第12回ネゴシエーション研究フォーラムに続いて行われた、第35回燮会。今回は、9月に行われた第33回の九州大会に続き、二者間交渉と三者間交渉のロールプレイを行いました。ファシリテーターは、交渉アナリスト2級講座の講師としてもおなじみの望月明彦さん。
初めに二者間交渉のロールプレイを行いました。新商品を売り込みたい売り手と目玉商品が欲しい買い手による単純な売買交渉でしたが、すんなりと合意に達した組もあれば、腹の内を探りすぎて合意できなかった組もあり。合意に至らなかった組は策士策に溺れ、結果として囚人のディレンマに陥ってしまったようです。この辺は改めて交渉プロセスを見直す良いきっかけになったかと思います。
続いては、大手スーパーの進出に晒される中規模スーパー3社による三者間の合併交渉。三社のうち二社による連合形成を予想していたのですが、豈図らんや。最も立場が弱いはずの一社が見事な手綱さばきを見せ、三社それぞれが満足する形であっさりと合意。それぞれに対立点がなかったわけではありませんが、情報開示による信頼関係の構築が実を結んだ一つの形を見ることができました。そこにはファシリテーションの大切さ、弱者の交渉のあり方のヒントも含まれていたように思います。とりわけ合併を前提とするというゴールの合意を早々に取り付けた点は見事でした。
意図されたものではありませんが、結果的に利己的行動の逆選択的帰結と共創的行動のWin-winな帰結の両方を見ることができました。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした