今朝、ポストを見たら、『地平』10月号が入っていた。まずわたしは、「編集後記」を読んだ。編集長の熊谷氏は、八王子に住んでいる。そこから横田基地を離発着する米軍機が見えるという。その機数が増えているという。
わが家から、畑から、自衛隊浜松基地を離着陸する自衛隊機を見る。その機数も増えているように思われる。以前、航空自衛隊浜松基地に交渉に行ったとき、幹部自衛官に米軍との共同訓練について尋ねたことがあった。その答えは、全面的に肯定的で、米軍との訓練が彼らにとっては歓びであるかのようなものであった。
今や日米両軍は、一心同体となって世界を相手に何らかの軍事行動を展開しようと企んでいるようだ。
わたしは日米関係を、「対米隷属」ということばで表現している。日本の支配層は、アメリカに屈従すること以外考えず、それがすでに体全体に染み付いているからだ。アメリカの言うことは、何でもハイハイと素直に聞く。80年前は、「鬼畜米英」と叫んでいたのに、負けたとなったらこんどは平身低頭。支配層の都合により、まったく逆のことでも平気でやるのが支配権力である。
熊谷氏は、そうした日本の支配層が、日本学術会議など独立した機関やメディアなどを従属させようとすることを指摘する。「彼ら自身が独立の尊さと価値を知らず、より「強い者」の傘のもとでエラそうに振る舞うということ以外の行動様式を学ぶ機会がなかったからだろう」と書く。しかしそれは支配層だけではなく、ふつうの人びとも、強者に従属することによって「エラそうに振る舞う」。在職中、そういう人物をたくさん見てきた。兵庫県の騒動も、同じような構造が見える。公益通報した人が、たった一人だったこと、そして自死しなければならなかったこと、兵庫県庁にはたくさん公務員がいるのに、ほとんど全員が、知事と「牛タン」メンバーと闘うことをしなかった。
昨日の夕方、晴れていたのに急に黒雲が天を覆い、大粒の雨が降り注いだ。もうずっと前、子どもたちと訪れたシンガポールで体験したスコールとまったく同様の降り方だった。気候変動の中、日本はシンガポールと同じような気候になっているのだ。
熊谷さんは、「今日も日本の青空を、大量の二酸化炭素を出しながら、米軍機が飛んでいく。この空の自由と独立を私たちはいつ取り戻せるだろうか」で、文を結んでいる。
対米隷属国、「米軍主権国家」のままでいるかぎりは、日本の未来は、気候の問題を含めて、明るくはない。わたしにとって政治選択の基準は、「米軍主権国家」への態度、消費税への態度で決まる。極右政党=自由民主党、それに下駄の雪のように自民党にくっつく公明党、そして乱暴な権力欲ばかりの維新、そして雑多な者が選挙のために集合した立憲民主党なんかは、選択肢にはない。
総選挙がこの秋にあるともいう。変わらないだろう、とわたしは悲観している。