浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

金石範のことば

2022-10-18 22:08:14 | 日記

 本を捨て続けている。これは「雑紙」として、これはブックオフ・・・というように。

 その時々の政治の動向を書いた本は、すべて「雑紙」である。しかし文学作品は、そうはならない。

 文学作品は、フィクションではあるが、一定の「事実」を書く。なかには現実と接点のない「事実」もあるが、しかし多くはその時々の現実と接点をもちながら描かれる。その「事実」が、現実をはるかに凌駕するほど現実に肉迫する場合もある。

 金石範の『火山島』はフィクションなのか、と思う。済州島4・3事件を描いた『火山島』。

 『世界』11月号の金石範の文に、「政治的であっても、政治を超えた文学、芸術の絶対性はついには政治を支配するものだ。政治は歴史の信仰とともに抜け殻となる。芸術は永遠である。」があった。文学は、「事実」をもって現実を変える力がある。

 だから捨てられない。

 

 

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