浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

「平成」を振り返る(6)

2024-12-11 20:40:51 | 近現代史

 先に、「何が正しくて何が間違っているかという基準がない。価値論や倫理の問題が脱落」したことを指摘した。そのなかで、虚偽がはびこり、「無知」の「無恥」が幅をきかすようになった。

〇安倍晋三~青木理『安倍三代』(朝日文庫)をもとに考える
安倍晋三は、成蹊大学法学部政治学科卒業

▲「可もなく不可もなく、どこまでも凡庸で何の変哲もないおぼっちゃま」(225)

▲ ゼミ担当教授=成蹊大学法学部・佐藤竺(あつし) 地方自治制度などの研究者
「(ゼミで)そもそも発言したのを聞いた記憶がないんですから。他のゼミ生に聞いても、みんな知らないって言うんです。彼が卒業論文に何を書いたかも「覚えていない」って佐藤先生がおっしゃっていました。「立派なやつ(卒論)は今も大切に保管してあるが、薄っぺらなのは成蹊を辞める時にすべて処分してしまった。彼の卒論は、保存してる中には含まれていない」」(255)

▲学歴詐称 「1997年成蹊大学法学部政治学科卒業、引き続いて南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学」

▲神戸製鋼時代の安倍の上司・矢野信治(同社、もと副社長)「彼が筋金入りのライト(右派)だなんて、まったく感じませんでした。普通のいい子。あれは間違いなく後天的なものだと思います。・・・・(政界入り後)に周りに感化されたんでしょう。まるで子犬が狼の子と群れているうち、あんな風になってしまった。僕はそう思っています」(281~2)

▲宇野重昭・もと成蹊大学学長(国際政治学)「・・彼を取り巻いているいろいろな人々、ブレーン、その中には私が知っている人もいますが、保守政党の中に入って右寄りの友人や側近、ブレーンがどんどん出来ていったのも大きかったのでしょう。彼の場合、気の合った仲間をつくり、その仲間内では親しくするけれど、仲間内でまとまってしまう。情念の同じ人とは通じ合うけれど、その結果、ある意味で孤立していると思います。・・・・彼ら(自民党)の保守は「なんとなく保守」で、ナショナリズムばかりを押し出しますが、現代日本にあるべき保守とは何か。民衆は生活のことを第一に考える穏健の保守を望んでいる層が大半でしょう。自民党がもっとまともな保守に戻って、そうした民衆の想いを引っ張っていってほしい。」(302~305)

▲2013年3月29日(問)「総理、芦部信喜さんという憲法学者、ご存知ですか?」(答)「私は憲法学の権威ではございませんので、存じ上げておりません」

◎まっさらな「白紙」(無知)状態で、政治家になって後、「仲間」からいろいろなこと(情報)を受け容れていった。今まで蓄積された「知」を持っていないが故(無知)に、また仲間から受容した「知」しかないが故に、さらに「仲間」と思う人だけを信じて共に行動することが当たり前となった。そしてそうした自分自身に羞恥心をもたない(「無恥」)。


◎国のトップに準じて、人々は「知」を蔑視ないし無視するようになった。そしてそれを恥ずかしいことだと思うこともなくなった。

 

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『現代思想』12月号 「田中美津とウーマンリブの時代」

2024-12-11 19:49:08 | 

 『現代思想』12月号、特集は、「田中美津とウーマンリブの時代」である。

 田中美津という名前は、若い頃から知ってはいたが、彼女の本は一冊も読んでこなかった。同じ時代の空気を吸っていたのに、要するに関心がなかったということである。

 その田中美津さんが亡くなった。そこで、『現代思想』が特集を組んだというわけだ。同時代に生きた、とはいっても当時でもかなり上の年令であったが、その名は知っていたし、彼女が始めたウーマンリブの運動については、その関係の雑誌記事は読んだことがあった。

 『現代思想』が田中美津の特集をするというので、田中美津とは何だったのかを知りたくて購入し、読んだ。

 田中美津のインタビューが、あった。それを見ていて、田中美津は、悩み、深い思考をへてたどり着いた彼女なりの論理があり、それが普遍性をもった内容として存在することを知った。だから、田中美津は振り返られるのである。

 さまざまな人びとが田中美津を論じているのが、『現代思想』12月号である。それを読んで、田中美津を通じていろいろなことを知った。

 人間はいろいろな矛盾を抱えて生きている。矛盾の中で、あるべきこととあるべきではないことが発見されるのだが、通常は、あるべきことを取り出し、あるべきではないことを捨て去ることを試みるのだが、田中美津はその矛盾を抱えて生きることから出発することを主張する。

 田中美津が主張したことには、もちろん多くの論点があるが、「今、生きている」、これこそがすべてだという主張に、わたしは感動を持った。

 いろいろ書きたいことはあるが、本書を読んで、ウーマンリブ運動の先駆けだった人間の、その体験などに基づいた創造的な思想に、刺激を受けた。

 やはりすごい人だ。

 

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