A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

セシル・テイラー+田中泯@草月ホール 2013.11.17(sun)

2013年11月19日 02時32分14秒 | 素晴らしき変態音楽


セシル・テイラー京都賞受賞記念公演
セシル・テイラー(ピアノ)+ 田中泯(オドリ) デュオ
論理はいらない、魔術をつかめ! 
Magic Si! Logic No!


世界が人間なしで始まった頃より、水と土と火で捏ねられた太古の<音の記憶>が、逢瀬を重ねたふたりの呪禁師の四肢に沁み入って、いま、プラズマの海・東京に舟を漕ぎ出す。
京都賞を受賞した、生来の「詩人」であり先駆的ピアニスト・セシル・テイラーが、ダンサー・田中泯と企てる<呪言の密議>。

京都賞思想・芸術部門、音楽分野歴代受賞者:
1985年 オリヴィエ・メシアン
1989年 ジョン・ケージ
1993年 ヴィトルト・ルトスワフスキ
1997年 イアニス・クセナキス
2001年 ジェルジ・リゲティ
2005年 ニコラウス・アーノンクール
2009年 ピエール・ブーレーズ
2013年 セシル・テイラー
現代音楽の大家が並ぶ中で、所謂軽音楽・大衆音楽分野で初の受賞者がセシルである。

11月10・11日京都にて大々的に開催された授賞式はUSTで生配信された。他部門の受賞者も相当なお方で、記念講演会講演会での長時間のスピーチは専門用語を多用した深い内容である意味アヴァンギャルド。セシルは田中泯とともに詩の朗読とピアノ演奏を披露。重厚な式典に華を添えた。

  
 

何時間も旅して日本へ来るのに、授賞式だけではもったいない(とらんど)と企画されたのが草月ホールでの田中泯とのデュオ公演。扇情的なタイトルは如何にも武闘派舞踏家らしい。ジャズと舞踏のカリスマの激突は当然大きな話題となりチケットはすぐにソールド・アウト。ロビーに溢れる客の80%は男性で、銀髪の年配者が多い。ピットインやブルーノート東京の客とは何となく雰囲気が違う。舞踏系、それも田中泯のファンがかなり多かった様子。



2部構成で、田中とセシルの無音のオドリセッションにはじまり、断続的に激しい感応プレイに突入する前半と、穏やかなピアノと手を広げ大きな動きのオドリが一定のスピードでコマ送りで連続する後半。田中とセシル、ピアノとオドリ、論理と魔術、静と動、西洋と東洋、黄色と黒、年上と年下、悉く対になって陰陽を描き出す。舞踏の極意は知らないが、重力や空気抵抗に囚われない自由な舞が鮮烈至極。セシルのピアノは、全盛期に比べたら病むを得ず非力だが、侘び寂びを備えて聴き手の心を刺激する正のオーラが小柄な体躯から発散されていた。無音から轟音へトランスフォームするスリルを味わえた第1部が特に気に入った。二幕終えてステージから挨拶するふたりの笑顔がまぶしい。田中の師である土方巽への言及に、客席から大きな拍手。老いたセシルの覚束ない足取りには殺気は皆無。それでもピアノを前にするとキリッと背筋を伸ばし、肘打ちを喰らわす精神力に感服。



老練なふたりの兵士が綾成した深遠な舞台芸術作品には20世紀芸術の粋が集大成された濃厚な美意識が脈打っていた。新世紀の表現者にとって、超えなければならないスタンダードが提示された。老兵は消え行くのみ、という枕言葉に惑わされることなく、自らの標準を超えることを恐れることは無い。これが最期かどうかは別にして、これ(ジャズ)が宿命ならば、それを全うするのも生まれもってのさだめであろう。

即興improvisation
ジャズjazz
音楽music

ジャズjazzと野菜vegitableの切り離せないハーモニーharmony。







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非常階段/BiS/戸川純/QP-CRAZY/水中、それは苦しいetc.@四谷OUTBREAK! 2013.11.16(sat)

2013年11月18日 00時15分15秒 | 素晴らしき変態音楽


自家発電 vol.02
「酒と動物」 -Let’s get animal-


≪第一部 ライブ≫ OPEN 14:00 / START 14:30
非常階段、BiS、QP-CRAZY、L.L. COOL J太郎、いずこねこ、おいおい教教祖 DJ:オッチー
Special Guest Live:非常階段 feat.戸川純

≪第二部 ライブ&トークショウ≫ OPEN 19:30 / START 20:00
水中、それは苦しい、みどり〇みき、DJ:オッチー
☆BiS階段トーク:非常階段、BiS、戸川純
☆センベロトーク:玉袋筋太郎、清野とおる、(株) 宮崎本店 東京支店 伊藤盛男……女将:谷桃子

カオス・イベント「自家発電」の2012年11月18日Vol.00、2013年6月8日Vol.01「保健体育」に続く第3回目。元々はCD不況を憂慮したCDディストリビューターが、何か画期的なことで音楽業界を盛り上げようと企画したイベントである。ロック/ハードコア/ノイズ/お笑い/演芸等異種ジャンル混合のコンセプトは、BiS階段という世界に只ひとつの果実を産み落とした。会場のOUTREAK!はキャパ200人程度だが、それを遥かに超えた影響力を持ち、青森「夏の魔物」、京都「ボロフェスタ」と並ぶ新世代音楽アミューズメントといえる。前回はボカロメインだったが、今回は再度モノホンアイドルが出演、さらに元祖サブカル・アイドル戸川純が参加する「ネ申イベ」になった。チケットは早々にSold Out。会場を埋めた若者はBiS-Tシャツが多いが、何処Tやマル殺Tやマル非Tも混在。

≪第一部 ライブ≫

おいおい教教祖


エスパー伊藤の開会宣言に続き登場したのは笑いの宗教おいおい教教祖。WHAHA本舗の団員・元氣安の覆面プロジェクト。大真面目に繰り出すダメダメなお祓い儀式にシュールな笑いが起る。空手バカボンのバカボン教を思い出した。




いずこねこ


現代音楽とアイドルポップを融合するエレクトロキャットは、初音階段と2マンしたり、バンド編成でワンマンしたり、順調に活躍中。浮遊感あるサウンドと激しいステージングのミスマッチの妙はアイドルファンじゃなくても必見。11/27ニューEP「last summer EP」リリース。




QP-CRAZY


殺害塩化ビニール主宰のバカ社長は3連続出演。ここの所スターリンがマイブームなので、QP-CRAZYのストレートエッジなハードコアが心に刺さる。火炎放射は無かったが、爆竹を仕込んだビニール製抱き人形(Dutch Wife)を客席に投げ込む暴挙に出た。




