自家発電 vol.03 「自己防衛」 2014年06月21日(土)@四ツ谷OUTBREAK!
■出演:非常階段、Killer Smells、、ゆるめるモ!、流血ブリザード、NATURE DANGER GANG、うどんログ マツイ、DJ オッチー
※special乱入:佐々木孫悟空
渋谷ではやついフェス、新木場ではHostess Club Weekender、その他多数のライヴイベントが開催された週末、なんだかんだで2012年11月のVol.0から毎回参戦しているカオスイベント「自家発電」のvol.3通算4回目に参戦と相成った。解散モードのBiSの出演が適わない今回、アイドル枠には噂のポストニューウェイヴ系アイドルグループYou'll Melt More!ことゆるめるモ!が出演、まだ観ぬモ!初体験に心が踊る。会場待ちの列には見覚えのあるBiS研究員が多い。BiSちゃん出ないのに何故?と思い、顔見知りに尋ねると、BiS目当で来た初回で非常階段のファンになり、イベント自体も最高!と気に入り毎回通っているとのこと。かく言う筆者もマル非やアイドルだけじゃ無く、常軌を逸した企画の数々に目が離せない有様。自家発電中毒者が増殖中。
⇒自家発電 Vol.00 2012.11.18(sun)
⇒自家発電 Vol.01 保健体育 2013.6.8(sat)
⇒自家発電 Vol.02 酒と動物 2013.11.16(sat)
●NATURE DANGER GANG
バイオを読む限りでは、馬鹿騒ぎラップ集団というイメージだが、自分たちが盛り上がるだけじゃなく、否応無しに観客をアッパーなノリに巻き込み、限界知らずのお祭り空間を産み出すエンターテインメントテロリストだった。ステージの熱狂が徐々にオーディエンスに拡散する現象は、まるでフラッシュモブのよう。よく見かける研究員がパフォーマーとして参加しており、BiS Tシャツの女子メンバーもいる。フリチン&乳出しアリのカオスな盆踊り。
●流血ブリザード
殺害塩化ビニール枠は過剰演出の鬼畜ロック集団、流血ブリザード。オープニングから爆竹を客席に投げ込む。殺塩ギャルの激烈モッシュにナプキン、食パン、生麺、豆乳が飛び交い、バカ社長乱入とフリチン二人目で、NDGに続くこの日最大のカオスステージ。殺塩ならではの実力派パンクサウンドは有無を言わせぬカッコ良さ。終演後スタッフが床清掃。
●佐々木孫悟空
世界唯一の虫喰い芸人が乱入。せっかく掃除したのに蟲の体液飛び散る出し物とは段取りが悪い。芸が細かいので遠目にはよく見えないが、MCの「特大のカブトムシの幼虫だぁ~。白い内臓がはみ出てるぞ。ウゲェェェエ!」というグロい生中継と、口から唾液と体液を垂らしながらの客席乱入に殺塩ギャルも逃げ惑う凄惨現場。バケツ一杯のゴカイを頭から被ったが、細か過ぎて観客には判らなかったという81年マル非ライヴも、このMC氏に任せれば効果抜群だっただろう。曰く「新作DVD4000円、高けぇっ!」。
●Killer Smells
ディック・シズク(vo,g)と菊地成孔(sax)のデュオユニット。DJやラッパーとしても活躍する菊地だけにヒップホップ系かとおもったら、打ち込みシティポップスだった。ローファイな柳ジョージか?シズクの歌はむしろ泉谷しげる。菊地のアルトは短かったけど流麗。
●ゆるめるモ!
ゆるめるモ!(この日は5人だったが、ホントは8人組)の第一声は「皆さんの心をゆるめに来ました」。初見のグループアイドルは大抵メンバーの見分けがつかないまま終わってしまうことが多いが、モ!は、ねむきゅん似の”あの”と茶髪の”ようなぴ”(名前は後付け)を識別。Bellring少女ハートは未だに区別出来ないのに、モ!の方がイケるのか?オケだけ聴けばスカスカのNO WAVE DISCOだが、なんてったってやっぱりアイドル、アニ声が別の意味でヲタ心をゆるめる。なんとなくハマりそうな予感。
●“クラウトうどんショー”(非常階段×ゆるめるモ!×うどん職人 うどんログ マツイ)
今回の目玉。ノイ!直系のクラウトロックチューン「Sweet Escape」をマル非とモ!が初共演中に観客がうどん粉を捏ねるという謎企画。饂飩はゆるネタ一発だが、BiS階段に続くマル非×アイドルコラボは、ジャーマンテクノビートに乗って、予想以上の親和性を見せた。モ!メンバーは笑顔で踊り、JOJO広重と絡み、客席ダイブをキメる。1年半前の最初のBiS階段で、BiSメンバー自ら鶏肉や蜂の巣を投げたように、アイドルは共演相手の下調べをキチンとしていることは間違いない。此のコラボ「モ!階段」も再演を望みたい。
●非常階段
コラボが素晴らしかったので元を取った気になっていたら、最後に控える大トリにマインドブローを喰らった。最近はコラボやソロ活動が話題になり、8月に出る新作も非常階段名義で初の複数ゲスト入りだが、コアとなる4人組の非常階段もこれまで以上に進化し成熟の度合いを深めていることは明らか。そして見つめる観客も非常階段ライヴの楽しみ方を心得ている。「自家発電」では、ロックもパンクもラップもノイズも虫喰いも楽しみ方に違いは無いし、ルールも無いから、各自それぞれの楽しみ方をすればOK。音楽的にルール(規制)から最も遠いところにある「ノイズ」=非常階段が最良の教師である。これからもっと幅広く活動して、萌えきゅんノイズ=国境も人種も文化も超えた音楽本来の歓びを世界にお届けして欲しい。
自家発電
Self Power Generation
自力世代
▼ゆるんでしまった人の一例