「チームラボ展」 日本科学未来館

日本科学未来館
「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」
11/29~2015/5/10(会期延長)



日本科学未来館で開催中の「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」のプレスプレビューに参加してきました。

デジタルの領域を基盤にアートやネットメディア、それにデザインや空間演出などの多様な事業を展開するチームラボ。

意外にも未来館としては初の「アート展」だそうです。時にインタラクティブな仕掛けを用いたインスタレーションを14点紹介。チームラボの「今」を体感的に楽しむことが出来ます。

さて狭い通路を抜けるとそこはいきなりチームラボの世界。「花と人、コントロールできないけれども共に生きる、そして永久に - Tokyo」が待ち構えています。


「花と人、コントロールできないけれども共に生きる、そして永久に - Tokyo」 2014年 インタラクティブデジタルインスタレーション 音楽:高橋英明

鏡面に囲まれた暗室の壁や床に映されるのは無数の花々。タイトルに「Tokyo」とあるように、モチーフは東京に生息している花です。ここでは1時間が1年間。四季折々の花が開いては閉じてゆく様が表されています。


「花と人、コントロールできないけれども共に生きる、そして永久に - Tokyo」 2014年 インタラクティブデジタルインスタレーション 音楽:高橋英明

さらに花の近くで激しく移動したり、逆にゆっくり立ち止まると散っていく。同じ花は2度と複製されません。つまり鑑賞者の振る舞い如何で花畑が変容し続けるわけです。

美しくも儚い花々の姿。ヴァニタスを連想しました。出来れば人の少ない時を狙って楽しみたいものです。


「花と屍 剥落」 2012年 デジタルワーク 1分50秒(ループ)

デジタルの絵物語です。「花と屍 剥落」は「自然と文明の、衝突、循環、共生」(キャプションより)をテーマした作品。吹抜屋台など日本の伝統的な絵巻を思わせる画面にヤマタノオロチなど神話の物語が描かれています。興味深いのは「剥落」です。つまり物語の進行は作品の表面が剥がれ落ちることで進む。パラパラ絵本の感覚に近いかもしれません。

この日本の伝統的文化に対するリスペクトもチームラボの大きな特徴です。「近代以前の日本人が見ていただろう世界を再解釈してデジタルに提示する。」とはチームラボ代表の猪子氏の言葉でもあります。


「Nirvana」 2013年 デジタルワーク 6分20秒(ループ)

若冲がやって来ました。「Nirvana」です。高さは5メートルで横は20メートル。もちろんモチーフは「鳥獣花木図屏風」と「樹花鳥獣図屏風」です。枡目描きの枡目をピクセルアートに見立てて表現。象や鳥に鹿に命の息吹を与えます。ようはアニメーションで動くわけです。


「Nirvana」 2013年 デジタルワーク 6分20秒(ループ)

屏風絵の絵具が落ちた部分までも再現した画面は緻密の一言。それでいて動物たちが動く様は可愛らしくもあります。蝶が舞い、象が鼻を揺らし、獣が口を開ける。ひょっとすると若冲は頭の中でこのような動きを志向していたのかもしれません。ともすると「極楽」を表したのではないかとも指摘される本作ですが、まさにNirvanaこと涅槃。さもありなんという気もしました。

さて本展は全二部構成です。前半がいわゆる「アート展」で後半が「未来の遊園地」。子どもたちを対象に全国各地を巡ったプロジェクトが一堂に会しています。


「天才ケンケンパ」 2013年 インタラクティブデジタルインスタレーション

こちらは100%インタラクティブです。手を伸ばし、足を動かし、そして頭を使うことで初めて作品が生きてくる。さらに重要なのは何も子どもたちだけのものではないことです。童心に帰るとはまさにこのことでしょう。大人でもつい夢中になってしまう作品も少なくありません。


「3D お絵かきタウン」 2014年 インタラクティブデジタルインスタレーション

例えば「3Dお絵かきタウン」は参加者の描いた絵が一つの街として立ち上がるもの。紙に描いた建物や乗り物が立体的な3Dとなってスクリーン上に投影、さらに触ることで動かしたりすることが出来ます。


「つながる!積み木列車」 2013年 インタラクティブデジタルインスタレーション

また街といえば「つながる!積み木列車」も楽しい。テーブル上に置かれたカラフルな積み木、それを自由に組み合わせてみましょう。すると線路が突如表れ、道路が繋がり、飛行機が飛ぶ。川や橋も登場します。いつの間にか街が出現するわけです。

そしてこれが案外難しいもの。少しでも積み木をずらすと線路が消えてしまいます。街を築き上げるにはテーブルを囲む人の全てが協力し合う必要がありました。


「メディアブロックチェア」 2012年 インタラクティブインスタレーション

ほかには全身を使って動かす「メディアブロックチェア」や「光のボールでオーケストラ」も面白いのではないでしょうか。サイズは確かに子ども向けかもしれませんが、ボールやブロックを互いに重ねたりぶつけたりしては変化する色の美しさ。見ているだけでも楽しめました。

「デジタルは決して冷たいものではない。同じく空間にいる人を繋げ、空間を活性化することが出来る。」(チームラボ代表 猪子寿之)


「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点 ‒ Light in Dark」 2014年 デジタルインスタレーション 4分20秒(ループ) 音楽:高橋英明

「作品」と「観客」を分け隔てなく一体化させること。そのツールとしてデジタルを積極的に活用しています。もちろん議論はあるやもしれませんが、チームラボの未来へ向けた挑戦、その成果を知ることが出来ました。

なお写真はプレス内覧時に撮影したものですが、会期中も全ての作品の撮影が可能です。


「光のボールでオーケストラ」 2013年 インタラクティブインスタレーション *内覧会時にオフィシャルサポーターのふなっしーが暴れていました。

ほかの方に迷惑がかからないようにさえすれば、走ったり跳ねたりすることも出来る展覧会。エンターテイメントとしても楽しめます。ここはカメラ片手に親子連れで出かけても面白いのではないでしょうか。

チームラボって、何者? /マガジンハウス」

当初より会期が延長されました。3月7日からは最新作、「Floating Flower Garden/浮遊する庭園」(仮)も展示されるそうです。

2015年5月10日まで開催されています。(3/2~3/6は展示替えのため休館。)

「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」 日本科学未来館@miraikan
会期:2014年11月29日(土)~2015年5月10日(日)*会期延長。
休館:毎週火曜日。但し12/23(火・祝)、及び2015/1/6(火)は開館。年末年始(12/28~1/1)。展示替え期間(3/2~3/6)。
時間:10:00~17:00
 *3/7以降の土・日・祝日は19時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで
料金:大人1800円、中人(小学生~18歳)1200円、小人(3歳~小学生未満)900円。
 *中人は土曜のみ1100円。
 *リピーター割引あり。
住所:江東区青海2-3-6
交通:新交通ゆりかもめテレコムセンター駅下車徒歩約4分。船の科学館駅下車徒歩約5分。東京臨海高速鉄道りんかい線東京テレポート駅下車徒歩約15分。
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