都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ヘルマン・ニッチ展」 山本現代
山本現代(港区白金3-1-15 3階)
「ヘルマン・ニッチ展」
11/12-12/6
血にまみれた鮮烈な表現は横浜トリエンナーレでも一際目立っていました。動物の死骸を用いて多様なパフォーマンスを繰り広げるヘルマン・ニッチの世界を紹介します。山本現代で開催中の個展へ行ってきました。
ヤギの体を切り裂き、臓物や体液を裸体の男女へぶちかけて一種のカタルシスを得るニッチのパフォーマンスは、当然ながら直感的に目を背けてしまうものではありますが、その執拗に繰り返される悪魔的な儀式(=パフォーマンス)を見ていると、血や死の光景をきれいサッパリに隠してしまう現代の在り方の一種の欺瞞性がダイレクトに浮き上がってくるに思えてなりません。ニッチの『生贄』は、人間が元来持っている血への欲求を、それ自体が代謝的であり、なおかつ西洋の伝統に立脚したものではありながらも、半ば正直なほど真っ当に引き出すことに成功しています。臓物への嫌悪感が、いつしかその場に立つことすら許されない『清潔』な現代へのそれと転化したのは私だけでしょうか。神聖なものへと祭り上げられた血を解体して手元に引き戻す瞬間をニッチは包み隠すことなく示していました。その切り口は意外と古典的です。
展示は上記のパフォーマンスの映像、もしくは写真数点、または血の飛沫とそのこびり付いた様を連想させる「Poured Painting」と名付けられた絵画作品にて構成されています。混雑していたトリエンナーレよりも、その世界感をじっくりと味わうことはできました。
不快に思われる方もおられるので、DM画像は掲載しません。関心のある方は画廊HPへあたるか、展示作品写真の掲載されたリンク先アートインデックスをご参照下さい。(ともに血の表現が登場します。ご注意下さい。)
12月6日までの開催です。
「ヘルマン・ニッチ展」
11/12-12/6
血にまみれた鮮烈な表現は横浜トリエンナーレでも一際目立っていました。動物の死骸を用いて多様なパフォーマンスを繰り広げるヘルマン・ニッチの世界を紹介します。山本現代で開催中の個展へ行ってきました。
ヤギの体を切り裂き、臓物や体液を裸体の男女へぶちかけて一種のカタルシスを得るニッチのパフォーマンスは、当然ながら直感的に目を背けてしまうものではありますが、その執拗に繰り返される悪魔的な儀式(=パフォーマンス)を見ていると、血や死の光景をきれいサッパリに隠してしまう現代の在り方の一種の欺瞞性がダイレクトに浮き上がってくるに思えてなりません。ニッチの『生贄』は、人間が元来持っている血への欲求を、それ自体が代謝的であり、なおかつ西洋の伝統に立脚したものではありながらも、半ば正直なほど真っ当に引き出すことに成功しています。臓物への嫌悪感が、いつしかその場に立つことすら許されない『清潔』な現代へのそれと転化したのは私だけでしょうか。神聖なものへと祭り上げられた血を解体して手元に引き戻す瞬間をニッチは包み隠すことなく示していました。その切り口は意外と古典的です。
展示は上記のパフォーマンスの映像、もしくは写真数点、または血の飛沫とそのこびり付いた様を連想させる「Poured Painting」と名付けられた絵画作品にて構成されています。混雑していたトリエンナーレよりも、その世界感をじっくりと味わうことはできました。
不快に思われる方もおられるので、DM画像は掲載しません。関心のある方は画廊HPへあたるか、展示作品写真の掲載されたリンク先アートインデックスをご参照下さい。(ともに血の表現が登場します。ご注意下さい。)
12月6日までの開催です。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )