2020年6月に見たい展覧会【奇才―江戸絵画の冒険者たち/ショパン/ロンドン・ナショナル・ギャラリー】

実に2月以来の「予定と振りかえり」の更新です。下記リンク先にまとめましたが、緊急事態宣言解除に伴い、展示を再開する美術館が増えてきました。6月に気になる展覧会をリストアップしてみました。

新型コロナウイルスへの対応に伴う「美術館・博物館」休館情報 第八報(はろるど)

展覧会

・「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」 江戸東京博物館(6/2~6/21)
・「画家が見たこども展」 三菱一号館美術館(6/9~6/21)
・「ドローイングの可能性」 東京都現代美術館(6/2~6/21)
・「ルオーと日本展響き合う芸術と魂」 パナソニック汐留ミュージアム(6/5~6/23)
・「神田日勝 大地への筆触」 東京ステーションギャラリー(6/2~6/28)
・「ショパン-200年の肖像」 練馬区立美術館(6/2~6/28)
・「超写実絵画の襲来 ホキ美術館所蔵」 Bunkamura ザ・ミュージアム(6/11~6/29)
・「写真とファッション」 東京都写真美術館(6/2~7/19)
・「雲巻雲舒―現代中国美術展・紙」 市原湖畔美術館(5/28~7/26)
・「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」 国立新美術館(6/24~8/24)
・「第9回新鋭作家展 ざらざらの実話」 川口市立アートギャラリー・アトリア(6/9~8/30)
・「写真と映像の物質性」 埼玉県立近代美術館(6/2~9/6)
・「洋風画と泥絵 異国文化から生れた『工芸的絵画』」 日本民藝館(6/9~9/6)
・「真珠-海からの贈りもの」 渋谷区立松濤美術館(6/2~9/22)
・「森山大道の東京 ongoing」 東京都写真美術館(6/2~9/22)
・「東京モダン生活 東京都コレクションにみる1930年代」 東京都庭園美術館(6/1~9/27)
・「MOTコレクション いまーかつて 複数のパースペクティブ」 東京都現代美術館(6/2~9/27)
・「オラファー・エリアソン展/もつれるものたち」 東京都現代美術館(6/9~9/27)
・「ピーター・ドイグ展」 東京国立近代美術館(6/12~10/11)
・「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」 国立西洋美術館(6/18〜10/18)
・「鴻池朋子 ちゅうがえり/Cosmo-Eggs | 宇宙の卵/新収蔵作品特別展示:パウル・クレー」 アーティゾン美術館(6/23〜10/25)

ギャラリー

・「マギーズセンターの建築と庭―本来の自分を取り戻す居場所」 ギャラリーエークワッド(6/2〜6/25)
・「東京 TOKYO / MIKA NINAGAWA」 PARCO MUSEUM TOKYO(6/12〜6/29)
・「絵の旅 vol.5 深く沈み、軽やかに浮かぶ 伊庭靖子・岡﨑乾二郎・関根直子・東城信之介」 MA2Gallery(6/6〜6/27)
・「師岡清高写真展:刻の表出」 キヤノンギャラリーS(6/15~7/25)
・「PICNIC×KOGEI展 produced by SERENDOUCE CRAFTS」 ポーラミュージアム アネックス(6/26〜7/5)
・「幻想の銀河 山本 基×土屋仁応」 ザ・ギンザスペース(6/2~8/2)
・「コズミック・ガーデン サンドラ・シント展」 メゾンエルメス(6/4~7/31)

今月はいずれも開幕が大きく延期された3つの展覧会に注目したいと思います。まずは江戸絵画です。江戸東京博物館にて「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」が行われています。



「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」@江戸東京博物館(6/2~6/21)

これは江戸時代、北海道から九州にまで活動した35人の絵師を紹介するもので、若冲、蘆雪、蕭白、国芳といった「奇才」の絵師のみならず、主流派とされてきた琳派の宗達や光琳、応挙ら作品も合わせて展示されます。


私として特に楽しみなのは、高知の出身で、歌舞伎芝居の絵看板で有名な絵金の屏風がやって来ることで、実に同県外としては約10年ぶりの公開となります。

本来、4月25日にスタートするはずでしたが、6月まで開幕がずれ込み、山口や大阪への巡回の関係もあるのか、会期は延長されません。よって残念ながら展示されない作品(出品リスト)も少なくなく、6月21日までのタイトなスケジュールになりましたが、早めに出かけたいと思います。

続いては音楽家の展覧会です。「ショパン-200年の肖像」が練馬区立美術館にてスタートします。



「ショパン-200年の肖像」@練馬区立美術館(6/2~6/28)


ポーランド出身で、ピアノの詩人とも呼ばれるフレデリック・ショパンの音楽は、母国のみならず、世界中の多くの人々に愛されてきました。そのショパンに関する楽譜、手紙の他、美術作品など、約250点の資料を公開するのが本展で、日本でのショパン受容などについても探っていきます。ショパンの優美でかつ時に熱の入った音楽は、クラシックファン以外にもよく知られているのではないでしょうか。

ついに開幕日が決まりました。イギリスの誇る西洋絵画のコレクションを、初めて大規模に国外で公開する「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」が、国立西洋美術館にて開催されます。



「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」@国立西洋美術館(6/18〜10/18)

当初、3月3日のスタートを目指して準備が行われ、既に設営が終了しましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、約3ヶ月間以上もの間、来場者を迎えられない状態が続いていました。

延期後の開幕日は6月18日です。但し6月18日から6月21日の間は「前売券・招待券限定入場期間」とし、前売券と招待券を持っている方のみ入場することが出来ます。

これからチケットを購入する場合の入場期間は6月23日から10月18日までです。チケットは全て日時指定の事前予約制で、スマチケやイープラス、ファミリーマート店頭のFamiポートなどでの販売となり、国立西洋美術館の窓口では一切取り扱われません。なお前売券と招待券を持っている場合は、同期間中においても、当日入場分の整理券が配布されることがあります。とは言え、枚数に限りがあるため、入場出来ない可能性も予想されるため、事前予約の方が良いかもしれません。


入場時間枠は9時半から17時までの15回に分かれていて、さらに金曜と土曜には夜間開館時の5回の枠が加わります。各回ごとの入れ替え制ではありませんが、鑑賞者数を一定に保つ観点から、1時間以内を目処に鑑賞するよう求められています。こうした状況下だけにやむを得ませんが、チケットの販売や入場方法は相当にイレギュラーです。詳しくは同展公式サイトをご覧ください。

コロナ禍において依然として先が見通せませんが、しばらくは各館のガイドラインに準じつつ、感染症対策に努めながら、近場の展示を回るつもりです。それでは今月もどうぞよろしくお願いします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )