12月7日、第1回燮読書会に参加しました。交渉アナリスト1級会員の勉強会である「第50回燮(やわらぎ)会」での意見交換で、1級会員の波戸岡光太さんより提案があり、2ヶ月足らずのうちに実現の運びとなりました。オンラインでの開催で、東京、千葉、神奈川、石川、長野など各地から参加がありました。
読書会の名が示す通り、交渉関連の本をあらかじめ読み、ディスカッションを行う会です。記念すべき最初に選ばれた本は、ローレンス・E.サスカインド著、『ハーバード×MIT流 世界最強の交渉術---信頼関係を壊さずに最大の成果を得る6原則』(ダイヤモンド社、2015年)。
第1回は前半の3章が読書範囲でした。
第1章:「交渉の土俵」に相手を引き込むには?-相手の要求内容や優先順位を変えさせる
第2章:もっとパイを大きくすればいい-付加価値を創造する
第3章:「想定外」を想定せよ-相手よりも多くを手に入れるために、条件提示を行う
3章全部読む時間のなかった方でも参加できるよう、初めに波戸岡さんから3章分の要約がありました。交渉関連の本、特に海外の翻訳本はとかく読み難いものが多いので、これだけの短期間にサマリーを作成するのも大変だったのではないかと思います。
これを元に、早速ブレイクアウト・ルームに分かれてディスカッションを行いました。
・先入観を捨てること、結局相手へのやさしさが大事なのではないか?
・相手を知る準備の大切さを感じた。
・(本書中の事例から)金額面では成功と言えずとも、奥さんの気に入った物件を早期購入できたのであれば、それも価値であり、成功と言えるのではないか?
・BATNAを用意することの大切さ。
等々、様々な感想が飛び交いました。
つづいて、今回の範囲に関連する交渉理論面の補足を行いました。トピックとしては、
・交渉者のジレンマ
・多元的交渉
・連合の理論
など、幾つか含まれると思いますが、中でも前半部の中核をなすと思われる「交渉者のジレンマ」について取り上げました。「交渉者のジレンマ」は、以下の「交渉アナリストニュースレター」でも扱いましたので、よろしければそちらもご覧ください。
2019年3月号
2019年5月号
最後にもう一度ブレイクアウト・ルームに分かれてディスカッションを行いました。
手探りで始まった「燮読書会」ですが、第1回の参加者の皆さんからは、以下のような感想が寄せられました。
・視野の狭さに気づいた
・様々な考え方に触れることができた
・まとめが有り難かった
・知的刺激を受けた
・整理ができていないので、体系が欲しい
・十人十色の視点が勉強になった、楽しかった
・今回の範囲を復習して理解を深めたい
・とても楽しかった、都会を離れるので、こういう機会を楽しみにしている
第2回は2022年2月開催の予定です。今回参加できなかったかもぜひご参加ください。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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