A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

『バベルへの帰還』NY即興シーンの新鋭、クリス・ピッツイオコス・ミニ・ドキュメンタリー

2015年06月27日 06時44分54秒 | 素晴らしき変態音楽


Chris Pitsiokos Mini Documentary
『Return to Babel~バベルへの帰還』



確かに、僕の音楽は政治的だ。
でも、音楽を通して政治改革を訴えたりするという意味ではないし、そうすることに興味はない。
というのも、既存のシステムと何らかの会話をしようと試みることは、そのシステムを信頼することになるし、そんな”信頼”を与えるつもりはないから。その代わり、そのシステムの「外にあり」それに「反するもの」という主張として存在していたい。



人はよく、二人のミュージシャンがただ、ステージに登って、打ち合わせもなく、その場で共に言葉を創って行くことに驚く。しかし、音楽の歴史を考えてみても、現在創られている音楽にしても、多くは即興演奏から生まれてきたものだし、そう考えると、驚く方がちょっと不自然だ。



僕が思いつく音楽的アイディアを書き示すためには、普通とは違う書き方をしないといけないことも多い。たとえば、この楽譜では、細かく演奏を指示するのではなくて、各プレイヤーの演奏の長さだけを書き記している。それによって、プレイヤーは、演奏するたびに新しいことを試みて、毎回違った演奏になる。必要なときには、従来の音楽表記のように五線紙の上に書くこともあるけどね。



ミュージシャンに、音符を書いた楽譜を渡す場合と、図形楽譜や口頭で説明して演奏してもらう場合では反応が違う。それは「なにが書いてあるか」よりも、「どうやって説明するか」による。「伝え方」はとても大事だ。



サックスで即興演奏をしているときは、楽器をコントロールするというよりも、サックスと一緒になって音を出そうとしている感じ。サックスが元々持っている特性を解放したり引き出す感覚だね。



モートン・フェルドマンはかつて、作曲家がそれぞれ独自の言語を確立していっている様を述べ、それを『バベルへの帰還』と呼んだ。近年の作曲家やアーティストはみな、たくさんの異なった音楽的言語を放出させる機会があって、バベルの塔は個々人の中に存在すると思う。問題は、どうやってそれを意味の通じるものにしていくか、そして、そこからどうやって面白いものを作り上げていけるかだ。
(Transcribed by Nonoko Yoshida)





Solo Album
『Oblivion/Ecstasy~忘却の彼方/恍惚の果て』


今年4月に私は1stソロ・アルバム『オブリヴィオン/エクスタシー』をリリースした。それは私という人間がこの異質な物体(サクソフォン)と出会ったことの意味を探究する大きな旅の一部分の人為的成果、句読点、スナップショットであると同時に、その関係から生じる可能性を拡張する試みでもある。そのための私の作業には、ホーンとその可能性への学術的且つ体系的な探究は含まれない。その代わりにこのアルバムは、二十年の長きにに亘る私の肉体と、このメタルと革とシェラックと竹の身体との激烈な個人的な出会いの絶頂を象徴する。

探究は楽器への純粋な愛の行動であり、それは、覚えている限り長い間自分の人生の一部となってきたものへの愛情である。この愛の行為は長年の好奇心、楽器のエキセントリックさ、限界、強さ、弱点を心の底から理解したいという燃える願いに他ならない。部分的に楽器を極限まで押し込み、全体的にサウンドの美的哲学を聴き取れない忘却の瀬戸際へ押し遣ることは、恍惚の行為に転化し、このアルバムの録音の時には、自分の即興演奏がその狭い境界線上に存在している気分がした。

とりわけ私の学習、実験そして探究は、今はサクソフォンの音色の多様性の拡張に向いており、音程的語彙を増やそうとするものではない(最近はそのエリアにも取り組みはじめたが)。(Chris Pitsiokos Facebookより)

"Oblivion/Ecstasy" Digital Album Download



バベルの塔
忘却の果ての
エクスタシー

【NOW ON SALE】 Chris Pitsiokos Trio Debut Album
『Gordian Twine~ゴルディアのより糸』


Chris Pitsiokos Trio
Chris Pitsiokos (as)
Max Johnson (b)
Kevin Shea (ds)

Disk Union Website

【ディスクユニオン初回限定特典】
ディスクユニオンで本商品を御買い上げの方に未発表音源を収録したCD-Rをプレゼント。
無くなり次第終了となります。

■Weasel Walter(ds) / Chris Pitsiokos(sax) duo
■live performance at Palisades in Brooklyn February 8th 2015
■Track List
Palisades 1
Palisades 2
Palisades 3
Palisades 4
Palisades 5


コメント
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