Facebookで知人の投稿に触発され、初めてジョージア・ワインを買ってみました。ジョージア、以前はグルジアと呼ばれていましたが、2015年に日本での呼称がジョージアに変更されています。
日本人にとってあまり馴染みのない国かも知れませんが、日本で知られたジョージア出身者としては、旧ソ連のスターリン、シュワルナゼ外相、そして最近では大相撲の黒海、臥牙丸、栃ノ心などが挙げられるでしょうか。以前、当ブログの「GALA-モンゴル料理専門店」で少し触れましたが、ジョージアも13世紀に長くモンゴルの支配を受けたため、郷土料理に「ヒンカリ」と呼ばれる小籠包があります。
西は黒海、東はカスピ海に挟まれたジョージアは、古代から地中海地域とペルシャ地域を結ぶ交通の要衝として栄えました。ギリシャ神話にはイオールコス王のアイソーンがジョージア人の先祖であるコルキス人の王アイエーテースの所有する秘宝金羊毛を奪いに行く物語が登場しますが、これは古代のジョージアがいかに豊かであったかを象徴的に物語っています。
そんな悠久の歴史をもつジョージアですが、実は世界最古のワイン生産地であり、8000年も前からワインが作られているそうです。また、ブドウそのものの発祥の地とも言われているそうです。今でもジョージアにはサペラヴィ種、ムツヴァネ種、ルカツィテリ種など多くの固有品種が栽培されています。
また、ジョージアワインの大きな特徴は、「クヴェヴリ」と呼ばれる古代からの製法を受け継いでいることです。クヴェヴリは、「アンフォラ」と呼ばれる蜜蝋でコーティングされた陶の壺を地中に埋め、その中でブドウを丸ごと搾って発酵させる醸造法です。この醸造法がジョージアワインの味と香りを特徴づけており、クヴェヴリは2013年、和食と共に世界無形文化遺産に登録されています。
さて、そんな気になるジョージアワインの中から選んだのが、「ベシーニ クヴェヴリ スペシャル・リザーブ 2015年」。固有品種のルカツィテリ(白ブドウ)を使用していますが、前述のようにブドウの皮も果実も種も丸ごと搾って発酵させるために、普通の白ワインよりはるかに色の濃い、オレンジがかったワインとなります。そのために、赤・白・ロゼと区別してオレンジワインと呼ぶこともあるようです。
外観は新鮮なリンゴジュースのような淡いオレンジ色。冷やし過ぎたためか香りが開かず、わずかにシトラス系の香りがしました。しっかりとしたコクがありますが、非常にドライで辛口、白ワインとは思えないほど強いタンニンを感じます。アルコール度数は13%。10分ほどおくとかすかな果実味と甘みが出てきますが、このやや古ぼけた感じの熟成感は単体で飲むよりも軽くソテーした肉や魚料理に合わせたいところです。まだ全部飲んではないので、少し時間をおいた味の変化もみてみたいと思います。
初めて触れたジョージアワインの世界。これからも機会があれば少しずつ覚えていきたいところです。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした