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急に入っていた予定がキャンセルとなり、どうしたものかと思案しているうち、ふと「そうだ、『陽炎』へ行こう!」と思い立ち、普段は通り過ぎてばかりの上大岡で下車し、「酒場 陽炎」へお邪魔してきました。
以前は関内のバー「アクアリウム」にいらして、今は祖父様がされていた焼き鳥屋さんを引き継ぎ、本格的な焼き鳥が食べられるオーセンティックバーへと形を変えて出発された臼田徹さんのお店。ちょうど今週15日に3周年を迎えられました。
これまで「陽炎」には何度かお邪魔したことがあるのですが、いずれも二軒目以降でした。そのため、折角の焼き鳥や名物のローストビーフ丼を食べる機会がなかったのです。「そうだ、陽炎へ!」と思い立ったのには、そうした経緯がありました。
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まずは、さっぱりとデュワーズ・ハイボールから。これからの食事を見据えての選択です。そして、たまたま立ち寄ったというのに、驚くべきことがありました。隣で飲んでいらした男性が、何と7年前にアクアリウムで行われた「葉巻とお酒のマリアージュを楽しむ会」でご一緒した方だったのです。さらに驚いたのは、当時の会の話題になったから一緒に参加していたことが分かったのではなく、その男性が僕のことを覚えていてくださったことです。それもその時の具体的なエピソードを添えて。そんな目立つ人間ではないと思うのですが、心から驚くと共に、それだけで何だか今日がとても良い日になった気がしました。
ちびちびとハイボールをやっている間に、名物「ローストビーフ丼」が出てきました(冒頭写真)。噂に違わず、凄いボリュームです。これはおなかの空いている時に伺わないと食べられないですね。とてもお得な一品です。
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お待ちかね、富士高原鶏の焼き鳥は左からねぎま、レバー、ささみ(梅)、ハツ、砂肝。その場で焼いていただける焼き鳥は熱々で外がパリッとしており、中はジューシー。
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それをスパッと切れる、スモーキーかつスパイシーなタリスカー・ハイボールで流し込みます。
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食後はバーのモードに入ります。最初は、台湾ウィスキー、オマー・シングルモルト・シェリータイプ。2020年、TWSC(東京ウイスキースピリッツコンペティション)で銀賞を受賞しています。台湾のウィスキーと言えば、このブログでも「カバラン」を何度か取り上げました。カバランがその名の通り、台湾北部宜蘭県であるのに対して、オマーは台湾のど真ん中、南投県にあります。標高3,000メートル級の山々が連なる南投県。日本統治時代には日本最高峰であった新高山(現在は玉山)もここにあります。ちょうどカバランと同じ2008年に「南投酒工場」として操業を開始しました。
オマーとはスコットランド・ゲール語で「琥珀」を意味するそうです。個人的にスコットランド・ローランドのウィスキーに多いと感じている、滑らかでややオイリー、干しブドウのような甘み。好みで言えば、カスクストレングスもぜひ試してみたいです。
ひとつ気づきました。焼き鳥を食べた後にウィスキーって、合いますね。
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大好きなバーボンの一つ、ウッドフォードリザーブ。特に「ダブルマチュア―ド」は逸品で、自分でも購入しましたが、あっという間に飲み終わってしまいました。
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本当はこの間に横浜ウィスキーの定番、ジャック・ターが入るのですが、写真を撮り忘れてしまいました。最後は、ドライ・マティーニで締め。若い頃は「どこが美味しんだろう?」と思っていましたが、40歳を過ぎてから本当に好きになりました。
「陽炎」さん、楽しい時間をありがとうございました。3周年おめでとうございます!
酒場 陽炎
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神奈川県横浜市港南区上大岡西2-4-5
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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