A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

禁断のへヴィサイケ~Blue Cheer「Outside Inside」

2007年11月28日 23時20分29秒 | 素晴らしき変態音楽
エディ・コクランの「サマータイム・ブルース」の超へヴィ・ヴァージョンで知られる60'sサンフランシスコのハードサイケ・バンド、ブルー・チアーの全アルバム6作が紙ジャケ再発された。快挙。パチパチパチ。
これは1968年リリースの2ndアルバム。トリオ編成だった1stにキーボードが加わり4人組になっている。フラワー・チルドレン全盛期に、ラウドに覚醒する暴力的な演奏を繰り広げた彼らは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやザ・ストゥージズ、MC5などの異界バンドのひとつといえる。地を這うようにブルージーなファズ・ギター、唸りまくる重量級のリズム・セクション、吐き出すようなヴォーカルの破壊力は、後のへヴィメタルやパンク、オルタナティウ゛へ大きな影響を与えた。
この「アウトサイド・インサイド」は彼らの最高傑作といわれ、変形ジャケットで有名だ。今回の紙ジャケ再発ではそれが忠実に再現されている。宇宙を浮遊するブルー・チアー・ファミリー、マーシャルのアンプを積み重ねたステージ写真(ギターは私の好きなSG)、サイケデリックに彩色された奇怪なバンド写真と、彼らの世界が見事に表現されている。
アルバムにはローリング・ストーンズの「サティスファクション」のパンクなカヴァーも収録されている。60年代のティーン・ガレージ・バンドがへヴィ・ドラッグと出会うことでこのようなサウンドが生まれたのだろう。
90年代には再結成され1999年には日本ツアーも敢行した。
とにかくメンバー・チェンジの激しいバンドでアルバム毎にサウンドが変貌していくのだが、凶暴なサイケを求める人には1stと2ndは必須である。灰野さんもブルー・チアーを高く評価している。
久々に彼らのサウンドを聴いて、無性に何か壊したくなった。破壊衝動の塊、禁断のサウンドである。

ブルー・チアー
全温度チアーとは
違います

どんな温度の水でもきれいに洗える魔法の洗剤、全温度チアーは現在、製造中止のようだ。昭和の遺産がまたひとつ消えた。


コメント
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