L.L. COOL J太郎


徹夜で運転して四「国」から四「谷」へ直帰したJ太郎の口パクヒップホップショー。某人気アイドルグループの苦労を身を以て実践する姿は涙を誘う訳もなく、秋風のように湿り気のある苦笑の嵐がさざめいた。タイムキーピングの心遣いに感謝。




BiS


1年前とはメンバーの2/3が入れ替わった新生アイドル研究会。今月から加わったコショージメグミ(メグモン)は危なっかしいボーカルを含め最上もがに似ているが、内蔵白セーラー服を纏う「非あいどる組」BiSの中で初々しいヴァージニティを発揮し、度重なるメンバーチェンジに心が離れかけた筆者の心を繋ぎ留めてくれた。ラスト2曲はマル非が加わりBiS階段に蛹化し、生肉&避妊具&新規ビニ形を放擲。




非常階段


BiS階段から非常階段へと羽化。冒頭でBiSのファーストサマーウイカがドラム、ヒラノノゾミがエレクトロニクス(仮)で参加し、アイドル転じてノイジシャンへの成り上がり(下がり)の予兆を見せた。ふたりが掃けた後、ドラムレスのコア・トリオのマル非ではJUNKOが絶対的センターとして君臨し、女帝の如く男子二名を睨みつけての怪艶を魅せる。間もなくソロ集大成2CDをリリースする自信に満ちたパフォーマンスは圧巻。第二部のトークでは、非常階段の「ヴォーカル担当」と自己紹介。はにかみの裏に崇光な自意識が輝くのを見逃さなかった。




●非常階段 feat.戸川純


世紀の共演「好き好き大好き」ノイズ・ヴァージョン。80年代にお互い意識していたハズだが、運命の歯車が噛み合わず出会いが適わなかった二大カルトフィギュアが30余年後、四谷の地で初邂逅。この歴史的出会いを生んだ本イベントの功績はLEVEL3以上。再帰に賭ける戸川の想いは第二部で訥々と語られた。




≪第二部 ライブ&トークショウ≫

●BiS階段トーク:非常階段、BiS、戸川純


BiS階段は自家発電の為のプロジェクトだった。それが一回限りの花火に終わらず継続し、戸川純「好き好き大好き」のカヴァーを経て、電撃ネットワークとの電撃BiS階段(夏の魔物)やソウル・フラワー・ユニオンとのソウル・フラワーBiS階段(ボロフェスタ)、さらに来年の原爆BiS階段へと発展することになった要因は人と人の縁だった。BiSのテンテンコが敬愛する戸川純とステージを共にする奇蹟もご縁の賜物。「頑張れば必ず実現する」とは気休めに使われがちなフレーズだが、この日この時この場を共有する者にとっては紛れも無い真実。個人的に最大の収穫は戸川純と下山(gezan)の2マンライヴ情報。縁結びの赤い糸が思わぬところに繋がっていた。戸川がしみじみ語るように80年代に没個性の象徴だったセーラー服と三つ編みが30年後に個性の証へと変化した事実に年月による文化変遷の冷酷さを実感。

水中、それは苦しい


アコギ&ヴァイオリン&ドラムのトリオ。名前は昔から知っていたが、観るのも聴くのも初めて。普通過ぎるルックスと物腰柔らかい口調に油断していたら、凄まじい前のめりパンクに圧倒された。ギャグ連発の歌詞をマシンガンのように吐き出すヴォーカルとサディスティックなヴァオリンとドラムの醒めた視線が恐ろしい。思い出すのはチューニングの歓び。




●センベロトーク:玉袋筋太郎、清野とおる、(株)宮崎本店 東京支店 伊藤盛男……女将:谷桃子


スナック・タレント玉袋と赤羽評論家清野を中心にした飲みネタトーク。今回のイベントのスポンサーが酒蔵だったことを改めて知る。酒を辞めて久しいが、飲ん兵衛の喜びは覚えている。ノイズ界の酒呑童子美川が参加しなかったのが不思議。

みどり〇みき


トリは平成演歌歌手みどり〇みき。足立区のレディ・ガガと呼ばれるベテラン・シンガーである。懲りまくったヘアメイクと衣装、常に絶やさぬ笑顔はまさにアイドルの原点。酒が回る程に色香に溺れる高齢者のチューニングネタ。お集りのナウいヤングも魅力に惑わされ大喝采、アンコールに引き摺り出した。




次回は2014年6月開催予定。汚れてもいい服装で来るよう指示があった。

自家発電
チューニングしてから
いらっしゃい

ヲタク祭(ota-kusai)が続いたので、次回は女子の動員増を図っていただきたい。



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THE GROOVERS/武藤昭平 with ウエノコウジ/SCOOBIE DO@渋谷O-EAST 2013.11.14(thu)

2013年11月16日 06時28分34秒 | ロッケンロール万歳!


TOWER RECORDS presents Otonano/Oto
出演:THE GROOVERS/SCOOBIE DO/武藤昭平 with ウエノコウジ

〈Otonano/Oto〉は、〈the luxury of adults~大人であることの贅沢~〉をコンセプトに、さまざまな経験を積んだ洗練された魅力を持つアーティストのステージが体験できるイヴェント。今回は、THE GROOVERS、武藤昭平 with ウエノコウジに加え、SCOOBIE DOが普段とは違う大人なステージを披露してくれることとなりました! さらに、ご来場いただいたお客さまに、タワーレコードのオリジナルタオルをプレゼントすることも決定。〈大人であることの贅沢〉を、音楽を通じて年代を問わず味わうことのできる珠玉のステージをぜひ体験してください!



Negiccoが♪普通の人はCDなんてもう買わなくなった♪と唄ったように、CDショップの在り方が問われる時代になった。町のレコード屋やデパートや駅ビルのCDショップが姿を消す中で、筆者が最もお世話になる実店舗がディスクユニオンとタワーレコードである。どちらもオリジナル特典とインストアイベントを積極的に導入し、単なる小売店ではなく、体験の場としての機能を兼ね備えている。特にタワレコはライヴハウスでのイベントを多数企画し、音楽そのものの魅力を伝えることに注力しており、その努力は高く評価したい。これまでも何度かタワレコ企画イベントに参加してきた。ド平日の1000人キャパの大型ライヴハウスは、人気アーティストのワンマン以外は動員は難しい。そんな閑古鳥の鳴く時間帯は逆にユニークなイベントを打つチャンスでもある。そこに着目したタワレコの企画イベントは、他にはない個性派アーティストの対バンの好企画揃い。ドルイベ以外は満員では無いので、余裕のあるスペースでステージ間近で楽しめる穴場といえる。今回は大人の為のロック・イベント。ラインナップは実年齢に関わらずて熱いロック魂をもったバンドばかりなのでどんなステージになるか楽しみ。

SCOOBIE DO


名前は知っていたが観るのは初めて。名前をからヒップホップかメロコアをイメージしていたが、真っ当なロケンローバンドで嬉しい驚きだった。全員スーツで決めたルックスやフルアコのギターは大人を意識したのかと思ったら、彼らの普段のスタイルだった。大人の仲間入りだ!と叫ぶ割にはノリノリのダンサブルなロケンローの連発に早くもイベントの名目は吹っ飛んでしまった。




武藤昭平 with ウエノコウジ


勝手にしやがれのドラマーの武藤と元ミッシェル・ガン・エレファント、現The HIATUSのウエノのアコースティック・デュオ。先日のベンジーに続いてロケンローラーのフォーキー・スタイルである。しかしそのステージはクールなベンジーとは真逆の酔いどれパーティー。武藤のキャラクターは見るからに酒好きなオヤジだが、ハイエイタスで寡黙なカッコマンを通すウエノがビール片手にジョークを飛ばして大笑いするのは意外でもあった。普段は飲み屋やバーでの演奏が多いとのことだが、さすがベテラン、余裕のエンターテインメントだった。




THE GROOVERS


93年のデビュー作『Top Of The Parade』を愛聴しており、吉田拓郎の「春だったね」のカバーはカラオケの定番だったグルーヴァーズを観るのは10数年ぶり。大ヒットしたことはないが、存在自体が日本のロック界に影響を与え続けるロケンロー・レジェンドである。20年経っても同じメンバーで活動しているのが素晴らしい。藤井一彦の直情ヴォーカルとシャープなギターは唯一無比。「持続こそ力なり」と「三つ子の魂百まで」の両者を体現するトリオのオーラに浄化された。



アンコールではグルーヴァーズにスクービー・ドゥのマツキタイジロウ(g)と武藤昭平が加わってルー・リードの「スウィート・ジェーン」を日本語で演奏。2世代共演によるヴェルヴェッツは単なる追悼に終わらぬ新時代へのスタートを宣言していた。


からだは大人
こころは子供
ロケンロー

新世代の息吹といえばこの共演!
●新山詩織 with THE GROOVERS




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【SPIN】BiS階段:アイドル・キラーはJ-POPとハーシュノイズとバケツいっぱいのスライムを団結させる。

2013年11月15日 00時38分02秒 | 素晴らしき変態音楽


BiS階段:アイドル・キラーは、なんとかJ-POPとハーシュノイズとバケツいっぱいのスライムを団結させる。

"ノイズ・プラス・エンターテイメント、それは素晴らしいアイデアだ"

SPIN
November 12 2013

WRITTEN BY Philip Sherburne



BiS階段は、日本の音楽スペクトルの両極端の2者による世代融合ポップ・クーデターである。BiS(新生アイドル研究会の略)は日本ポップス界のメインストリームを形成するシンガー・ダンサー・セレブ・カルチャー=「アイドル」シーンの代表格。 非常階段は70年代後半にさかのぼる悪名高い芸術ノイズ即興集団で、お馴染みのフィードバックの嵐やギター投げと馴染みの薄いステージ上の放尿と汚物塗れの両方交えたの狂乱のステージで有名。一緒になった彼らは、物質と反物質を支配する同じ力によって合体した前衛ポップ・スーパーグループといえる。

BiS階段による戸川純の1995年のヒット曲「好き好き大好き」のカバー・バージョンのPVを観れば、対立的な不協和音、甘いポップ、シアトリカルなパフォーマンス芸術のミックスという眩惑する衝撃のすべてがわかる。血飛沫滴るセーラー服のBiSのメンバーが絶叫し、暴れ回り、チェーンソーを振り回し、絶頂時のメルトバナナも真っ青のパフォーマンス見せる一方で、階段はギター・アンプとエレクトロニクスの轟音ノイズをまき散らす。BiSがバケツいっぱいのスライムを頭から被るショットは、1980年代の非常階段のパフォーマンスのダイレクトな再現である。非常階段の創始者JOJO広重が説明する。「このビデオは非常階段やハナタラシや日本のアンダーグラウンド・ミュージックへのオマージュなんだ。」

それらの世界を埋めることができるとすれば、それはこの2つのグループ以外にいない。非常階段はすでにヴァーチャル・シンガーであり音声合成ソフトであるボーカロイドの初音ミクとのコラボレーションによる初音階段で、アイドル/ノイズ海域をテスト航行済。一方BiSはアイドル・カルチャーに於ける「恐るべき子供たち」である。PVでは裸体を晒したり、下着姿で侍と闘ったり、t.A.T.uのように女子高生キスに耽ったり、喉にカメラを突っ込んだり、死体ペイントとミニーマウスのつけ耳を身に纏いバブルガム・ブラックメタル風のサントラを奏でたりしている。2012年発表のアルバムは『アイドルは死んだ』とタイトルされたが、カルチャーの中から従来の型にはまったポップの概念を組み替えるBiSの能力を考えれば、『...アイドルよ永遠に』と付け加えるべきだったろう。なぜなら浜崎あゆみや安室奈美恵やK-POPの2NE1など従来型のアイドルを擁するメジャー・レーベルAVEXに所属しているのだから。



「初めのうちは」とBiSのリーダーのプー・ルイは認める。「心配するファンもいたし批判もあった。でもBiSはこれをやり続け、徐々にファンがアイドルとして私たちを受け入れてくれたの。」

どちらのファンもこの組み合わせを大歓迎したわけではないだろうと思うかもしれないが、それは事実ではない。「BiSのファンは非常階段のことを知っていた」とJOJOは言う。「一方、非常階段のファンはBiSを知らなかった。」西洋で同様の例を挙げるのは難しい。ウルフ・アイズに精通したケイティ・ペリー・ヲタクが居ても、その逆はいない? プー・ルイによれば、BiSの筋金入りのファンは「研究員と呼ばれ、とても狂っているわ。研究員は楽しいものは何でも受け入れる。そもそもBiSのメンバーはハードコア・ミュージックが大好き。研究員は従来の型にはまったアイドルは好きじゃないけど、音楽は大好きなの。たくさんの種類の音楽をね。」「私は非常階段がどんな音楽をやっているか知ってた」とメンバーのテンテンコが付け加える。「でも彼らは私が生まれる前から活躍していた。だから共演するのはとても刺激的で印象深かったわ。」

「僕にとっては芸術的なノイズは簡単なんだ」とJOJOは説明する。「僕は30年以上ノイズをやってきた。もう芸術を創り出す必要はない。ノイズ・プラス・エンターテインメントなんて、素晴らしいアイデアだろう。エンターテインメントにノイズをプラスすることでノイズの境界を拡げることができる。ノイズを別のものに変換することが可能なんだ。」

次はどのアイコンをノイズ化したいのかと尋ねられて、JOJOは躊躇いなく「レディ・ガガ!」と答えた。ガガが新曲「ヴィーナス」でサン・ラーをサンプリングしたことを考えれば、ガガ階段はさほど荒唐無稽なアイデアではなかろう。


▼レディ・ガガのニュー・アルバム『アート・ポップ』収録曲「ヴィーナス」


            
▼フランスのシンセ・ロッカー、ゾンビ―・ゾンビ―の曲をサンプリング



           
▼ゾンビ―・ゾンビ―の曲の元ネタはサン・ラーのこの曲





階段で
会談したら
解団に

<BiS階段フォトコレクション>
   
  
    
   
   


<BiS階段スケジュール>
2013.11.16(土)四ツ谷OUTBREAK!
自家発電 Vol.2 酒と動物-Let's get animal-
≪第一部 ライブ≫ OPEN 14:00 / START 14:30
出演:非常階段、BiS、QP-CRAZY、L.L. COOL J太郎、いずこねこ、おいおい教教祖 DJ:オッチー
Special Guest Live:非常階段 feat.戸川純
≪第二部 ライブ&トークショウ≫ OPEN 19:30 / START 20:00
出演:水中、それは苦しい、みどり〇みき、DJ:オッチー
☆BiS階段トーク:非常階段、BiS、戸川純
☆センベロトーク:玉袋筋太郎、清野とおる、� 宮�本店 東京支店 伊藤盛男……女将:谷桃子

2013.12.11(水)初台The DOORS
『頭脳警察NEW ALBUM「暗転」発売記念~「第7回 寺山修司音楽祭」』
出演:JOJO広重+ファーストサマーウイカ(BiS、BiS階段)、頭脳警察

2014.1.18 (土) 名古屋CLUB QUATTRO
「お年玉GIG2014」
出演:BiS、非常階段、the原爆オナニーズ、原爆BiS階段
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浅井健一 アコースティック・ライヴ 『GARAM MASALA NIGHT』@恵比寿LIQUIDROOM 2013.11.12(tue)

2013年11月14日 02時03分43秒 | ロッケンロール万歳!


KENICHI ASAI
ACOUSTIC LIVE TOUR
GARAM MASALA NIGHT


今年2回ファンクラブ向けに限定披露されたベンジーのアコースティック・ライヴ(6月21日8月9日)が一般公開。皆川真人(key,b,cho)、岡村美央(vn)、椎野恭一(ds)をバックに前半はアコギ&ベース1曲でフォーキーに、後半はグレッチでエレキに、約90分間のベンジー・ワールドを展開。ソロ作に加えブランキー、シャーベッツ、ポンティアックスの楽曲を交えた選曲のテーマは男の浪漫。激しいロケンローというよりもメロディーの良さが引き立つムーディなナンバーの連射に満場の観客が酔い痴れた。アットホームなムードにオーディエンスとのコミュニケーションも良好。

ベンジー「今日は、き、来てくれてありがとう。バイオリン美央ちゃん、キーボードみなっち、ドラム椎野センパイ」。。
男子ファン「ボーカルは!?」「ギターは!?」
ベンジー、照れ笑い。ボソッと「浅井健一」

「アルバムはまだ出来てないよ」ということは制作中か。今回のツアーのアコースティック感覚が反映されるに違いない。クリスマス前に再度フォーキー・ライヴが決定したことだし。












少し前からフォーキー復活の兆しを感じているが、ベンジーがアコギで歌う姿を観ていて、90年代に大ブームとなったMTVアンプラグドを思い出した。80年代に勃興し世界の音楽シーンに革命をもたらしたMTVが90年代に仕掛けたムーヴメントがMTVアンプラグドだった。元々はボン・ジョヴィのジョン・ボン・ジョヴィとリッチー・サンボラの提案によって企画された、一流アーティストによるアコースティックを基調とするライブ番組。1989年に放送を開始。R.E.M.やニルヴァーナなど、普段のイメージとは異なる新たな側面の発見や、エリック・クラプトンやキッスなど、ベテラン・アーティストへの再評価などが好評を博し、一躍MTVの看板番組のひとつとなる。レギュラー番組としては1999年に終了。以降は、MTVやアーティストの要望に応じて不定期に企画、放送されている。

90年代はMTVアンプラグドに出演することがステイタスの証しとされ、数多くのアーティストがこぞって出演し、番組を収録したCDがビッグ・セールスを記録した。「プラグを抜いた」という意味で電気を使わない演奏を表す一般名詞だった「アンプラグド」はMTVが商標登録したため、現在は「プラグレス」という言葉が使われている。


●エリック・クラプトン『アンプラグド~アコースティック・クラプトン(Unplugged)』(1992)


MTVアンプラグド最大の世界的ヒット。アルバムが全米1位、シングル「ティアーズ・イン・ヘヴン」も全米2位、グラミー賞ではアルバムがアルバム・オブ・ザ・イヤー及び最優秀男性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞したのに加えて、収録曲「いとしのレイラ」が最優秀ロック・ソング賞を受賞した。「アコースティック音楽、とりわけアンプラグド・アルバムを1990年代最大の流行にしたアルバム」と評される。




●ニルヴァーナ『MTV・アンプラグド・ニューヨーク(MTV Unplugged in New York)』(1994)


1993年10月18日ニューヨークのソニースタジオで録音され、1994年春カート・コバーンの死後にリリースされたアルバム。自作のアコースティック・ナンバーにデヴィッド・ボウイ、ヴァセリンズ、ミート・パペッツ、レッドベリーのカバーを交え、一味違ったニルヴァーナの演奏を聴くことが出来る。カートの死後初のアルバムということでアメリカ、イギリス、オーストラリアなど各国のチャートで1位を独占した。




●KISS『停電 (地獄の再会) ~ Kiss アンプラグド』(1996)


地獄の軍団KISSもアコギに持ち替えて登場。当時のメンバーのポール・スタンレー、ジーン・シモンズ、ブルース・キューリック、エリック・シンガーに、旧メンバーのエース・フレーリー、ピーター・クリスが加わった編成。やっぱり化粧は落としている。のちのリユニオンツアーの発端となったアルバムである。




●CHAGE&ASKA『MTV UNPLUGGED LIVE』(1996)


アジア出身アーティストとして初めてMTVアンプラグドに出演したのはチャゲアスだった。1996年6月19日にロンドンのファウンテン・スタジオにて現地のミュージシャンをバックに収録された。観客は約300人。元々アコギ系のデュオだから新鮮味はないが、世界のMTVに日本人初出演!という話題でオリコン1位。




アンプラグドでもプラグレスでもいいけど、猫も杓子もアコギを持てばいいってもんじゃない。持つべき人が持たなきゃね。ベンジー+友川カズキ+大森靖子の対バンキボンヌ。

フォーキーと
アンプラグドは
違います

【募集】『一番アコギの似合う女の子は誰?』コンテスト

▼筆者の推しはキャシー・ヤング


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デヴィッド・アレンに捧ぐ~We Are "You Me & Us"「君と僕と私たち」が大集合。

2013年11月13日 00時50分25秒 | 妄想狂の独り言


●you me & us
10月31日にスタートしたデヴィッド・アレン+クリス・カトラー+ユミ・ハラのyou me & us Japan Tourは本日渋谷Li-poに於ける30人限定ライヴで幕を閉じた。筆者は初日しか行けなかったが、SNSに寄せられた数多くの投稿を見れば、全国各地で如何に素晴らしい演奏を繰り広げたかがわかる。個人的には75歳のデヴィッド・アレンの元気な姿にインスパイアされ、物事を様々な角度で分析しふたつの有益な論証を行うことが出来た。誠に有意義な13日間であった。



デヴィッド・アレン妄想その1「老人力」→コチラ
デヴィッド・アレン妄想その2「陰謀説」→コチラ

妄想納めとして『君と僕と私たち(You Me & Us)』仲間を調べてみた。

●You Me & Us


Carlee Hendrix、Ignacio Caniza、Alyssa Midcalfからなるカリフォルニア州パーム・スプリングス出身のノイズ・ポップ・トリオ。カーリーは12歳の時ミッシェル・ブランチの影響でギターを始めた。アンダーグラウンド・パンクのファンだったイグナチオと高校時代に出会い、公園デートを重ねるうちに恋仲になる。2010年にYou Me & Usを結成。ローカル活動を続け、2011年1st EP『Paperweights』をリリース。インディー・シーンで話題になり、テキサスで開催の国際音楽見本市SXSWに出演。アリッサをベースに誘い正式にトリオとなる。今年6月2nd EP『Stay Inside』をリリースし、SXSW2013及び地元パーム・スプリングスで開催されたコーチェラ・ミュージック・フェスティヴァルなどに出演。透き通ったノスタルジックなノイズサウンドと甘い歌詞が魅力。カーリーは「明るいポップミュージック、シンプルなコード進行、簡単なメロディが基本だけど、叙情的で、奇妙な感じが好きなの。それがモダンなノイズポップよ」と語る。30年前ゴングやヘンリー・カウが追求した非主流派ロックが、カーリーたちの不思議さと甘さが融合したちょっとセンチなサウンドに継承されている。





★インタビューはコチラ


●Martine McCutcheon "You Me & Us"


イギリスの歌手兼女優のマーティン・マッカーチェン(37)の1999年のデビュー・アルバム。1stシングル「完璧な瞬間(とき)(Perfect Moment)」はイギリス、アイルランド、スイス、イタリアでNo.1ヒットし、アルバムも全英2位ダブル・プラチナムの大ヒット。ブロンディのデボラ・ハリーに憧れて歌手を目指したマーティンの王道のガーリーポップス路線は英国版セリーヌ・ディオンという感じ。♪あなたと一緒の時がわたしの完璧な瞬間(とき)なの♪と唄われるこの曲はイギリスでは結婚式の定番。日本では殆ど知られていないが、イギリスのテレビや映画ではお馴染みの顔である。






●Richard Thompson "You? Me? Us?"


英国のシンガーソングライター、リチャード・トンプソン(64)の1996年の8thアルバム。プロデュースはロス・ロボス、スザンヌ・ヴェガ、エルヴィス・コステロなどを手掛けた売れっ子ミッチェル・フルーム。エレクトリック盤とアコースティック盤の2枚組で、フェアポート・コンヴェンション時代から定評のあるギター・テクニックと陰影のあるサウンドが堪能できる。当時2歳の息子テディがヴォーカルで参加しているのも話題。






●2gether "U + Me = Us"


アメリカMTVで1999-2001年に放映されたテレビドラマ『2gether』の主人公の架空のボーイズ・バンド、2getherのデビュー曲。90年代のニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック、 'N Sync、バックストリート・ボーイズなどボーイズ・バンド・ブームのパロディで、5人のメンバーは全員俳優。ひとりアイドルらしからぬおっさんがいるのがイカす。2000年には番組を飛び出してブリトニー・スピアーズのツアーのサポートも務めた。2年前に再結成がアナウンスされたが未だ実現に至っていない。1Dに対抗するためにぜひとも復活して欲しいものだ。






君のため
僕のため
我々のため

You are Me is Us were.
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【噂の真相】アレン一族の陰謀~世界の音楽界を影で牛耳る謎のファミリーの秘密を暴く!

2013年11月11日 00時33分58秒 | 妄想狂の独り言


マーシャル・アレン Marshall Belford Allen 89歳(1924年5月25日 - アメリカ ケンタッキー)長男
デヴィッド・アレン Christopher David Allen 75歳(1938年1月13日- オーストラリア メルボルン)三男
 

来日中のデヴィッド・アレン(75)、ご長寿ランキング第2位のマーシャル・アレン(89)のダブル・アレンに共演歴があるという衝撃の事実が判明した。映像作家ジェームス・ハラーによる映像&即興ユニットCINEMA SOLORIENSにマーシャル&デヴィッド・アレンが参加し、今年春にヨーロッパ・ツアーを行った。マーシャルは以前からCINEMA SOLORIENSに参加しており、2006年に来日も果たした。「太陽が招く宇宙のドラマ」というタイトルで、映像と即興演奏が自在に絡み合い果てしない宇宙の旅を生み出すというコンセプトは、まさにゴング以来デヴィッド・アレンが追求する世界観と同一である。今回の共演は星間旅行楽団アーケストラとコバイア星のトリップ集団ゴングのシンクロニシティを明らかにした。ジャズとロックの宇宙教祖の邂逅は21世紀カオスのコスモス化の為には必然であろう。



聡明なる読者諸兄に改めて説明する必要はあるまいが、ご長寿&宇宙のときめきのダブル・ヘッドライナーを勤める両者のもうひとつの共通点は「アレン」姓である。謎に満ちたアレン一族の系譜を紐解くと、人類の歴史を震撼させる衝撃の事実が明らかになる。

