グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

雨交じりの山歩き

2010年04月25日 | ツアー
昨日、FIT(森林インストラクター東京会)のメンバーの方とスタッフ、計4名で山を歩いてきました。

昨日は今日と違って、雨もパラつき、北風が吹く寒い日でした。

まず歩き始めに目についたのはスナゴケ(たぶん)です。

日当たりのよい砂質の土に生えるというこのコケは、冬の間は茶色っぽい枯れたような色になって
ヒッソリ生きていますが、春になると新しい葉が伸びてきます。
雨が降ると元気になって葉を広げるらしく、鮮やかな黄緑色が夜空に輝く星のようで、とても綺麗でした。

カルデラの中で毎年どんどんその数を増やしているカジイチゴも、花を開き始めました。

さっそくアブが花粉を舐めにやってきていました。
1cmないぐらいの小さなアブです。

写真に撮って調べてみたら、ツヤヒラタアブのようです。(体のU字模様は光の反射です。)
体に毛が少なくてツヤツヤしているのが特徴とか。

他にも、黒い溶岩の下から出てくるハチジョウイタドリの若葉を探したり、
ナンバンギセルの種を探したりしながら、ゆっくり山を登りました。

途中で溶岩壁を観察していた時のことです。
スタッフの「きゃ~!すごいもの見つけちゃった!!」という声が…。
「ど、どんなもの~?」とあわてて駆けつけた所に、あったのがこれです。

馬糞の上にニョキニョキ生えた沢山のキノコ!

調べてみたら、どうやらツヤマグソタケというキノコが一番近いようです。

馬糞から生えるキノコは何種類もあり、マッシュルームも元は馬糞から生えていたようで、
馬糞は今でも堆肥として菌床に混ぜて使われてもいるようです。

うむむ~、ビックリ!

そして、次の発見はこちら!
何だと思いますか~?

カジイチゴの種から伸びたばかりの若い茎です。

先端の赤い毛に覆われた茎から、淡い緑色の若い葉が伸び始めていました。
何とも春らしい光景です。

カルデラのカジイチゴの枝は赤くてツヤツヤしていますが、子供のうちはずいぶん毛が密集するのですね。
ちなみにこの毛ですが、触ってみたらゴワゴワでブラシのような手触りでした。
可愛い産毛のような手触りをイメージしたのですが…さすが逞しいカジイチゴの子供です。

帰り道の林道には、道幅ぐらいの水たまりができていて、
アメンボが気持ちよさそうに水面を滑っていました。

スタッフの「アメンボって飴の匂いがするんですって!」という発言に、さっそく実験開始。
水の上からスタッフの手の中に移動したアメンボは、皆に匂いをかがれることになりました。

匂いをかいだ後、皆が口々に叫びました。

「あ、ホントだ!いい匂い!」「紅茶の香りがする!」「アールグレイだ!」
…アメンボさん、ビックリさせてごめんなさい。

しかし「アメンボは紅茶の香り」は皆の脳裏に深く刻まれたのでした。
ちなみにこのアメンボ、コセアカアメンボという山にいるタイプのアメンボのようでした。

その他、様々な景色や植物や虫を皆で見つけながら歩き、とても楽しい山歩きとなりました。

ところで、今こうやってまとめてみたら、昨日恨めしく思っていた雨の恩恵を結構受けていた事に気づきました。
雨だったからこそ美しかったスナゴケ、元気に伸びたキノコ、水溜りで出会えた山のアメンボ…。

雨が嫌いで花を閉じてしまう植物もいる一方で、俄然元気になる者達もいるのですね。
これから暖かくなるので、また時間を見つけて「雨の恩恵探し」に行ってこようと思います。

(カナ)
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