演で「燃える男」を今一度リメイクして欲しいですね。年齢的にもピッタリでは??
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その感性を、よくも発信できるなと…