「小西真奈 - Portraits」 ARATANIURANO

ARATANIURANO中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3階)
「小西真奈 - Portraits」
2/28-4/4(会期終了)



風景画から一気にポートレートの世界が開けました。少女や赤ん坊をモデルとした油彩、計20点弱で構成されています。小西真奈の新作個展へ行ってきました。

ともかく印象深いのは、モデルから発せられる、あたかも見る者の心を見透かすような強い視線です。赤ん坊はくりくりとした目を見開きながら、どこか太々しくこちらを見やり、一方での少女は、まるで糾弾するかのようにして挑戦的な眼差しを向けていました。上のDM作品ではどうでしょうか。木に寄り添い、やや怯えた表情ながらも、やはり怪訝な様にてこちらを伺っています。風景画では虚無感の漂う、言い換えれば風景のアクセントに過ぎなかった人物が、意思をたたえ、凄みすらたたえた表現へと変化していました。エッジの効いた油彩、または蛍光色も用いられた激しい明暗のコントラストなどは同様でしたが、対象を変えることで、こうも絵の印象が異なるとは予想もしません。その変化にいささか戸惑いすら覚えさせられました。

次は一体どのような展開を示すのでしょうか。既に展示は終了しています。
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「101TOKYO Contemporary Art Fair」 アキバ・スクエア

アキバ・スクエア(千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDXビル内)
「101TOKYO Contemporary Art Fair」
4/2-5



ダイビルの「Young Artists Japan」に続き、隣接のUDXで開催中の「101TOKYO Contemporary Art Fair」へ行ってきました。

「101TOKYO GALLERY」(7つのギャラリーの共同展示です。ただし各ギャラリー個別の出展ブースはありません。)

(会場内風景。学校を使った昨年ほどのボリューム感はありませんでした。)

101アートフェアは今年で二年目の開催にあたりますが、中学校跡地の一室を使って濃密な空間を演出していた昨年に対し、今年は秋葉原の清潔感のあるフロアで比較的ゆとりある構成に仕上がっていました。冒頭、小柳やSCAI、それにシュウゴアーツなどが共同で出品したブースは、天井も高いこのスペースでなければ成り立たないインスタレーションではなかったでしょうか。小山登美夫ギャラリーでの個展でも印象深かった二体の彫像が一際目立っていました。

 「AFRONOVA」

101と言うと海外ギャラリーのブースに興味深いものがありますが、今回もスケールダウンこそしたものの、上海やニューヨークなど、7件の画廊が出展しています。ヨハネスブルクの画廊、AFRONOVAでのパッチワーク風の作品が印象に残りました。

(CASHIではサガキケイタと興梠優護などを紹介。)

国内ではお馴染みのモモやギャラリー・ショウなども登場していましたが、注目すべきは今年の8月、神楽坂に新たにオープンするeitoeikoです。相川勝のオブジェ、またサウンドインスタレーション『らしき』作品には思わずニヤリとさせられるものがありました。

(一見、普通のCDが並んでいるようにも見えますが、何とその全てが作家手製のジャケットです。)

(かの有名なフルトヴェングラーの第九を発見。もちろんこれも手製。隣にある試聴機では、この第九を何と作家がアカペラで歌うという仰天のパフォーマンスが吹き込まれています。)

101は有楽町のアートフェアにも負けないほど積極的にトークショーなどを各種開催(スケジュール)しています。率直なところ、全体の出展数もダウン、また昨年心に残ったYUKARI ARTなどの有力なギャラリーがアートフェアの方に出品していたりと、早くも二年目にしてイベントとしての存在意義が問われている気がしないでもありませんが、何とか継続して、本家では手の届かない『尖った』アートを紹介していただきたいものです。



本日17時にて終了します。

*会場内の撮影については各ブースの方に許可をいただきました。
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