グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

セミ騒動

2009年07月16日 | 
今日、犬の散歩中に車道を猛スピードで横断する2.5cmほどの茶色い物体を見かけました。「?」と思って良く見るとそれはセミの幼虫でした。必死になって足を動かしているのですが、車道の真ん中にいるので、いつ車にひかれてもおかしくありません。私はお節介にも救出することにしました。

「家の周りの木に登らせれば、羽化を観察できるかも。」早速犬のウン○用袋(中身は空でしたよ。もちろん!)に確保し、急いで家に帰りました。

家の玄関のすぐ横に、オオシマツツジの木があります。観察しやすいようにその木に登ってもらうことにしました。あまり太くないのが気になったのですが、幹は幼虫の幅より太いし、十分なように思いました。

ツツジの幹に取り付いたセミの子は、どんどん上へ登り始めました。どこまで登るか見届けようと観察していると、何やら枝の先端に巻きついている枯れた蔓にしがみつきました。太さは2mmぐらいでかなり不安定です。

これでは枝ごと落ちてしまうかも…、ハラハラしながら見守っていると、しばらく考えて(?)から方向転換。太い幹の方に移動したのでホッとしていたら、蟻とバッタリ出会ったのをきっかけに、また逆戻り。結局不安定な細い枯れ枝のところで動かなくなりました。

「ここで羽化するんだ。よ~し、30分ごとに観察しよう!」そう決めて観察を開始しました。

30分後は変化なし。そして1時間後に見に行ってみると、「あれれ?居ない!」まさかと思って地面を見たら、なんと抜け殻の横で白いセミの子がかすかに足を動かしているではありませんか!周囲にはもう何匹もの蟻が集まってきています。

「マズイ!」慌ててセミの子供を拾い上げようとしたその時です。なんと今度は私のデジカメが膝の上から落っこちて、セミの子供を直撃しました!完全に下敷きです!「キャ~!!」大慌てでセミの子を手に取り、家の中に持ち込み、テーブルの上に置きました。

セミの子供は、親とは全く違う手触りでした。フワフワと柔らかく、ヒンヤリ、しっとりしていて、強く握ったら壊れてしまいそうでした。白くはかなげな姿で時々弱々しく足を動かします。なんとか生きているようです。でもなかなか翅が伸びてきません。

「もしかして奇形なのかな?ずっとこのままだったりして…。」心配になった私は思わず仲間の獣医さんに電話をかけました。「あの~、翅が伸びないんですけど、奇形でしょうか~?」「え?縮んでいるだけで、乾けば伸びてくると思いまよ。」「あ、そう?」こんな馬鹿げた会話をしているうちに翅はみるみる伸びてきました。

しかし、片方の翅がどうしても伸びません。羽化後2時間経って翅の色が茶色くなっても半分ぐらいの長さにしかならないのです…。やっぱり、転落とデジカメの下敷きがいけなかったみたいです…。私の腕につかまったまま、再び動きを止めてしまったセミを見て、「頑張れ~!」と声をかけてみましたが、何の効果もありませんでした。

家の外に出せばヨロヨロしながらでも飛んでいくかも…そう思ってしばらく外に置いておきましたが、飛び立つ気配はありません。

仕方がないので、セミの寿命が来るまで家で飼うことにしました。自然の状態では羽化に失敗するセミは時々いるようですが、私が関わったことでセミの運命が変わってしまったので、かなり責任を感じます。

今、セミは私の横の段ボールの中で、砂糖水に浸したトウモロコシの芯に顔をくっつけています。

この先、どうなるんだろ~?

(カナ)
コメント (9)
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