浜松市民である私は、現在ある浜松球場で十分だと思っている。新球場なんかいらない。
現在ある浜松球場は、遠州鉄道西鹿島線の上島駅から歩いていける。便利なところにある。浜松球場に隣接して陸上競技場がある。高校野球の大会などでは、上島駅から浜松球場へと向かう長い列が出来る。
浜松市と浜松の財界は、突然、その浜松球場をなくして、陸上競技場を拡充させたいと言うようになった。
その背後で操るのが、SUZUKIアスリートクラブを擁するSUZUKI自動車のドン、鈴木修氏である。SUZUKIにとっては、野球なんかどうでもよく、陸上競技を発展させたいのだ。
浜松陸上競技場を拡充させるためには、球場をどこかに移転させなければならない。SUZUKIは多額のカネを寄付して、新浜松球場建設を、静岡県と浜松市に働きかけた。現知事の川勝も、前浜松市長も、後援会長は鈴木修氏であった。県も、市も、鈴木修氏の意向に沿って動き始めたが、今までなかなか進捗しなかった。
当たり前だ、現在の浜松球場は交通の利便性もあり、長い間市民等に親しまれてきた。新野球場の予定地は、車でしか行けない海岸に近いところ、交通の不便さは当然だが、毎年強い風が吹く。野球場の適地とはいえないところだ。
しかし、浜松と財界、そして静岡県はそれを強行しようとする。
ところが、海岸に近いということから、いろいろな問題が生じてきた。まず希少生物のウミガメの産卵地としての遠州灘海岸の問題として、「光」に注目が集まるようになった。
それに大地震が起きれば津波が襲来する、わざわざ海岸に近いところに巨大施設をつくるのは妥当なのか、という問題。
鈴木修氏はじめ、浜松市と浜松の財界は、全天候型ドームの球場を建設して欲しい、しかしそれには多額の建設費、維持費がかかる。いまだその問題が結着していない。
要するに、SUZUKIアスリートクラブという陸上競技部をもつSUZUKIが、強引に浜松市と県に建設を要求しているのが、浜松新球場である。県の中部、東部の人びとにはメリットはまったくない。浜松市民にとっても、野球観戦が途轍もなく不便になる。新野球場が建設されて喜ぶのは、SUZUKIのみ。建設をやめたらどうか。
追記
昨日、このブログを読んだSUZUKIの従業員の方から、なぜSUZUKIが野球やサッカーではなくて、陸上かというと、カネがかからないからだと連絡が来た。
野球は、設備なんかにお金が掛かるじゃないか!マラソンや駅伝などの競技なら、先頭を走れば、テレビがズーッと映してくれて、安く宣伝ができるじゃないか。ケチな会社が、野球チームなんか持つはずないよ!
SUZUKIの考えそうなことだ。