2019年10月に見たい展覧会【やなぎみわ/ラウル・デュフィ/ゴッホ展】

9月末になっても残暑が長引き、秋の本格的な気配がなかなか感じられませんが、いかがお過ごしでしょうか。

10月は展覧会シーズンもたけなわです。気になる展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・「引込線/放射線(第1期)」 第19北斗ビル(~10/14)
・「没後90年記念 岸田劉生展」 東京ステーションギャラリー(~10/20)
・「大観・春草・玉堂・龍子―日本画のパイオニア」 山種美術館(~10/27)
・「歌川国芳―父の画業と娘たち」 太田記念美術館(10/4~10/27)
・「新創開館10周年記念 美しきいのち 日本・東洋の花鳥表現」 根津美術館(~11/4)
・「DECODE/出来事と記録―ポスト工業化社会の美術」 埼玉県立近代美術館(~11/4)
・「黄金町バザール ニュー・メナジェリー」 黄金町エリアマネジメントセンター(~11/4)
・「引込線/放射線(第2期)」 旧市立所沢幼稚園(10/12~11/4)
・「あざみ野コンテンポラリー vol.10 しかくのなかのリアリティ」 横浜市民ギャラリーあざみ野(10/12~11/4)
・「チェコ・デザイン 100年の旅」 世田谷美術館(~11/10)
・「不思議の国のアリス展」 そごう美術館(~11/17)
・「写真新世紀 2019」 東京都写真美術館(10/19~11/17)
・「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」 練馬区立美術館(~11/24)
・「日本・東洋 美のたからばこ ~和泉市久保惣記念美術館の名品」 渋谷区立松濤美術館(10/5~11/24)
・「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美」 東京国立博物館(10/14~11/24)
・「おかえり 『美しき明治』」 府中市美術館(~12/1)
・「茶の湯の名碗 高麗茶碗」 三井記念美術館(~12/1)
・「線の迷宮〈ラビリンス〉3 齋藤芽生とフローラの神殿」 目黒区美術館(10/12~12/1)
・「やなぎみわ展 神話機械」 神奈川県民ホールギャラリー(10/20~12/1)
・「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション―メトロポリタン美術館所蔵」 東京国立近代美術館工芸館(~12/8)
・「描く、そして現れる―画家が彫刻を作るとき」 DIC川村記念美術館(~12/8)
・「ラウル・デュフィ展―絵画とテキスタイル・デザイン」 パナソニック汐留美術館(10/5~12/15)
・「カミーユ・アンロ|蛇を踏む」 東京オペラシティ アートギャラリー(10/16~12/15)
・「カルティエ、時の結晶」 国立新美術館(10/2~12/16)
・「建国300年 ヨーロッパの宝石箱リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展」 Bunkamuraザ・ミュージアム(10/12~12/23)
・「オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」 横浜美術館(~2020/1/13)
・「ゴッホ展」 上野の森美術館(10/11~2020/1/13)
・「アジアのイメージ―日本美術の『東洋憧憬』」 東京都庭園美術館(10/12~2020/1/13)
・「ルネ・ユイグのまなざし フランス絵画の精華―大様式の形成と変容」 東京富士美術館(10/5~2020/1/19)
・「印象派からその先へー世界に誇る吉野石膏コレクション展」 三菱一号館美術館(10/30~2020/1/20)
・「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」 国立西洋美術館(10/19~2020/1/26)

ギャラリー

・「青山悟展 The Lonely Labourer」 ミヅマアートギャラリー(10/2~11/2)
・「アルフレッド・ジャー Lament of the Images」 スカイザバスハウス(10/4~11/2)
・「マルク・シャガール—夢を綴る」 ポーラ ミュージアム アネックス(10/4~11/4)
・「αMプロジェクト2019 東京計画2019 vol.3 vol.4 ミルク倉庫+ココナッツ」 ギャラリーαM(~11/9)
・「ヴァルダ・カイヴァーノ」 小山登美夫ギャラリー(10/11~11/9)
・「藤元明 陸の海ごみ」 ギャラリーA4(10/4~11/14)
・「日本のアートディレクション展 2019」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー/クリエイションギャラリーG8(10/23~11/16)
・「竹村 京 Madeleine. V, Olympic, and my Garden」  タカ・イシイギャラリー東京(10/19~11/22)
・「ジェイ・チュン & キュウ・タケキ・マエダ セレクションによるグループ展」 資生堂ギャラリー(10/18~12/22)

まずは現代美術です。今年2月の高松市美術館を皮切りに、アーツ前橋、福島県立美術館と巡回してきたやなぎみわの個展が、神奈川県民ホールギャラリーで開催されます。



「やなぎみわ展 神話機械」@神奈川県民ホールギャラリー(10/20~12/1)

1967年に神戸で生まれ、「エレベーター・ガール」などの写真で評価を得た美術家のやなぎみわは、2010年から演劇プロジェクトをスタートさせると、日本各地を巡礼した野外劇「日輪の翼」といった舞台作品を発表してきました。


そしてやなぎみわは舞台作品と共に、日本神話をモチーフに桃を撮影した新作シリーズも制作しました。それが今回の展覧会で初めて公開されます。なお国内の美術館で個展が開かれるのは、2009年の「やなぎみわ マイ・グランドマザーズ」(東京都写真美術館)以来、約10年ぶりのことになります。待っていた方も多いかもしれません。

続いては西洋美術です。パナソニック汐留美術館にて「ラウル・デュフィ展―絵画とテキスタイル・デザイン」が行われます。



「ラウル・デュフィ展―絵画とテキスタイル・デザイン」@パナソニック汐留美術館(10/5~12/15)

フランスのフォーヴの画家として活動したラウル・デュフィは、海の風景や音楽的な主題の絵画を描きながら、リヨンの絹織物製造業ビアンキーニ=フェリエ社のために、約15年以上に渡ってテキスタイルのデザインを提供していました。



そのテキスタイルに着目したのが今回の展覧会で、デュフィデザインの衣装作品の他、プリント生地、そして絵画など、資料を含め約150点ほどが出展されます。

デュフィの回顧展といえば、2014年に「デュフィ展 絵筆が奏でる 色彩のメロディー」(Bunkamura ザ・ミュージアム)が行われました。同展においてもテキスタイルが出展されましたが、今回はデザインの仕事についてより突っ込んだ内容になるかもしれません。

この秋、最も注目を集める西洋絵画展になるのではないでしょうか。上野の森美術館で「ゴッホ展」がはじまります。



「ゴッホ展」@上野の森美術館(10/11~2020/1/13)

ともかく日本でも人気の画家だけに、過去、度々回顧展が開かれてきたゴッホですが、最近では2017年に「ゴッホ展 巡りゆく日本」が東京都美術館にて行われました。同展では日本の美術との関係を検証するため、ゴッホに影響を与えた浮世絵などを参照しながら、ゴッホの絵画を併せ見る構成となっていました。


一方で今回は、ハーグ派や印象派との影響から、いかにゴッホが自らの画風を築いたのかについて追いかける展示となります。そのために端的にゴッホの作品のみで構成されず、アントン・マウフェらのハーグ派や、モネやセザンヌらの印象派の画家の作品も出展されます。(ゴッホ40点、他の画家30点。)

何かとスペースに制約のある上野の森美術館のこともあり、早々から混雑することも十分に考えられます。当面は金曜、土曜の夜間開館が狙い目となりそうです。

それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )