A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

K2/組原正/HIKO/石橋英子/コサカイフミオ/中原昌也/橋本孝之@落合soup 2015.6.20(sat)

2015年06月22日 00時15分15秒 | 素晴らしき変態音楽


KinKy Musik Institute presents「Technology Hour Revenged」

=出演=
・エンゼルメイク(組原正(グンジョーガクレヨン)× HIKO(GAUZE))
・RNA(K2+石橋英子+コサカイフミオ(Incapacitans))
・HUH× DJ MEMAI
・石橋英子× Hair Stylistics
・K2 ×組原正(グンジョーガクレヨン)×橋本孝之(.es)
・DJ ATSRZN(aka 冷泉)



8/90年代ジャパノイズの中でも激烈さでは一二を争うハーシュノイズの雄『K2』こと草深公秀は、現在静岡に住み病理医者として働きながら精力的に作品を作り続ける。昨年年間12枚に亘るCDRシリーズ”Audio Pathology Archives”を完結させたK2のレーベルKinky Musik Institute、久々の東京での主催イベント。集まったのは新旧ジャパノイズの象徴的アーティストばかり。新ユニット、初顔合わせばかりで、何かが起る予感にわくわくしながら、2年ぶりの落合soupへ向かった。 

●エンゼルメイク(組原正(グンジョーガクレヨン)× HIKO(GAUZE))


外見もサウンドも異形と呼ぶのがしっくり来る組原と、ガーゼというより山本精一/日野繭子/issheeとのユニットTRANSPARENTのドラマーと云う方が通りのいいHIKOによるデュオ。組原の非ギター音響が、HIKOのハードコア連打ドラムの業火で解体される。微分リズムに分断された積分メロディーが、時間感覚を麻痺させる。「天使の化粧」というユニット名は組原の理想の在り方を示すのか。

●RNA(K2+石橋英子+コサカイフミオ(Incapacitans))


石橋の本領発揮のビーフハート流ドラミングと、草深ハーシュノイズに、コサカイの非チューニングギターと突発的なヴォーカルが三つ巴に摩擦する音像世界は、80年代NO WAVEの香りに満ちている。が、ノイジーだけど基本ロックなスタンスと、何かを産むことを意図しないストイックさは「NWOJNW(NEW WAVE OF JAPANESE NO WAVE)」と呼ぶべき。

●HUH× DJ MEMAI


世代的にはひと回り以上若そうな青年三人組が提示するテン年代的ノイズ観。客を立たせ、同じ目線で始める演奏は、冒頭から3者3全力のぶつかり合い。三角形に対峙する三人はしかし顔を見合わせることも無く、それぞれで爆裂し合う。三者間を荒れ狂うトルネードに巻き込まれないように、ご注意。

●石橋英子× Hair Stylistics


石橋はフルート、中原昌也(Hair Stylistics)はテーブルふたつ分の機材と格闘。リズムレスの前半部は、タージマハル旅行団のような瞑想的な演奏。徐々に中原のシンセからパルス音が流れ出す。リビドーがリピートされる電子音響に翻弄されること無く、エイコのエコーは空気中に笛の音を響かせる。

●K2 ×組原正(グンジョーガクレヨン)×橋本孝之(.es)


最後は60代/50代/40代の三世代エクストリーム系ミュージシャンのそろい踏み。重低音ノイズの壁、それを突き破らんと放たれるアルトサックスの超音波、どちらの味方をするでもなく無作為に弾き倒される非ギターが、絡み絡まれ捻り合う音響は、3x3x3の順列組み合わせの規格外の交配率を記録した。

ノイズも
ジャズも
ハードコアも
みな非常でいい

コメント
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