都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「土木展」 21_21 DESIGN SIGHT
21_21 DESIGN SIGHT
「土木展」
6/24~9/25

21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「土木展」を見てきました。
インフラほか、日常の生活のために不可欠な技術である土木。それをアートやデザインなどの観点も盛り込んで幅広く捉えようとしています。

「渋谷駅解体」 田中智之 2011年
はじめのテーマは「都市の風景」。田中智之の描いた駅の解体図が圧巻です。舞台は東京駅と新宿駅と渋谷駅。ともに国内有数のターミナルです。単に構内にとどまらず、派生する連絡通路、エスカレーター、さらに屋外の道路、ないしビルなどが見取り図の形で描いています。

「東京駅解体」 田中智之 2014年
いずれも緻密でかつ迫力満点です。また人の足跡までが事細かに記されています。人の流れを可視化していると言えるのではないでしょうか。駅がいかに交通の重要な連結点であるかを見ることが出来ます。

「土木オーケストラ」 ドローイングマニュアル 2016年
ラベルのボレロが聞こえてきました。「土木オーケストラ」です。巨大スクリーンに投影されるのはまさに現場そのもの。溶接、解体、またクレーンが動く様子などが映されています。ヘルメットをかぶり汗を落とす職人のアップもありました。高度経済成長期の記録です。そこへ時折、現在の渋谷駅の工事現場の光景がクロスします。ボレロはいわばBGMです。とは言え、単にオーケストラの演奏ではありません。ハンマーを打音などをコラージュしてボレロの音楽に取り込んでいるわけです。これが巧妙です。すぐには気がつきませんでした。

「キミのためにボクがいる。」 WOW 2016年
同じく映像では「キミのためにボクがいる。」も目立っていました。キミとは我々人間や動物たち。ではボクとは何を指すのでしょうか。消波ブロックやコンクリートブロックでした。災害を防ぐ土木の役割をアニメーションで伝えています。

「渋谷駅(2013)構内模型」 田村圭介+昭和女子大学環境デザイン学科田村研究室 2013年
田中圭介は渋谷駅の構内を模型で表しました。今も工事の続く渋谷駅。再現は2013年時点のものです。四方八方、触手のように延びる駅の階段やホーム。上下に階層が多く、極めて立体的なのが特徴です。地上は3階。銀座線です。そして副都心線でしょうか。地下は5階にまで及んでいます。渋谷駅の乗り換えは縦移動が多いことを改めて思い出しました。

「人孔」 設計領域 2016年
DESIGN SIGHTらしく体験型の展示が多いのもポイントです。「人孔」では本物のマンホールに潜り込むことが可能。ヘルメットをかぶっては下からアスファルト面へ顔を出すことも出来ます。

「ダイダラの砂箱」 桐山孝司+栞原寿行
ほか等高線をつくる体験展示も興味深い。砂に触れて自由に高低差を変えられます。地形と土木は密接に関わりあっています。

「ストラクチャー」 渡邊竜一+ローラン・ネイ 2016年
土木の関する素材についての言及もありました。例えばストラクチャー。厚さ僅か1ミリの板による橋の模型です。レーザーカット、ロボット溶接、そして職人の手作業などの複数の工程を経て完成しました。

「山」 公益社団法人 日本左官会議(挟土秀平、原田進、小林隆男、小沼充) 2016年
土を突き固めた版築によるピラミッドも登場。左官の技術です。仕上げ面を触っては風合いを味わうことも出来ました。

「Perfume Music Player Installation」 ライゾマティクスリサーチ 2016年
またライゾマティクスによる映像も大がかりなシステムです。スマホの位置情報とPerfumeの楽曲視聴データを連動させ、東京の交通網や人の流れを分析しています。

「BLUE WALL 永代橋設計圖(東京大学大学院工学系社会基盤学専攻所蔵)」 EAU 2016年
都市工学、建築、環境、交通計画など、多方面からなる土木。盛りだくさんな内容のゆえか、つまるところ「土木とは何か」という点がぼやけている感も否めませんでしたが、一つのとっかかりとして土木を知る機会ではあるのかもしれません。

「土木の道具」 ワークビジョンズ/西村浩 林隆青 2016年
会場内、スマホを片手に写真を撮りながら楽しんでいる方が多く見受けられました。

「建設機械グラフィック」 コマツ 2016年
9月25日まで開催されています。
「土木展」 21_21 DESIGN SIGHT(@2121DESIGNSIGHT)
会期:6月24日(金)~9月25日(日)
休館:火曜日。但し8月23日は開館。
時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
*8月23日(火)は17時まで開館。
料金:一般1100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。
*15名以上は各200円引。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
「土木展」
6/24~9/25

21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「土木展」を見てきました。
インフラほか、日常の生活のために不可欠な技術である土木。それをアートやデザインなどの観点も盛り込んで幅広く捉えようとしています。

「渋谷駅解体」 田中智之 2011年
はじめのテーマは「都市の風景」。田中智之の描いた駅の解体図が圧巻です。舞台は東京駅と新宿駅と渋谷駅。ともに国内有数のターミナルです。単に構内にとどまらず、派生する連絡通路、エスカレーター、さらに屋外の道路、ないしビルなどが見取り図の形で描いています。

「東京駅解体」 田中智之 2014年
いずれも緻密でかつ迫力満点です。また人の足跡までが事細かに記されています。人の流れを可視化していると言えるのではないでしょうか。駅がいかに交通の重要な連結点であるかを見ることが出来ます。

「土木オーケストラ」 ドローイングマニュアル 2016年
ラベルのボレロが聞こえてきました。「土木オーケストラ」です。巨大スクリーンに投影されるのはまさに現場そのもの。溶接、解体、またクレーンが動く様子などが映されています。ヘルメットをかぶり汗を落とす職人のアップもありました。高度経済成長期の記録です。そこへ時折、現在の渋谷駅の工事現場の光景がクロスします。ボレロはいわばBGMです。とは言え、単にオーケストラの演奏ではありません。ハンマーを打音などをコラージュしてボレロの音楽に取り込んでいるわけです。これが巧妙です。すぐには気がつきませんでした。

「キミのためにボクがいる。」 WOW 2016年
同じく映像では「キミのためにボクがいる。」も目立っていました。キミとは我々人間や動物たち。ではボクとは何を指すのでしょうか。消波ブロックやコンクリートブロックでした。災害を防ぐ土木の役割をアニメーションで伝えています。

「渋谷駅(2013)構内模型」 田村圭介+昭和女子大学環境デザイン学科田村研究室 2013年
田中圭介は渋谷駅の構内を模型で表しました。今も工事の続く渋谷駅。再現は2013年時点のものです。四方八方、触手のように延びる駅の階段やホーム。上下に階層が多く、極めて立体的なのが特徴です。地上は3階。銀座線です。そして副都心線でしょうか。地下は5階にまで及んでいます。渋谷駅の乗り換えは縦移動が多いことを改めて思い出しました。

「人孔」 設計領域 2016年
DESIGN SIGHTらしく体験型の展示が多いのもポイントです。「人孔」では本物のマンホールに潜り込むことが可能。ヘルメットをかぶっては下からアスファルト面へ顔を出すことも出来ます。

「ダイダラの砂箱」 桐山孝司+栞原寿行
ほか等高線をつくる体験展示も興味深い。砂に触れて自由に高低差を変えられます。地形と土木は密接に関わりあっています。

「ストラクチャー」 渡邊竜一+ローラン・ネイ 2016年
土木の関する素材についての言及もありました。例えばストラクチャー。厚さ僅か1ミリの板による橋の模型です。レーザーカット、ロボット溶接、そして職人の手作業などの複数の工程を経て完成しました。

「山」 公益社団法人 日本左官会議(挟土秀平、原田進、小林隆男、小沼充) 2016年
土を突き固めた版築によるピラミッドも登場。左官の技術です。仕上げ面を触っては風合いを味わうことも出来ました。

「Perfume Music Player Installation」 ライゾマティクスリサーチ 2016年
またライゾマティクスによる映像も大がかりなシステムです。スマホの位置情報とPerfumeの楽曲視聴データを連動させ、東京の交通網や人の流れを分析しています。

「BLUE WALL 永代橋設計圖(東京大学大学院工学系社会基盤学専攻所蔵)」 EAU 2016年
都市工学、建築、環境、交通計画など、多方面からなる土木。盛りだくさんな内容のゆえか、つまるところ「土木とは何か」という点がぼやけている感も否めませんでしたが、一つのとっかかりとして土木を知る機会ではあるのかもしれません。

「土木の道具」 ワークビジョンズ/西村浩 林隆青 2016年
会場内、スマホを片手に写真を撮りながら楽しんでいる方が多く見受けられました。

「建設機械グラフィック」 コマツ 2016年
9月25日まで開催されています。
「土木展」 21_21 DESIGN SIGHT(@2121DESIGNSIGHT)
会期:6月24日(金)~9月25日(日)
休館:火曜日。但し8月23日は開館。
時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
*8月23日(火)は17時まで開館。
料金:一般1100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。
*15名以上は各200円引。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
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