都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「チバトリ」 千葉市美術館、WiCANアートセンター他
千葉市美術館(千葉市中央区中央3-10-8)/WiCANアートセンター(千葉市中央区栄町24-7 )
「ひらがなアート チバトリ」
11/15-30

別に横浜へ喧嘩を売っているわけではありません。トリエンナーレではなく、ただの『トリ』、ようはマスコットの『チバ鳥』(マスコットは最下部参照)です。千葉市内、市立美術館他で開催中の現代アートの祭典、「チバトリ」へ行ってきました。
県民でありながら全く知りませんでしたが、今回のチバトリを主催するWiCAN(千葉アートネットワーク・プロジェクト)は、数年前より『トリ』に限らず、アートのイベントを様々な形で企画してきたそうです。それが今年はたまたま横浜トリエンナーレにかけてのチバトリ、さらには衒学的でかつ面白くない(私が言っているわけではありません。)とされる横浜に対し、「等身大のアート」をキーワードに、ある種の分かりやすさを求めたチバトリと、手作り感も漂う、千葉の身の丈にあった(?)展示を行っているというわけです。率直なところ、企画としては色々な意味でユルさ全開でしたが、あえてこの時期にトリを冠したイベントを開催する心意気には、とりあえず応援の意味も含めて拍手を送りたいと思います。ともかく見ないことには何もはじまりません。


会場は千葉市内計3カ所に分かれていますが、私は「風俗美術館」と題されたメインの「ジャパニーズ・リアル@チバ」と「チバトリ実験室」の千葉市美術館、及び栄町のWiCANアートセンターでの「チバトリ・アンデパンダン」を見てきました。ちなみに双方の会場は歩いても約10分とかかりません。ハシゴするには問題なさそうです。


市美術館の展示スペースはちょうどエレベーターホールの前、一階のさや堂ホールでした。ここでは会田誠、開発好明らをはじめとする10名のアーティストによるグループ展が行われています。ちなみにギョッとするようなおにぎりの怪物の会田誠のオブジェ「時の裂け目」は、何と彼自身初となるサウンドインスタレーションだそうです。その他では、ついこの間に京橋のINAXで個展のあった松田直樹の米の「うつわ」、また賞味期限の切れた肉や不要になった皮革製品にて元のイメージを再構築する渡辺篤の「死体遺棄事件」などが印象に残りました。別にグロテスクな映像を集めなくとも、生と死の問題に突っ込んだ展示は可能なのでしょう。死体派を持ち出すまでもない、メッセージ性にも長けた興味深い作品でした。


さや堂ホール横のエントランススペースでは、木村崇人の「ガリバー診療所」と題されたインスタレーションが展開されています。これは白衣を着た受付の『医師』の方に「ガリバーめがね」をお借りして、身長5メートル程度になったガリバーの視線を楽しめるという体験型の作品です。手取り足取り、ボランティアスタッフのワンツーマンでの『診察』から始まるという、実に手のこんだ仕掛けも嬉しく思えました。ちなみにこの「ガリバーめがね」はレンタルすることも可能です。めがねを片手に近辺を散策してみるというのもまた面白いのかもしれません。(もちろんマップも貸し出し中です。)


さてもう一カ所の会場、WiCANアートセンターで開催中なのは「チバトリ・アンデパンダン」、ようは完全無選抜による約90名のグループ展でした。「横トリに呼ばれなかったあなた、横トリを断ったあなた、チバトリはあなたを拒みません。」を合い言葉(?)に、小品のドローイングあり、また映像ありの、多様な作品がざっくばらんに展示されています。なおそれらはオークション形式にて購入も可能です。金の卵は果たしてここに埋もれているのでしょうか。思わずにやりとしてしまう作品もありました。
横浜に比べ、規模もおそらくは予算も全く比較になりませんが、幸いにも会場の千葉市美では「20世紀の写真」という、展示作品の質にかけては見るべき点の多い写真展を開催中です。お出かけの際はそちらとセットでの鑑賞をおすすめします。

次の土日、30日までの開催です。なお入場は無料です。
「ひらがなアート チバトリ」
11/15-30

別に横浜へ喧嘩を売っているわけではありません。トリエンナーレではなく、ただの『トリ』、ようはマスコットの『チバ鳥』(マスコットは最下部参照)です。千葉市内、市立美術館他で開催中の現代アートの祭典、「チバトリ」へ行ってきました。
県民でありながら全く知りませんでしたが、今回のチバトリを主催するWiCAN(千葉アートネットワーク・プロジェクト)は、数年前より『トリ』に限らず、アートのイベントを様々な形で企画してきたそうです。それが今年はたまたま横浜トリエンナーレにかけてのチバトリ、さらには衒学的でかつ面白くない(私が言っているわけではありません。)とされる横浜に対し、「等身大のアート」をキーワードに、ある種の分かりやすさを求めたチバトリと、手作り感も漂う、千葉の身の丈にあった(?)展示を行っているというわけです。率直なところ、企画としては色々な意味でユルさ全開でしたが、あえてこの時期にトリを冠したイベントを開催する心意気には、とりあえず応援の意味も含めて拍手を送りたいと思います。ともかく見ないことには何もはじまりません。




会場は千葉市内計3カ所に分かれていますが、私は「風俗美術館」と題されたメインの「ジャパニーズ・リアル@チバ」と「チバトリ実験室」の千葉市美術館、及び栄町のWiCANアートセンターでの「チバトリ・アンデパンダン」を見てきました。ちなみに双方の会場は歩いても約10分とかかりません。ハシゴするには問題なさそうです。






市美術館の展示スペースはちょうどエレベーターホールの前、一階のさや堂ホールでした。ここでは会田誠、開発好明らをはじめとする10名のアーティストによるグループ展が行われています。ちなみにギョッとするようなおにぎりの怪物の会田誠のオブジェ「時の裂け目」は、何と彼自身初となるサウンドインスタレーションだそうです。その他では、ついこの間に京橋のINAXで個展のあった松田直樹の米の「うつわ」、また賞味期限の切れた肉や不要になった皮革製品にて元のイメージを再構築する渡辺篤の「死体遺棄事件」などが印象に残りました。別にグロテスクな映像を集めなくとも、生と死の問題に突っ込んだ展示は可能なのでしょう。死体派を持ち出すまでもない、メッセージ性にも長けた興味深い作品でした。




さや堂ホール横のエントランススペースでは、木村崇人の「ガリバー診療所」と題されたインスタレーションが展開されています。これは白衣を着た受付の『医師』の方に「ガリバーめがね」をお借りして、身長5メートル程度になったガリバーの視線を楽しめるという体験型の作品です。手取り足取り、ボランティアスタッフのワンツーマンでの『診察』から始まるという、実に手のこんだ仕掛けも嬉しく思えました。ちなみにこの「ガリバーめがね」はレンタルすることも可能です。めがねを片手に近辺を散策してみるというのもまた面白いのかもしれません。(もちろんマップも貸し出し中です。)




さてもう一カ所の会場、WiCANアートセンターで開催中なのは「チバトリ・アンデパンダン」、ようは完全無選抜による約90名のグループ展でした。「横トリに呼ばれなかったあなた、横トリを断ったあなた、チバトリはあなたを拒みません。」を合い言葉(?)に、小品のドローイングあり、また映像ありの、多様な作品がざっくばらんに展示されています。なおそれらはオークション形式にて購入も可能です。金の卵は果たしてここに埋もれているのでしょうか。思わずにやりとしてしまう作品もありました。
横浜に比べ、規模もおそらくは予算も全く比較になりませんが、幸いにも会場の千葉市美では「20世紀の写真」という、展示作品の質にかけては見るべき点の多い写真展を開催中です。お出かけの際はそちらとセットでの鑑賞をおすすめします。

次の土日、30日までの開催です。なお入場は無料です。
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