A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

黒いワンピースの女 第2話 電車

2009年08月04日 00時26分09秒 | 連載小説
暑い。汗が首筋を流れ落ちる。冷房の利いた電車の中でも彼の汗を止めることは出来ないようだ。

皆半袖やノースリーヴばかりで、黒いワンピースの女の気配はない。彼は安堵感と共に軽い失望を感じた。
電車が擦れ違う時、短い警笛を鳴らす。その音に密やかな哀愁を覚える。
吊革に捕まって窓ガラスに写る乗客の姿を眺める。好みの女性を見つけると、さりげなくそっちの方を盗み見る。
前に座った男性の薄くなった髪の毛が無性に気に障る。自分の髪が禿げてきたら、迷わずスキンヘッドに剃り上げるつもりだ。

窓ガラス
実物よりも
よく見せる

何事もなく次回に続く。
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