Set List
OPSE
01.ワンピース心中
02.さくらメメント
03.生教育
CR
04.ベビーブーム
05.自撮入門
06.スカート革命
07.ガールズコレクション
08.アガペーソング(浜崎ソロ)
09.戦争を知りたい子供たち(松永ソロ)
バンドセッション
10.君にハラキリ
朗読「STAND BY ME シャブえもん」
11.血文字系(バンドVer.)
12.ロリィタ服と機関銃
MC
13.R.I.P.スティック
14.ガイガーカウンターの夜
15.僕が世
PRHYTHM FUTURA SESSION
未来世紀プリズムmeets灰野敬二
オールナイト音響セッションパーティ
ACT:灰野敬二/AMAZON FUNK/ENITOKWA/EXPE/KLEPTOMANIAC/YA△MA and More Surprise!
SOUNDSYSTEM:小松音響研究所オール真空管アンプ+ALTEC A5仕様
OPEN & START 23:00 till 7AM CHILL MORNING
2nd CDにライヴ・ヴァージョンが収録されたブロードサイド・フォーの「若者たち」は哀秘謡の重要なレパートリーのひとつ。現在に至るまで灰野が歌い継ぐ理由は、新たな旅立ちの先に待ち受ける希望と不安が、時代や年代を問わず全ての人間に共通する挑戦への心構えだからであろうか。
⇒Plan B 灰野敬二トーク・エッセー
英国ウェールズで1986年にジェームス・ディーン・ブラッドフィールドを中心に結成、1992年デビューしたロックバンド。ブリットポップ・ブームで脚光を浴びたが、絶頂期の95年にメンバーのリッチー・ジェームスが失踪、行方不明になりゴシップ欄を賑わす。解散せずに活動を続け、2010年にリリースした10thアルバムが『Postcards from a Young Man(若者からの手紙)』。
●キング・クリムゾン『新世代への啓示』
原題「Young Persons Guide To King Crimson』。哲学入門書のタイトルのパクリ。クリムゾン入門と謳っておきながら「21世紀の精神異常者」が入っていないのは、『クリムゾン・キングの宮殿』を買わせる為の策略かも。日本盤LPはモノクロ写真ブックレット付で嬉しい。
「怒れる若者たち(Angry Young Men)」とはイギリスの劇作家ジョン・オズボーンの戯曲《怒りをこめてふり返れ(Look Back In Anger)》(1956)から生まれた言葉で,既成秩序に不満をもち,旧来の価値観を受け入れようとしない反体制的な青年を指す。作家ではほかに、コリン=ウィルソンやアラン=シリトーらがいる。
70年代後半にニューヨークとロンドンから発生したパンク・ムーヴメントは、ロックに留まらず芸術及び文化全般に大きな革命をもたらした。忘れられた初期衝動を取り戻そうという試みであり、権威主義・商業主義に対するアンチテーゼであり、若者らしい反抗精神の発露であったパンク革命の最大の功績は、「DIY」=Do It Yourselfの精神を広く浸透させたことだった。元々日曜大工を意味するDIYを、「やる気になれば誰でも出来る」、さらに「自分で行動しなければはじまらない」と読み替えて、技術や財力が無くても誰でも表現行為が可能で、自分でそれを伝えることが出来ると宣言した結果生まれたのが80年代サブカルチャーだった。
日本でも既成のシステムから落ちこぼれたアンダーグラウンドな音楽家たちが、自らの活動の場を創設し、自主レーベル/自主コンサート/自主メディアを創り出した。特に東京と大阪の二大都市の底辺にカオスのように沈殿する地下音楽シーンは、決してメジャーに浮上することはなかったが、じわじわと90年代以降の芸術文化に影響を与えてきた。
そんな変革の時代の立役者3者の著作が時を同じくして出版された。21世紀も10余年が過ぎ、時代がカオス化しつつある現在、30数年前のカオスに学ぼうという機運が高まっているのかもしれない。
竹田と山崎の著作が既出記事のアーカイブであるのに対し、関西アンダーグラウンドを代表するノイズ・バンド、非常階段のリーダーJOJO広重の『非常階段ファイル』は全編書き下ろしのドキュメンタリーである。結成30周年を記念して2010年に出版された『非常階段 A STORY OF THE KING OF NOISE』は30年の歴史をメンバーと関係者への取材と資料をもとに記録したドキュメントだったが、そのサイドストーリーと言える本書は、「○○階段」として行われた他のバンドとのコラボレーション企画について広重本人が綿密に詳細を記した回想録である。というと普通の評伝やヒストリー本に比べてマニア性が高いと思われるかもしれないが、非常階段というバンドを軸にして、地下音楽シーンの多様性とその変遷を鮮明に描き出し、さらに演奏行為とは何ぞや?という表現者の本質をも明らかにする貴重なドキュメントなのである。非常階段の大音量即興ノイズ演奏の原点は「ジミ・ヘンドリックスのフィードバックがずっと続く音楽があればいいのに」という広重の少年時代の夢であり、山下洋輔トリオを聴いた時「求めていた音楽が実際にあった!」と驚喜したという。「○○階段」のコラボ企画のきっかけも「森田童子の歌のバックがノイズだったらいいのに」という広重少年の夢想だった。メロディーもリズムも無い「ノイズ」だからこそ、コラボレーション相手のジャンルを選ぶ必要は無い。面白いと思ったらまずやってみる、というDIY精神を体現するように、パンク、ハードコア、サイケデリックに始まり、ジャズ、ボーカロイド、アイドルと縦横無尽に展開される「○○企画」の多くが、実は成り行き任せだったと明かす。中でも興味深いのは、山下洋輔トリオに鼓舞されて演奏を始めた広重が、活動当初フリージャズ・ミュージシャンから嘲笑・罵倒され、その反発をエネルギーにノイズという独自の方法論で活動を続け、30年経ってJAZZ非常階段として坂田明と豊住芳三郎と共演し、ジャズの殿堂である新宿ピットインに出演したというストーリーである。すべて成り行き任せだった活動が、まるで運命の糸に操られるように繋がっていった事実。「なんとかなる」「どうにかなる」「その時はその時」が処世術と語る関西人らしい肩の力が抜けたフットワークの軽さがバンドを続ける秘訣だろう。
出演:Throbbing Gristle, Cabaret Voltaire, NON, SPK, Test Dept, Clock DVA, Re/Search - V Vale, Z'EV, Click Click, Sordide Sentimental, Hula, In The Nursery, Hands Production / Winterkälte, The Klinik / Dive, Ant Zen, Orphx and Prima Linea.