都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
2019年12月に見たい展覧会【ブダペスト展/サラ・ベルナールの世界/青木野枝 霧と鉄と山と】
今年も早いもので残すところあと1ヶ月となりました。
11月に見た展覧会では、先だって会期を終えた「岡山芸術交流2019」をはじめ、千葉市美術館で開催中の「目 非常にはっきりとわからない」、それに東京国立近代美術館での「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」などが印象に残りました。

そのうち「岡山芸術交流2019」は目標の26万名を超え、入場者が前回を大幅に上回る延べ31万名を記録しました。要因として瀬戸内国際芸術祭と一部の会期が重なった上、二度目の開催で知名度が上がったこともあげられていましたが、岡山に根差しつつ、独自色のある展示内容が光っていただけに、また次回の展開にも大いに期待が出来そうです。
それでは12月に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「鹿島茂コレクション アール・デコの造本芸術 高級挿絵本の世界」 日比谷図書文化館(~12/23)
・「江戸の茶の湯 川上不白 生誕三百」 根津美術館(~12/23)
・「松本力 記しを憶う-東京都写真美術館コレクションを中心に」 東京都美術館(~2020/1/5)
・「YCC Temporary 高橋匡太」 YCCヨコハマ創造都市センター(~2020/1/12)
・「小さなデザイン 駒形克己展」 板橋区立美術館(~2020/1/13)
・「ニューヨーク・アートシーン-滋賀県立近代美術館コレクションを中心に」 埼玉県立近代美術館(~2020/1/19)
・「北斎没後170年記念 北斎 視覚のマジック 小布施・北斎館名品展」 すみだ北斎美術館(~2020/1/19)
・「大浮世絵展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演」 江戸東京博物館(~2020/1/19)
・「印象派からその先へー世界に誇る吉野石膏コレクション展」 三菱一号館美術館(~2020/1/20)
・「山沢栄子 私の現代/中野正貴写真展 東京/中野正貴写真展 東京」 東京都写真美術館 (~2020/1/26)
・「奈良原一高のスペイン――約束の旅」 世田谷美術館(~2020/1/26)
・「坂田一男 捲土重来」 東京ステーションギャラリー(12/7~2020/1/26)
・「国宝 雪松図と明治天皇への献茶」 三井記念美術館(12/14~2020/1/30)
・「パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」 渋谷区立松濤美術館(12/7~2020/1/31)
・「やきもの入門 ―色彩・文様・造形をたのしむ」 出光美術館(~2020/2/2)
・「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界」 東京国立博物館・東洋館(~2020/2/9)
・「MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影/ダムタイプ|アクション+リフレクション/ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」 東京都現代美術館(~2020/2/16)
・「たば塩コレクションに見る ポスター黄金時代」 たばこと塩の博物館(12/14~2020/2/16)
・「ミイラ~永遠の命を求めて」 国立科学博物館(11/2~2020/2/24)
・「青木野枝 霧と鉄と山と」 府中市美術館(12/14~2020/3/1)
・「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」 21_21 DESIGN SIGHT(~2020/3/8)
・「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」 国立新美術館(12/4~2020/3/16)
・「フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると」 ワタリウム美術館(~2020/3/22)
・「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命―人は明日どう生きるのか」 森美術館(~2020/3/29)
ギャラリー
・「O JUN展 途中の造物」 ミヅマアートギャラリー(~12/14)
・「167人のクリエイターと京都の職人がつくる ふろしき百花店」 クリエイションギャラリーG8(~12/21)
・「栗山斉展」 アートフロントギャラリー(12/6~12/22)
・「勅使河原 蒼風」 タカ・イシイギャラリー東京(~12/27)
・「みえないかかわり イズマイル・バリー展」 メゾンエルメス8階フォーラム(~2020/1/13)
・「動きの中の思索―カール・ゲルストナー」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(~2020/1/18)
・「αMプロジェクト2019 東京計画2019 vol.5 中島晴矢」 ギャラリーαM(~2020/1/18)
・「ソピアップ・ピッチ RECLAIM」 小山登美夫ギャラリー(12/20~2020/1/25)
・「ものいう仕口―白山麓で集めた民家のかけら」 LIXILギャラリー(12/5~2020/2/22)
まずは西洋美術です。国立新美術館にて「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」が始まります。

「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」@国立新美術館(12/4~2020/3/16)
これは日本とハンガリーの外交関係開設150周年を記念して開催されるもので、ハンガリーのブダペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーのコレクションが約130点ほどやって来ます。なお両コレクションが日本でまとまって公開されるのは、約25年ぶりのことになります。
ルネサンスから20世紀美術の西洋美術はもとより、日本で紹介されることの少ないハンガリーの近代絵画にも注目が集まるのではないでしょうか。まだ見知らぬ意外なハンガリーの名品に出会える機会となるやもしれません。
意外にもサラ・ベルナールに着目した展覧会としては日本で初めての開催となります。渋谷区立松濤美術館にて「パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」がスタートします。

「パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」@渋谷区立松濤美術館(12/7~2020/1/31)
フランスのベル・エポック期を代表する女優、サラ・ベルナールは、女優として活躍しただけでなく、ミュシャやラリックと交流して庇護した他、劇団を立ち上げるなどして幅広く活動しました。
そのサラ・ベルナールに関した作品を紹介するのが今回の展覧会で、絵画、彫刻、舞台衣装、装飾品、あるいはポスターなどが一堂に公開されます。それこそロートレックやミュシャ作品のモチーフとして見ることの多いサラ・ベルナールですが、彼女自身の人生なり活動に着目した展覧会だけに、知られざる意外な側面も浮かび上がってくるかもしれません。
ラストは現代美術です。関東では約20年ぶりの美術館での個展です。府中市美術館にて「青木野枝 霧と鉄と山と」が開催されます。
「青木野枝 霧と鉄と山と」@府中市美術館(12/14~2020/3/1)
1958年に東京で生まれ、主に鉄を素材にした彫刻家、青木野枝は、ガラスや石膏なども用い、空間全体を取り込むような作品を多様に手掛けてきました。

青木野枝「空玉/紀尾井町」 2016年 *東京ガーデンテラス紀尾井町にて
今回の個展では、美術館の空間にあわせた新作をはじめ、最初期の彫刻など、青木の新旧の作品を紹介する内容となるそうです。これまでにも青木の作品は、美術館での常設展示や現代美術のグループ展などで目にすることは少なくありませんでしたが、必ずしも網羅的に見る機会は多いとは言えませんでした。まさにファン待望の個展となりそうです。
最後に来年の芸術祭の情報です。「ヨコハマトリエンナーレ2020」と「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020」の企画概要が発表されました。
「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020」
会期:2020年3月20日(祝・金)~5月17日(日)
開催エリア:小湊鉄道を軸とした周辺エリア
「ヨコハマトリエンナーレ2020 Afterglow―光の破片をつかまえる」
会期:2020年7月3日(金) ~10月11日(日)
会場:横浜美術館、プロット48
アートミックスはGWを挟んでの春の開催、ヨコハマトリエンナーレ7月以降、秋にかけての開催です。ともに楽しみな芸術祭だけに、今後の情報もチェックしていきたいと思います。
それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
11月に見た展覧会では、先だって会期を終えた「岡山芸術交流2019」をはじめ、千葉市美術館で開催中の「目 非常にはっきりとわからない」、それに東京国立近代美術館での「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」などが印象に残りました。

