A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ふぇのたす@渋谷WWW 2014.6.13(fri)

2014年06月15日 00時52分35秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


ふぇのたすワンマンライブ
「2014ねん、なつ」~今年一番早い夏イベント~




ふぇのたす(Phenotas)という名前は、ヤマモトショウ(ギター、シンセ)と澤"sweets”ミキヒコ(デジタルドラム)がやっていたバンドPHENOMENにシンガーソングライターのみこが加わり、「PHENOMEN+(プラス)」と表記したのがきっかけだった。当初はベースもいる普通のバンド編成だったのが、ベースの脱退とデジタルドラムの導入により、”既存のバンド・フォーマットから自由になれた”(ヤマモトショウ)という。”音楽として面白ければ何でもアリ”(同上)というスタンスは、如何にもデジタル&インターネット世代らしい。そのスタンスは彼らのイメージにも表れている。



アイドルの売り出しに顕著な過度のストーリー性は、従来の日本のポップス/ロックにも色濃く存在する。苦節何年下積時代といったバンドの苦労話や涙のエピソードは、意図せずとも何処かで語られ、リスナーの心に訴えかける。ところが、ふぇのたすにはそんな影は全くない。もちろん結成して2年しか経ってないし、それ以前にはそれなりの苦労話もあるだろう。だが、注目すべきは渋谷WWWを埋めた450人のファンの誰一人として感動エピソードを求めていないことである。



7割型男子、それもメンバーより少し年齢が上の世代中心。アイドルを追うほど貪欲にはなれないが、J-POPの応援ソングも疲れる。でも音楽に溺れて楽しい時間を過ごしたい。日常の憂さや苦労から隔絶され、暗い黒歴史から断絶したふぇのたすの世界がそんなファンに憩いを与える。一度聴けば覚えられるポップなメロディと単純明快な歌詞。高圧的なダンスビートや押し付けがましいハイテンションノイズのない、クールなデジタル空間は、無重力状態に近い解放感がある。



極めつけはみこの甘いキュートな歌声。以前彼女の声を「ロリータヴォイス」と表現したのだが、生で聴くうちにどうも違うことに気付いた。「ロリータ」に付随するSEXの要素が皆無なのだ。かと言ってきゃりーぱみゅぱみゅのクールな声とも、でんぱ組のアニメ声とも異なる。みこだけの不思議な魅力がある。こじつけだが「みこ=巫女」と置き換えれば、彼女の歌は口寄せでありご神託ということになる。つまり、ヤマモトショウが女子力を発揮して書いた歌詞を、万人の胸に響くように声で届ける役割を担っているのだ。彼女の声には、人の心を惹かずにはおれない、秘密の周波数が隠れているに違いない。とすれば、神のお告げを伝える念力ヴォイスを備えたこの三人組がより多くの人の心にさざ波を立て、さらに拡散していく可能性は高い。実際のところ、12月11日に渋谷クアトロワンマンが決定した裏には、天の御心が働いていると考えるべきなのかもしれない。



50年前にレイ・チャールズ、サム・クック、ジェームス・ブラウン、オーティス・レディング、アレサ・フランクリンが「スウィート・ソウル・ミュージック」を生み出した。2010年代後半、現象追加(Phenomenon plus)トリオが「スウィート・エレクトロポップの騎手」と呼ばれることになる可能性は決してゼロとは言えないだろう。



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