ウディ・アレン Woody Allen 77歳(1935年12月1日 - アメリカ ニューヨーク州ブロンクス)次男


アレン一族の出世頭にして最大のセレブは映画監督のウディ・アレン、本名はアレン・スチュアート・コニグズバーグ(Allen Stewart Konigsberg)。女性に囲まれ精神的かつ言語的に混沌とした幼少時代を経てマジシャン、ギャグライター、コメディアン、映画監督、俳優、小説家、クラリネット奏者という様々な顔をもつ。私生活はダイアン・キートン、ミア・ファロー、ミアの養子のスン・イーと恵まれた女性遍歴に彩られる。ジャズをサントラに多用する映画作品は、ニューヨークを舞台に差別やコンプレックスや自意識に苛まれて生きる少数派を描いた人間ドラマ。黒ぶち眼鏡の冴えない風貌にはセレブっぽさは皆無の社交界の異端児。




ピーター・アレン Peter Allen 48歳没(1944年2月10日 - 1992年6月18日 オーストラリア・ニューサウスウェールズ)四男


アレン家ポップス系代表はオーストラリアのシンガーソングライター、ピーター・アレン、出生名はPeter Richard Woolnough。映画『ミスター・アーサー』(80)主題歌「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」でアカデミー賞受賞したAORの王道。キャッチコピーは「ニューヨークのゲイ・シンガー」。70年代にカミングアウトした数少ない有名人のひとりである。広いおでこでニカっと笑い、胸毛を晒してクネクネ踊る姿はゲイ人たちの憧れの的だった。1992年48歳でエイズの為死去。2004年に生涯を描いたミュージカルがブロードウェイで上演され、ピーター役のヒュー・ジャックマンはトニー賞を受賞した。生きていれば69歳のアレン一族の4男坊。




●バイロン・アレン Byron Allen 年齢不詳(生年場所詳細不明)除籍


1963年に弁護士のバーナード・ストールマンが設立したESPディスクは翌年のジャズの十月革命と呼応してフリージャズ作品を多数リリースする。オーネット・コールマン、アルバート・アイラー、サン・ラー、ファラオ・サンダース、ポール・ブレイなどシーンを代表するアーティストに加え、若手ジャズマンの作品も数多い。そのひとりがアルトサックス奏者バイロン・アレン。オーネット・コールマンの紹介でESPと契約したバイロンは当時のオーネット・トリオと同じsax/b/ds編成で1965年に『Byron Allen Trio』をリリース。チャーリー・パーカーの影響の濃いアグレッシヴな演奏を聴かせる好盤だが、この一作で姿を消した。長い不在の後、1979年に突如2ndアルバム『INTERFACE』をリリース。メンバーは違うが同じトリオ編成で、1stの攻撃性は影を潜め、スティーヴ・レイシーを思わせる静謐かつ知的な世界を展開した。しかし再び消息不明になり、現在生死も明らかではない謎のジャズマン。残された2作は孤独な才能のメモリアルとして貴重。アレン一族の門外不出口の秘密である。




ジェリ・アレン Geri Allen 56歳 (1957年6月12日- アメリカ ミシガン)長女


デトロイト出身の女流ジャズ・ピアニスト。初期のフリー全開の演奏は聴いていると胃痛になるとまで言われた。スティーヴ・コールマンが提唱したM-BASE派に属したが徐々に活動の幅を広め、オーネット・コールマンやチャールズ・ロイドなどの大物やデイヴ・ホランド&ジャック・デジョネット、ロン・カーター&トニー・ウィリアムスといったベテラン・リズム隊と共演、現代ジャズ界を代表する人気女性アーティストである。若い頃はスリムでシャープな姉御肌だったが、今は貫禄でっぷり、もとい、たっぷり。




リック・アレン Richard John Cyril "Rick" Allen 50歳(1962年11月1日 イギリス ダービーシャー)五男


英国のハードロック・バンド、デフ・レパードのドラマー。3rdアルバムが全米チャートでマイケル・ジャクソンの『スリラー』に次ぐ最高2位を獲得する大成功を収め順風満帆に思えたリックの人生を、1984年に交通事故で左腕切断という悲劇が襲った。しかしめげることなく楽器メーカーの協力を得て両足と片腕だけで演奏可能なドラムセットを開発しバンドに復帰。以来一貫して世界的ロック・スターの屋台骨を支える。さすがアレン一族の末っ子である。




アレン・ギンズバーグ Irwin Allen Ginsberg 70歳没(1926年6月3日 - 1997年4月5日 アメリカ ニュージャージー)隣人以上親戚未満


アメリカの詩人。アレン姓ではないが、ウディ・アレンの本名も違うことを考慮すれば、アレン一族とは単なる隣人以上の因縁があることは確か。代表作「吠える」はジャック・ケルアック「路上」と並ぶビート文学の古典。ビートの親玉、不良の大物、ゲイ詩人、ドラッグ常習者、など不名誉という名誉を背負った、60年代ヒッピーのカウンターカルチャーのアンチヒーローであり、音楽界にも多大な影響を与えた。ソロ・レコードも数作リリース。同じビート詩人サークルから生まれたロック・バンド、ファッグスのレコード解説を執筆し、ESPディスクの編集アルバム『EAST VILLAGE OTHER』にも参加。ボブ・ディランやポール・マッカートニーとの共演もある。生きていれば87歳。




GGアリン Kevin Michael "GG" Allin 36歳没(出生名Jesus Christ Allin 1956年8月29日 – 1993年6月28日 アメリカ ニューハンプシャー)勘当


「ロック史上最悪の変質者」と呼ばれるパンク歌手。将来救世主になるという天使のお告げでジーザス・クライストと名付けられたが、兄が発音出来ず「じぇじぇ」と呼んだためGGというニックネームになったという逸話はあまちゃんに影響を与えたのかも。ステージ上での排泄、ガラスやビール瓶で自分を切り刻む自傷行為、観客に向かって罵りと糞便と暴力を撒き散らすという、初期じゃがたらやスターリンも真っ青な過激なパフォーマンスが有名で、現在でもお下劣ミュージシャンの代表格として語られる。20年前にドラッグ死しなければ57歳だが、さすがのアレン一族も生まれた時に勘当せざるを得なかった人格破綻者。




以上の考察より、アレン一族の特性は下記5点に集約されることが証明された。

1)人知を超えた強い生命力
2)へこたれない不滅の意思
3)道を究める求道者
4)謎に満ちた変わり者
5)アングラ文化との連動

結論)「アレン」は世界文化を裏で牛耳る地下組織のキーワードである。

▼陰謀キャンペーン実施中



荒れんなら
アレンとあかん
アレアラレ

リリー・アレン Lily Rose Beatrice Allen 28歳(1985年5月2日 - イギリス ロンドン)孫娘


イングランドのシンガーソングライター。MySpaceで曲が700万回視聴され、インターネットで火がついた。毒舌家で知られ、元ザ・リバティーンズのカール・バラーやザ・クークス、ケイティ・ペリーなど多くのアーティストに毒を吐いている。カワイイ顔してこんな歌を唄うとは、やはりアレン家の血は争えない。



★アレン一族のさらなる情報求む!!!



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冬シーズン到来!木枯らし小僧のアイドル鍋~Negicco/ももクロ/℃-ute/おはガ/カワユシ/しず風/Kus

2013年11月09日 00時15分15秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


めっきり冷え込む木枯らしの季節をホットに過ごすには鍋に限る。新潟産柔肌ネギをメインに、隠し味にNONA REEVESスパイスを振掛けてN・I・G・I・C・C・O!と呪文を唱えれば、赤いドレスのあの娘も満足、本命鍋の出来上がり!ときめく寒空のヘッドライナーはなんてったってアイドルで決まり。アイドルばかり聴いてるわけじゃないが、心も身体も暖まるには、元気な歌とはじける踊りと明るい笑顔に勝るものはない。冬の到来に心浮かれるあなたに贈るアイドル冬の陣をご紹介。

Negicco「ときめきのヘッドライナー」 


こんばんネギネギーッ!と葱娘が結成10周年記念イヤーの〆を飾る最新シングルをドロップ。冒頭クリスマス・バラードか?と思ってしまうがすぐにネギ印のノリノリ・ビートでレッツゴー。私を本命にして!という乙女心をときめきコールで発散するNao,Meg,Kaedeの3人に声援が上がる。終演後サプライズ上映された10周年記念ライブDVD「『Melody Palette』~お気に入りのパーティーへ~」の予告編を眺める観客のほんわかした笑顔には、娘の成長に頬を弛める父親と通じるネギ愛が溢れていた。




ももいろクローバーZ「GOUNN」


ももクロちゃんの約1年ぶりのニュー・シングルはこってり凝りまくりの印度仕様。モノノフでなくても舌を巻くLEVELの違いを見せつける。モノノフパワーに楯突く気はないが「ガンダーラ」「日本印度化計画」「マツケン・マハラジャ」の流れを汲む正統派カレー歌謡といえよう。しかしこの衣装ではエビ反りは出来まい。




℃-ute「都会の一人暮らし」


対抗勢力ハロプロの第3のグループ。武道館公演が大成功でノリに乗ってる5人組の新曲は都会の孤独がテーマの泣けるシチュエーション。つんく♂ならではのクサいほどエモいディスコ歌謡がたっぷり。




おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!「夢ふうせん」


幼稚園・小学校で挨拶の定番「おっはー!」の生みの親のテレビ番組がら登場した朝会えるアイドル、略して「あさドル」中学生3人組。番組的にはお子様限定っぽいが、ふうせんのように若さ弾けるハイジャンプは他のアイドルには真似できない。夢に向かってジャンプ!




●アイドル妖怪カワユシ♥「カワユシ・アラワル」


地下アイドル、絶賛稼働中。この名前はアウトだろと思ったが、妖怪っぽさは微塵も無いしカワユさ余って憎さ百倍なんて訳も無い。ジェイソン・マスクのアイドルユニット、アリス十番やスチームガールズを擁する地下アイドル戦国時代の総本山アリスプロジェクト所属グループから過酷な試練を勝ち抜いた選抜メンバーによるユニット。地下生活アイドルの本心を赤裸々に描いた歌詞のインパクトはでんぱ組以上。




しず風&絆~KIZUNA~「交~Majiware」


愛知出身のふたつのグループの合体ユニット。アイドルとロックの融合をめざす「Iロック」を提唱し、生ロックバンドを従えた演奏レパートリーには、ラフィン・ノーズやジュンスカのカバーも含む。PASSPO☆やひめキュンフルーツ缶と並ぶエモロック路線はひたすらカッコいい。尽くし尽くしで暴動寸前。




Kus Kus「ステキな宝物」


クスクスと聞いてイカ天バンドを思い出すのは筆者だけではあるまい。光の国の子供達ではなく、中部北陸地方の有力書店チェーンのキャンペーンガールである。Perfumeの影響大のテクノ歌謡だが、糸電話やヴィンテージに鳴り得ない中古シンセが登場するローテクアナクロPVがいい感じ。




ヤミ鍋じゃ
何でもかんでも
召し上がれ

雑食性がご長寿の素。

12/11(水)発売
ネギ愛に満ちた幸せのDVD
Negicco LIVE DVD
「Melody Palette」~お気に入りのパーティーへ~


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灰野敬二 Experimental Mixture@恵比寿BATICA 2013.11.6(wed)

2013年11月08日 00時54分25秒 | 灰野敬二さんのこと


BLACK SMOKER RECORDS PRESENTS
灰野敬二 / EXPERIMENTAL MIXTURE Release Party!!!

<DJ>灰野敬二/KILLER-BONG/L?K?O

灰野敬二初のMIX CDを購入する為にクラブミュージック専門CDショップを訪れた。魔除けのお札を思わせる象形文字が描かれた黒い四角形が、カラフルなグラフィックに彩られたRap/Hip Hop/TechnoCD群に囲まれて、つまらなそうに鎮座していた。そもそもクラブミュージック専門店に足を踏み入れることは滅多にない。一応エサ箱を眺めると、名前だけは聞いたことがあるアルファベット列が目に留まる。似たようなガングロB系ボーイズが並ぶジャケットからは音の想像はつかない。ボトムの太いエイトビートとチェケラッ!ヘイメーン!アジテーションが溢れ出るのだろう。未知の音楽の宝庫だが、残念ながら筆者の感性への訴求力はアキバ系18禁コミックショップの百分のイチのセックス・アピールもない。かと言って灰野のCDがとらのあなに並ぶ光景も不条理極まりない。紛い也にも音楽仲間に埋もれている方が無難かもしれない。



それは兎も角、MIX CDを買うのは同じくBLACK SMOKERの中原昌也MIX CDに次いで生涯2度目。苦情覚悟でフルヴォリューム鳴らすべきか、iPODに入れてヘッドフォンで聴くべきか、行きつけのカフェでBGMとして流してもらうべきか、どう聴くのが相応しいのか判らない。普通のMIX CDはどうなのか知らないが、BLACK SMOKERのCDには曲目もアーティスト名も書いておらず、1トラックしかない。曲をスキップすることが出来ないので、一度再生したら一気に最後まで聴かなけらばならない。流行の曲名判別アプリを使えば曲名は判明するだろうが、だからといってMIXの意味が解明される訳ではない。既存の楽曲を並べただけだが、選曲・繋ぎ・流れの中にDJのセンスが発揮されている。他人の曲で自己主張する訳だ。他人の褌で相撲を取る?人の振り見て我が振り直せ?隣の曲はよく客喰う曲だ?以前考察したように灰野敬二のDJは踊らせたりリラックスさせたり盛り上げたりする意図は全くない。楽器演奏やヴォイス・パフォーマンスと同様に、灰野自身の内から滲み出る慈愛に満ちた情念を音として体外に投射する方法論に基づく。DJでは楽器や声の代わりにCDを使うのだ。BLACK SMOKER総帥KILLER BONGがカオスパッドを使うように、灰野はDJプレイにドラムマシーンを絡ませる。黒いレースのカーテンの向こうで、灰野身体を激しく揺り動かすのが見える。



PAから吐き出される圧縮された音の暴力に身体ごと連れ去られるような脅威を感じつつ、ミラーボールの光を目で追うと幽体離脱の恐れがあるので目を固く閉ざす。Eyes Wild Shut状態で身体にのしかかる音の重みを感じ、床の震動が足元から背骨を伝わり頭蓋に達し脳漿をシェイクさせるのを感じる。狭い空間に30人以上集まった観客は夢遊病者のようにゆらゆら蠢いている。魂を操るのが灰野マジックであるならば、このクラブの空間は魔術の箱庭に他ならない。同じ経験をCDに求めても無理。灰野敬二の世界は五感すべてを総動員して感じるべきだから。それでもこの銀盤には魔法の種のパウダーがふりかけられているのは間違いない。五感のうち聴覚のみに頼った受容体験は、あたかも純度の低いヘロインを摂取するように、生命を賭けた危険行為である。禁断症状が出たらすぐに霊験現たかなジャケットを胸に当て、灰野の愛に満ちた言葉を唱えるのがご長寿の秘訣であろう。



DJと
呼ぶから余計
わからない

KILLER-BONGとの共演が実現!
11/29 fri 渋谷Club Asia
BLACK SMOKER RECORDS PRESENTS
"EL NINO"
ARTISTS: 灰野敬二, KILLER-BONG, DOOOMBOYS(BLACK MOB ADDICT),
skillkills, Fumitake Tamura (Bun), ROKAPENIS, YAZI, VIZZA, KLEPTOMANIAC.
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ヘア・スタイリスティックス『黄金時代』ライヴ@吉祥寺バウスシアター 2103.11.5(tue) 

2013年11月07日 00時18分28秒 | 素晴らしき変態音楽


BAKUON HARVEST/爆音収穫祭
Hair Stylistics(中原昌也)無声映画KIVE
「ルイス・ブニュエルの黄金時代」




2011年『極北の怪異』(22)、2012年『戦艦ポチョムキン』(25)と続き、爆音映画祭恒例になったヘア・スタイリスティックスの無声映画ライヴ。爆音収穫祭と題して開催された今年は、スペイン出身の映画監督ルイス・ブニュエルの『黄金時代』(30)。目玉をナイフカットするダリのショッキングな映画『アンダルシアの犬』(28)の監督である。一般的にはカトリーヌ・ドヌーヴ主演作『昼顔』(67)や『哀しみのトリスターナ』(70)のエロチック映画の印象が強いのでは。本作もダリと共同脚本、マックス・エルンスト出演のシュールレアリズム作品。公開当時、 右翼がスクリーンに向って爆弾を投げつける事件が起きて、その後50年間にわたり公開禁止となったという逸話のある物騒な映画だ。観た限りでは特に左翼的な思想が描かれている様子はない。ストーリーは一応あるが、支離滅裂で意味不エピソード&シーンのオンパレードなので、デートコースにこの映画を取り入れたカップルは人目を憚らずその場ではしたない行為に及ぶか、もしくは平手打ちの応酬かのどちらかであろう。人心攪乱罪または猥褻物陳列罪で逮捕されるかもしれない。ストラヴィンスキーの「春の祭典」初演で怪我人が出る大騒動になったのは1913年。20世紀初頭の人の感受性は相当ナイーヴだったようだ。



かねてから機材を運ぶ苦労に対して稼ぎが少ないと嘆いていた中原昌也がついにアナログからデジタルにヴァージョン・チェンジ。アップかダウンかは判断が難しいところ。大量のエフェクターの代わりにマックと操作卓だけのシンプルなセッティング。これで体力的にも楽になり、ご長寿への道が開けた。それにしてもアナログ機材へのこだわりがなかったのか気になるが、家賃のために売り払ってしまい、やむに已まれぬメタモルフォーゼだったのだろう。しかし高校時代大好きだったレジデンツが80年代モグラ三部作以降シンセを多用するようになったため、急激に興味が薄れた経験のある筆者にとって、デジタル版ヘアスタへの不安がないわけではない。



ド平日の夜10時からの上演だったが、熱心な映画&変態音楽&暇なファンの若者中心にほぼ満席。過去2回は女性キーボード奏者を迎えた演奏だったが、今回は100%ソロ。以前は不覚にも睡魔に襲われたが、今回は映画の筋が面白く、演奏も爆音ならずとも大音量だったので、舟を漕いだのはラスト5分だけ、と頑張った自分を誉めてあげたい。デジタルならではの音のキレと輪郭の太さが心地よく、機材に関係なくニル(虚無)&アブ(異常)なヘアスタカオスを産み出す三つ子の魂百まで根性を堪能。オーネット・コールマンがいくら下手クソにトランペットやヴァイオリンを演奏しても、結局サックスと同じ世界観を描いてしまうのと同じく、中原昌也として生まれたからには逃れられない運命である。中原昌也はノイズ界のオーネット(仮)といえよう。

 

運命の輪廻に絡み取られたかのようにマンスリー・ヘア・スタイリスティックスのシーズン2がスタートする。この日物販では第1弾『Olympic Disaster』が先行発売されていたが、その横についに100作を超えた悪名高きヘアスタCDRシリーズの新作2作が鎮座しているのを見て、中原のネス湖よりも深い悪意に背筋が凍りついた。




シュールシュル
シュルシュルシュール
シュルシュール

調子こいてライヴやりまくるかね、ヘアスタ。
         ↓
禁断のセッション2013!!!
━ UPLINK「夜のアトラクション」Part.5
出演:中原昌也、SOUJIROU a.k.a DJ DISCHARGE、東野祥子、rokapenis
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