浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

2024-12-29 21:10:18 | 社会

 今年の1月1日、能登半島で烈しい地震が起きた。ほぼ一年経っても、被災地の復旧、復興は進んでいないという。今まで、大きな地震が起きるたびに、わたしはその現場に行っていたが、北陸には未だ行っていない。歳を重ねてしまったわたしの意志が弱くなったようだ。しかし、早く日常生活を取り戻してほしいという願いは強い。

 しかし、ニュースを見て驚いた。石川県知事の馳浩は、今年12月27日、こう語ったという。

 来年は復興元年

 えっ?来年が「復興元年」なの?では今年は何だったのか。

 北陸の被災地の復旧、復興がまったく進んでいないという。なるほど、この知事の下では、そうだろうな、と思う。

 しかし、この知事を選んだのは、石川県民である。この人が自由民主党の森喜朗の影響下にあることは周知のことだが、自由民主党という政党は、「今だけ、カネだけ、自分だけ」に徹底している政党であり、その考えに賛同している経済界などが絶大に支援されている。

 「今だけ、カネだけ、自分だけ」という精神を持ち合わせていない庶民は、もちろんこのような政党やそれに指示されている輩に票を投入するということはすべきではないのだ。しかし庶民も、そういう輩に投票し、その結果、北陸のような事態を招く。

 「今だけ、自分だけ、カネだけ」の精神に凝り固まっている人びとや政党が、庶民の生活を立て直そうなんて、考えるわけがない。

 投票行動は、しっかりみずから考えてすべきであることは、いうまでもない。

 しかし庶民は、なぜか、誤情報に躍らされたりして、投票すべきではない輩に投票する。兵庫県知事選でも、斎藤某という鉄面皮を当選させた。ネットを見ていても、質問に対してまともに応えず、顔色一つ変えない。まさしくみずからに責任が及ばないような姿勢を貫く、まさに官僚そのものである。なぜか、兵庫県民は、そういう輩に投票した。

 人間を見抜く眼をもたなければならない。顔には、その人物の半生が投影されている。顔は、その人物の「人格の陶冶」が刻まれている。

 

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2024-12-29 17:22:14 | その他

 『ユリイカ』の最新号を買った。特集は「ハン・ガン」。ハン・ガンの小説を読み、ハン・ガンという作家を理解したいと思ったからだ。

 その『ユリイカ』の巻頭に、ハン・ガンとはまったく関係のない、中村稔による「故旧哀傷・川喜多長政・かしこ夫妻」という文があり、最初にそれを読んだ。

 最初の出だしは、「川喜多長政、かしこ夫妻の容貌を思い出すと、人の容貌は天賦のものというよりそれぞれの人の人格の陶冶によってつくりだされるものだという感をふかくする。」である。

 洋画を日本に紹介し続けた川喜多夫妻、わたしは名前だけを知っているが、その顔は知らない。しかし、中村が書く容貌についての指摘は正しいと思う。

 女性の場合、若い頃美人であっても、齢をかさねるなかで美貌は衰えていく。だが美人ではなかったけれども、歳をとってから、輝くような容貌をあらわす人がいる。それは男性も同じである。

 男性の場合、「人格の陶冶」がしめる割合は大きいと思う。良い人は、良い顔となり、悪い人は悪い顔となる。ただ、ふつうの人生を生きていた人の顔については、良い顔、悪い顔を判断できるほどの差はない。

 ところが、政治家、とりわけ自由民主党や維新の政治家の顔は、ほんとうに悪い顔が多い。だから、政治的な漫画は、自民党の政治家の、その悪い顔の特徴をみごとに表現する。

 なぜ自由民主党の政治家の顔が悪いのかというと、傲慢であるからだ。政権を掌握しているから、カネは集まるし、高いポストも与えられる。能力がなくても、ただ自由民主党の議員というだけで、それらが手に入るのである。

 今までわたしは多くの学者と交流してきたが、有能な学者ほど謙虚であったということだ。「能ある鷹は爪を隠す」というように、能力ある人は、その能力をひけらかすことはしないのである。

 自民党などの保守系の政治家の多くは、みずからの能力についての自覚もなく、地位と名誉とカネを求めて立候補する。世のため、人のため、なんていう気持ちはさらさら持ち合わせてない。そういう輩が、権力と関わるようになると、能力がない輩ほど傲慢になり、それが顔に現れ、悪い顔になるのだ。

 「能なき鷹は爪を出す」のである。その爪が、悪い顔をつくりだす。

 新聞、雑誌も、そうした輩に関する記事を書く場合、その輩の写真を掲載しないでほしいと思う。見るだけでうんざりするからだ。

 

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