「八木良太 - 回路」 無人島プロダクション

無人島プロダクション杉並区高円寺南3-58-15 平間ビル3F)
「八木良太 - 回路」
11/12-12/20



「レコードなどのレディメイドを用いた装置を使って、目には見えにくい時間の流れを提示してきた」(TOKYO ART CROSSより引用)という、八木良太の世界を紹介します。高円寺の無人島で開催中の個展へ行ってきました。





謎めいた上記DMのイメージは、今回特別に開放された2階スペースのインスタレーション、「Circuit」に答えがありました。白いカーペットの上には、八木自身が収集して手を加えたという二分割したS字状のレコードが繋げられ、そこに自走式のプレイヤーがキュルキュルといった音を奏でながら忙しなく進んでいます。レコード同士の面が線路のつなぎ目、またプレイヤーを電車とすれば、ちょうどプラレールの世界を連想させるのではないでしょうか。もちろんプレイヤーの発する音は、線路、ようは個々のレコードに記録された様々なジャンルによる音楽の断片です。音がプレイヤーを介すことでコラージュ的に結びつくだけでなく、赤や青のレーベル面も目立つ黒光りしたレコード自体も、幾何学的なオブジェとして完成されています。サウンド・アートが一つの装置として目に見える形で生み出されました。耳を澄まし、また目を動かせて音を追いたい作品です。

通常の展示フロア、3階では「lento/presto」と題された映像作品が紹介されています。音と映像によって時間の流れがある意味で歪む時、これまでに知り得ない感覚が呼び起こされました。ちなみにこの作品は二つのバージョンがあります。是非ともじっくり楽しみたい作品です。

明日まで開催されています。
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