グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

霧の樹海

2009年07月09日 | 植物
今日も1日、濃い霧に覆われた一日でした。でも私は午後まで霧が晴れないことを願っていました。樹海の中を歩いてみるためです。霧の日でも自信を持ってお客様を案内できるようになるために、一度歩いておきたかったのです。

うちのスタッフの中で、ガイドとして一番経験豊富な嶋田は、「霧でもあそこは大丈夫。」と太鼓判を押します。でも本当に自分で実感として「大丈夫」と言えるようになるためには、やはり歩いてみるしかありません。何しろ趣味で山へ行っていた時には、天気の悪い時は行かなかったので、自分の中にイメージが湧かないのです。「よ~し、今日は午後の犬の散歩に樹海に行くぞ~!」朝からそう決めていました。

午後も濃い霧は続いていました。しかも風も結構強くて、白いモクモクした霧が目の前で横に流れて行きます。ダラダラ、ノロノロしている犬(濡れるのが大嫌い)を励ましながら歩きだしました。

樹海に入るまではあまりにも周りが白いので、「迷っちゃうかも…。」とちょっと不安があったのですが、中は本当に周りの霧が嘘のように、先まで見通せました。風の影響もなく、鳥の声さえ聞こえてきます。水蒸気で濡れたアオキの葉っぱがキラキラ光って、とても綺麗です。

森の中がこれほど見通しが良いのは、頭上高くにある木々の葉や枝が霧の水分を受け止めてくれているからに違いありません。木の幹もタップリ水分を含み、やわらかい手触りになっています。森の木々が水分を吸着してくれているおかげで、樹海の中は安心して歩けるほどの視界が確保できるのですね。

樹海を抜け、広い場所に出たとたんに、白いモクモクが木の上から地面に向かって流れ込んでくるのが見えました。木のないところは霧が濃くて先が見えにくくなっていました。

雨の日には自分の体や枯葉の積もった地面に水分を受け止め、晴れた日には貯めた水分を少しずつ蒸発させて乾燥を防いでくれる…森ってなんてすごいのでしょう!人間の力では作り出すことのできない自然の仕組みの精巧さを感じて、とても満足な午後の散歩となりました。

今度は無風で、どんよりと霧が動かない時に、また歩いてみようと思っています!

(カナ)


コメント (2)
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