A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

MAINLINER/姫野さやかSESSION@東高円寺U.F.O. CLUB 2014.2.6(thu)

2014年02月08日 00時26分48秒 | 素晴らしき変態音楽


【MAINLINER 魔界転生凱旋公演】

・MAINLINER=河端一(Acid Mothers Temple), Taigen Kawabe(BO NINGEN), 志村浩二(Acid Mothers Temple)
・中原昌也(Hair Stylistics)+道下慎介(LSD MARCH)+亀川千代+姫野さやか(NISENNENMONDAI)


BoningenのTaigenを迎え、12年ぶりに魔界転生復活した新生Mainliner、12年ぶりの新譜「Revelation Space」を引っ提げ、昨秋行われたイギリス&アイルランド・ツアーも好評を博せば、遂に日本国内公演決定!Mainliner名義での国内ライヴは、2001年9月の東京公演以来、何と約13年半ぶり!今回の国内公演は、この東京1公演のみ!お見逃しなく!



BO NINGENのメンバーはそれぞれ別のプロジェクト/分野でも活動している。ギターのKohhei Matsudaが昨年夏の来日時にアート展を開催したのは記憶に新しい。ベースのTigen Kawabeの課外活動も著しい。ベース・ミュージック・ユニット「Devilman」に参加し2013年初頭CDをリリース。続いて伝えられたのが、Acid Mothers Temple(以下AMT)の河端一(g)と志村浩二(ds)とのトリオ「MAINLINER」だった。AMTはヨーロッパで人気が高いしへヴィサイケの大先輩なので、大いに納得。早速本国へオーダーし届いた限定ポスター付ホワイトカラーLP『Revelation Space』には怒涛のファズサイケが溢れており、折しもAMTが気になっていたところでもあり、暫く耽溺した。



その時はMAINLINERに前史があることには気付かなかったが、来日公演の報で、PSFからCDが出ているサイケバンドであることを知った次第。90年代半ばに河端一(g)、南条麻人(b)、志村浩二(ds)というムジカ・トランソニック・HIGH RISE繋がりのメンバーにより結成されたMAINLINERは、1996年にアメリカのレーベルからCD『Mellow Out』をリリース(ドラムは小泉はじめ)。当時は話題にならなかったが、解散後の2001年にジュリアン・コープが大きく取り上げ、英国・欧州で「90年代サイケのバイブル」と評されラリーズに匹敵する伝説的評価を得たという。この日のUFO CLUBは再結成したサイケ・レジェンドの約13年半ぶりの国内ライヴという大変貴重な夜となった。



●中原昌也(electronics)+道下慎介(g)+亀川千代(b)+姫野さやか(ds)

(写真・動画の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

サポート・アクトが興味深い。三上寛の「Y A M A M O T O」のメンバーでもある道下&亀川に中原が加わるのは違和感はない。だが、サボテンを思わせる変拍子インストバンドという印象のにせんねんもんだいの姫野のドラムが参加するとどんな音のマジックが生まれるだろうのか?



デジタル化した筈の中原は骨董品のミニモーグをドーンと置いてアナログ・シンセならではのモジレーション矩形波を鳴らす。亀川と道下も徐々に加わるが、姫野は俯いたまま動かない。そのうちハイハットを刻み思い出しようにスネアを打つ。身体でリズムを取っているが、他の3人とは同期していない。演奏が佳境に入っても自分だけの独自のビート理論に従うように散発的な打撃音を鳴らし続ける。短いブレイクを挟み、中原の合図で一斉射撃に突入。その時初めて全力発揮のパワードラミングを魅せるが、ハイハットとスネアとフロアタムだけのミニマルなセッティングの為か、クールな表情の為か、いわゆるロック的なダイナミズムが感じられない。昨年のFREEDOMMUNE 0 <ZERO>のネット配信でにせんねんもんだいを観た時、思った以上にテクノ/アンビエント色が強いと感じた理由は、このポストロック的センスにあるのだろう。血と汗と涙だけがロックじゃないことを詳らかにした。ここでもやはりドラムが演奏の核心を担っていた。個人的にはこのクヮルテット演奏を「姫野さやかSESSION」と名付けたい。




●MAINLINER


サポートアクトとは正反対に「これぞロック」と呼ぶしかない熱く激情迸る演奏を聴かせたのがMAINLINERだった。とにかくリフ一発で20分近い長尺演奏。クサいほどお約束のブレイクとそれに伴うテンポチェンジだけが唯一の展開らしい展開。ひたすら力技で押しまくる暴走スタイルはハーシュノイズと寸分違わない。



非常階段がハードロックのフィードバックやプログレのインプロ部分を拡大して集団即興ノイズに辿り着いたように、ブラック・サバスのリフとリッチー・ブラックモアの速弾きとジミ・ヘンドリックスのギタークラッシュを培養・増殖したのがMAINLINERだと言っても間違いではあるまい。猛然とギターソロを弾き捲る河端と、ロングヘアーを振り乱して乱舞するTaigenが視覚面を含めたロックのダイナミズムを曝けだし、ペダルとスネアを破壊してもなお叩き続ける志村のタフネスが発現する血と汗と涙に観客は拳を上げて応える。目くるめくスリルと喧騒は、月並みな言葉であるが、マキシマム・ロック・エクスタシーそのものであった。ほぼ2時間弾き・歌い・叩きっぱなしの3人も体力には恐れ入る。




二組の
轟音ライヴ
意趣返し

Taigen Kawabeはリミックスワークにも長けており、日本のオルタナバンドDownyのRemixコンペティションで大賞を受賞。昨年のでんぱ組.inc「ノットボッチ…夏(BO NINGEN Remix)」に続いて、3月リリースのDowny『無題Remix Album』で音源化される。

BO NINGEN HEADLINE LIVES 2014
Special Guest:THE NOVEMBERS
2014年
2月8日(土) 代官山UNIT
2月13日(木) 心斎橋PANGEA
2月14日(金) 名古屋CLUB UPSET

コメント
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