「江川純太 さっき見た新しい世界を忘れて、また見る瞬間の」 eitoeiko

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「江川純太 さっき見た新しい世界を忘れて、また見る瞬間の」
3/31~4/28、5/8~5/26



eitoeikoで開催中の江川純太個展、「さっき見た新しい世界を忘れて、また見る瞬間の」へ行って来ました。

抽象に立脚しながらも、毎回の個展で作風を変化させる江川ですが、今回はさらに顕著だと言えるのではないでしょうか。

ギャラリーへ入った瞬間、ともかく強い印象を与えたのは、これまでにはない暗鬱でかつ閉ざされた空間表現に他なりません。



一昨年、また昨年の個展では、どちらかというと薄いシルバーを背景に、赤や水色などの鮮やかな色彩が点在、もしくは浮遊して爛れるという、全体としてオールオーバー的な絵画を描いていました。

しかしながら今年はご覧の通りです。何やら暗い黒などが周囲から中央へと迫り、その合間にぽっかり空いた穴を埋めるかのように色彩が漂っているではありませんか。


江川純太「あなたの現実は創造を遥かに超える。」キャンバス・油彩 2012年

穴を埋めた色彩は薄塗りと厚塗り、さらには絵具をそのまま盛り上げたような箇所に分かれています。また形も円や四角などが曲線を描いてうねるストロークとせめぎ合い、極めて密度の高い空間が生まれていました。

今回の作品は鍵穴から向こうを覗き込んだ時に見えるモチーフでもあるそうですが、その穴のイメージは時に人の頭部、またドクロの形と重なり合うかもしれません。

一方で色と形が半ば乱れるように現れているせいか、何やらキャンバスへ何らかの情念をぶつけるような激しさも感じてなりません。

なお当初の会期は4月28日までですが、好評によりGW以降、5月26日までの延長を予定しているそうです。

@eitoeiko
江川純太展、好評につきGW後の5/8~5/26に会期延長戦を予定しております。一部展示替えも予定しています。

その際は一部展示替えもあるそうです。またさらに変化した作品が現れるかもしれません。


江川純太「あなたの現実は創造を遥かに超える。」キャンバス・油彩 2012年(部分)

美術手帖の5月号の「ART NAVI」の9ページ、「期待のアーティストに聞く」のコーナーに江川純太のインタビュー記事が掲載されています。

そこで江川が語る「絵のナマ感」、作品かもひしひしと感じられました。

GW前は4月28日、GW以降は5月26日まで開催(予定)されています。

「江川純太 さっき見た新しい世界を忘れて、また見る瞬間の」 eitoeiko@eitoeiko
会期:3月31日(土)~4月28日(土)、5月8日(火)~5月26日(土)
休廊:月・火
時間:12:00~19:00
住所:新宿区矢来町32-2
交通:東京メトロ東西線神楽坂駅より徒歩5分、都営地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅より徒歩10分。
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