そのうち「岡山芸術交流2019」は目標の26万名を超え、入場者が前回を大幅に上回る延べ31万名を記録しました。要因として瀬戸内国際芸術祭と一部の会期が重なった上、二度目の開催で知名度が上がったこともあげられていましたが、岡山に根差しつつ、独自色のある展示内容が光っていただけに、また次回の展開にも大いに期待が出来そうです。
それでは12月に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「鹿島茂コレクション アール・デコの造本芸術 高級挿絵本の世界」 日比谷図書文化館(~12/23)
・「江戸の茶の湯 川上不白 生誕三百」 根津美術館(~12/23)
・「松本力 記しを憶う-東京都写真美術館コレクションを中心に」 東京都美術館(~2020/1/5)
・「YCC Temporary 高橋匡太」 YCCヨコハマ創造都市センター(~2020/1/12)
・「小さなデザイン 駒形克己展」 板橋区立美術館(~2020/1/13)
・「ニューヨーク・アートシーン-滋賀県立近代美術館コレクションを中心に」 埼玉県立近代美術館(~2020/1/19)
・「北斎没後170年記念 北斎 視覚のマジック 小布施・北斎館名品展」 すみだ北斎美術館(~2020/1/19)
・「大浮世絵展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演」 江戸東京博物館(~2020/1/19)
・「印象派からその先へー世界に誇る吉野石膏コレクション展」 三菱一号館美術館(~2020/1/20)
・「山沢栄子 私の現代/中野正貴写真展 東京/中野正貴写真展 東京」 東京都写真美術館 (~2020/1/26)
・「奈良原一高のスペイン――約束の旅」 世田谷美術館(~2020/1/26)
・「坂田一男 捲土重来」 東京ステーションギャラリー(12/7~2020/1/26)
・「国宝 雪松図と明治天皇への献茶」 三井記念美術館(12/14~2020/1/30)
・「パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」 渋谷区立松濤美術館(12/7~2020/1/31)
・「やきもの入門 ―色彩・文様・造形をたのしむ」 出光美術館(~2020/2/2)
・「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界」 東京国立博物館・東洋館(~2020/2/9)
・「MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影/ダムタイプ|アクション+リフレクション/ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」 東京都現代美術館(~2020/2/16)
・「たば塩コレクションに見る ポスター黄金時代」 たばこと塩の博物館(12/14~2020/2/16)
・「ミイラ~永遠の命を求めて」 国立科学博物館(11/2~2020/2/24)
・「青木野枝 霧と鉄と山と」 府中市美術館(12/14~2020/3/1)
・「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」 21_21 DESIGN SIGHT(~2020/3/8)
・「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」 国立新美術館(12/4~2020/3/16)
・「フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると」 ワタリウム美術館(~2020/3/22)
・「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命―人は明日どう生きるのか」 森美術館(~2020/3/29)
ギャラリー
・「O JUN展 途中の造物」 ミヅマアートギャラリー(~12/14)
・「167人のクリエイターと京都の職人がつくる ふろしき百花店」 クリエイションギャラリーG8(~12/21)
・「栗山斉展」 アートフロントギャラリー(12/6~12/22)
・「勅使河原 蒼風」 タカ・イシイギャラリー東京(~12/27)
・「みえないかかわり イズマイル・バリー展」 メゾンエルメス8階フォーラム(~2020/1/13)
・「動きの中の思索―カール・ゲルストナー」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(~2020/1/18)
・「αMプロジェクト2019 東京計画2019 vol.5 中島晴矢」 ギャラリーαM(~2020/1/18)
・「ソピアップ・ピッチ RECLAIM」 小山登美夫ギャラリー(12/20~2020/1/25)
・「ものいう仕口―白山麓で集めた民家のかけら」 LIXILギャラリー(12/5~2020/2/22)
まずは西洋美術です。国立新美術館にて「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」が始まります。

「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」@国立新美術館(12/4~2020/3/16)
これは日本とハンガリーの外交関係開設150周年を記念して開催されるもので、ハンガリーのブダペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーのコレクションが約130点ほどやって来ます。なお両コレクションが日本でまとまって公開されるのは、約25年ぶりのことになります。
【#ブダペスト展】開幕まであと2日 本展告知のメインビジュアルで紹介している作品は、ハンガリー近代絵画を代表する巨匠シニェイ・メルシェ・パールの《紫のドレスの婦人》です。ハンガリーで最も広く愛されている名画です。会場でぜひご覧ください!https://t.co/0TdHOpgv8D
— 日経文化事業部 (@artnikkei) December 2, 2019
ルネサンスから20世紀美術の西洋美術はもとより、日本で紹介されることの少ないハンガリーの近代絵画にも注目が集まるのではないでしょうか。まだ見知らぬ意外なハンガリーの名品に出会える機会となるやもしれません。
意外にもサラ・ベルナールに着目した展覧会としては日本で初めての開催となります。渋谷区立松濤美術館にて「パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」がスタートします。

「パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」@渋谷区立松濤美術館(12/7~2020/1/31)
フランスのベル・エポック期を代表する女優、サラ・ベルナールは、女優として活躍しただけでなく、ミュシャやラリックと交流して庇護した他、劇団を立ち上げるなどして幅広く活動しました。
【開幕まであと少し!】 12月7日(土)から、「パリ世紀末に咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」が始まります!フランス出身の大女優であり劇場主、アーティストでありパトロンと、多彩な活躍をしたサラの人生を辿ります。彼女が活動を庇護したミュシャやラリックの作品は必見です! pic.twitter.com/LhgR7lvPbp
— 渋谷区立松濤美術館【公式】 (@shoto_museum) November 30, 2019
そのサラ・ベルナールに関した作品を紹介するのが今回の展覧会で、絵画、彫刻、舞台衣装、装飾品、あるいはポスターなどが一堂に公開されます。それこそロートレックやミュシャ作品のモチーフとして見ることの多いサラ・ベルナールですが、彼女自身の人生なり活動に着目した展覧会だけに、知られざる意外な側面も浮かび上がってくるかもしれません。
ラストは現代美術です。関東では約20年ぶりの美術館での個展です。府中市美術館にて「青木野枝 霧と鉄と山と」が開催されます。
「青木野枝 霧と鉄と山と」@府中市美術館(12/14~2020/3/1)
1958年に東京で生まれ、主に鉄を素材にした彫刻家、青木野枝は、ガラスや石膏なども用い、空間全体を取り込むような作品を多様に手掛けてきました。

青木野枝「空玉/紀尾井町」 2016年 *東京ガーデンテラス紀尾井町にて
今回の個展では、美術館の空間にあわせた新作をはじめ、最初期の彫刻など、青木の新旧の作品を紹介する内容となるそうです。これまでにも青木の作品は、美術館での常設展示や現代美術のグループ展などで目にすることは少なくありませんでしたが、必ずしも網羅的に見る機会は多いとは言えませんでした。まさにファン待望の個展となりそうです。
最後に来年の芸術祭の情報です。「ヨコハマトリエンナーレ2020」と「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020」の企画概要が発表されました。
「房総里山芸術祭 いちはら×アートミックス2020」開催決定✨2020年3月20日から5月17日までの59日間、千葉県市原市で開催します🎨#Instagram、#Facebookでは最新情報や市原市の素敵な風景をお届け中📷Instagram📷 https://t.co/ndgI82PHTGFacebook📝 https://t.co/w9gAY9irM7#市原市 #芸術祭 pic.twitter.com/NPyV4J5zs7
— いちはらアート×ミックス (@IchiharaArtMix) May 24, 2019
「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020」
会期:2020年3月20日(祝・金)~5月17日(日)
開催エリア:小湊鉄道を軸とした周辺エリア
【ヨコハマトリエンナーレ2020「Afterglow-光の破片をつかまえる」】2020年7月3日に開幕するヨコトリ2020のタイトルを発表しました。特設サイトはこちらに公開→ https://t.co/ckyWOn26yr #ヨコトリ #yokotori #YT2020 pic.twitter.com/CZ41vzSbTo
— 横浜トリエンナーレ (@yokotori_) November 29, 2019
「ヨコハマトリエンナーレ2020 Afterglow―光の破片をつかまえる」
会期:2020年7月3日(金) ~10月11日(日)
会場:横浜美術館、プロット48
アートミックスはGWを挟んでの春の開催、ヨコハマトリエンナーレ7月以降、秋にかけての開催です。ともに楽しみな芸術祭だけに、今後の情報もチェックしていきたいと思います。
それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
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