浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

講師料

2014-09-02 12:40:33 | 近現代史
 明日のレジメを、賀茂真淵記念館に持って行った。次年度の企画で、いろいろ悩んでいるようだ。

 賀茂真淵記念館は、浜松市が建てたもの。しかしその運営は、指定管理制度によって浜松史蹟調査顕彰会が請け負っている。指定の期間は、2011年(平成23)4月1日~2016年(平成28)3月31日まで。

 浜松市からの評価は、

http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/bunkazai/shiteikanri/23hyoka/hyoka-046.html

今まで

施設の維持管理については、老朽化・故障が多い中、修繕等、迅速な対応をしている。

有料・無料を合わせた入館者数は、前年度に比べ増加しているが、有料入館者数は伸び悩んでいる。一方で、講座参加費を有料化する等の運営努力をし、全体としては利用料金収入が前年度よりも増加しており、その点は評価できる。

夏期講座や出前講座等、積極的な事業展開を行っており、新講座等の事業拡大にも積極的である。


今後の指導事項

引き続き、基本方針に基づいた適正な指定管理業務を行うとともに、展示方法のさらなる充実化に向け創意工夫に努め、来館者に満足していただける魅力的・独創的な施設として企画運営するよう、一層の努力をして欲しい。リピーターの確保及び女性や若者などの新顧客層の開拓等、有料入館者を増やす取り組みに期待したい。

 最後の「指導事項」について、浜松市はみずから運営することを放棄しながら、何という偉そうなことをいうものかと思う。

 運営を指定管理にした理由は、経費を出来るだけ減らすため。だから、指定管理を受けたところの収支はきわめて厳しい。積極的に講座を企画するためにはカネが必要、しかしカネはない。

 というところから、ボクなんかに依頼が来る。ボクは、こうした講座への取り組みは、「啓蒙」のためと考えている。現在の歴史認識の混乱は、戦後営々と築き上げてきた歴史学の成果が国民共通の認識になっていないからであるとおもう。平和と民主主義を背景にした戦後歴史学の成果を広めることに、ボクは使命感をもつ。だから講師料は、意に介さない(交通費だけはいただきたい)。

 今日担当の方と話したら、講師の中には、少し有名になると、安い講師料では来ていただけなくなるという。企画もたいへんのようである。

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松阪市長はえらい!

2014-09-01 20:20:07 | 政治
 『伊勢新聞』の記事。

集団的自衛権の行使容認を問う 松阪で市長らトーク

【松阪】伊勢市で月刊ミニコミ紙を発行している「伊勢じゃーなる」(間宮正博発行人)は三十一日、松阪市嬉野権現町の嬉野ふるさと会館で、ジャーナリストでIWC(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)の岩上安身氏を招き、「安倍内閣の集団的自衛権行使容認を問う」と題したトークライブを開き、山中光茂同市長が出演した。約百七十人が訪れた。

 閣議決定の違憲性を訴える市民団体「ピースウイング」を設立した山中市長は、「日本を巻き込みたいからこそ、米国は集団的自衛権を認めさせたい」と主張。岩上氏は「国民の議論を尽くした結果ではなく、米国の要請。保守的な人をだますためにナショナリズムを偽装している」と訴えた。

 山中市長が、「日本は戦後、憲法九条を守り、自らの力で平和国家、経済国家として国際的な信頼を得てきた」「愚かな為政者の権力を抑制するための憲法であり、改憲するのであれば国民の意思でするべき」と話すと会場から拍手が起きた。最後に山中市長は、「平和という当たり前のことを誰かが言い続けなければならない。今がこの国の形をつくっていく分水嶺の時期。一人一人が意識を持って周りに語ろう」と呼び掛けた。
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暴力と軍隊

2014-09-01 20:12:14 | 政治
 軍隊の本質は、殺戮と破壊を遂行する人間の集団である。したがって軍隊にとって、暴力は必然のものであり、軍隊は暴力をふるうための訓練を日常的に行う。

 戦前の日本軍は、侵略軍としての暴力性はいうまでもないが、日本軍内部での暴力についても大きな問題となっていた。野間宏の『真空地帯』はじめ、そうした現実を暴いた小説もある。

 さて、自衛隊も軍隊であり、より戦前の軍隊に似てきているようだ。というのも、自衛隊内部での暴力事件が頻繁に起きている。こういうニュースがある。
 『東京新聞』の記事である。自衛隊には、このような事態を防ごうという意思がないようだ。

自殺の海自隊員、配置換え申し出 3回も、海上幕僚長が謝罪

2014年9月1日 18時44分

 海自護衛艦に勤務する男性隊員が自殺した問題について記者会見する河野克俊海上幕僚長=1日午後、防衛省
写真

 海上自衛隊の護衛艦に勤務する男性隊員が上司の1等海曹から暴行を受けるなどして今年自殺した問題で、隊員は自殺する前に別の複数の上司に3回にわたり配置換えを申し出ていたことが1日、防衛省海上幕僚監部への取材で分かった。

 河野海上幕僚長は同日、記者会見し謝罪。上司らが適切な対応を怠ったとし「これだけのシグナルを発しているのだから深刻に受け止めるべきだった」と述べた。隊員の遺族には先週、直接謝罪したとしている。

 隊員は昨年7月と9月、自殺する2日前の3回、上司である分隊長らに、暴行を加えていた後藤光一1曹(42)との関係を理由に配置換えを求めていた。

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忙しい

2014-09-01 19:46:21 | 日記
 昨日やっと講座のレジメができ、その後はそのプレゼンテーションのためにスライドをつくっている。

 近代天皇制思想、これは「国体」思想としてよいと思われるが、その「国体」思想を追跡していると、その暴力性に驚く。

 治安維持法は、戦前の民主的な運動を圧殺した法であるが、調べれば調べるほどその暴虐性が浮かび上がる。そしてそれが、司法大臣すらその概念を確定できなかった「国体」という名によって行われたのであるから、その恣意性に驚きあきれる。

 また天皇機関説事件についても調べたが、この事件はもっともっと追究される価値があると思った。ただ単に美濃部達吉の説が抑圧され、公認の学説でなくされただけではなく、1930年代の歴史の中に位置づけるときわめて重大な事件であったことがわかった。「国体」という曖昧な概念に、人々が拝跪せざるを得なくなる契機として、この事件があったのではないか。

 近年、1945年で時期区分することに疑問が出されているが、しかし「国体」思想を中心に戦前の歴史をみていくと、1945年の日本の敗戦が「国体」思想の圧倒的な力をそぎ落としたという意味で、1945年を劃期とすべきであると思う。

 明後日、「国体」思想の暴虐な歴史を語る。

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