◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「女もするなり混浴を」って?

2009-01-11 11:59:49 | 気になる言葉、具体例
                    はい、コロッケじゃないけど
 YOMIURI ONLINEに掲載された記事のタイトル、「女もするなり混浴を…『見ればまいね、見せればまいね』でね」というのが気になる、変じゃないか、と教えてもらいました。ん~、本当だ、どこかで聞いたようなフレーズだけど何か変だなぁ、するなり? 何かあったよね、こういうの、すなる、するなり、というわけで、ちょっと調べてみました。
 「まいね」は、駄目だね、~してはいけない、という意味の青森の方言で、「見ればまいね、見せればまいね」で「見てはいけません、見せてはいけません」という意味になるようです。どうやら、互いにマナーを守りましょうと言いたいらしいのですが、「見れば」「見せれば」がどうもピンと来ません。「見たらまいね」「見せたらまいね」あるいは「見てはまいね」「見せてはまいね」なら分かるのですが・・・、方言というのは不思議なものですね。金沢弁なら「見たらだっちゃん、見したらだっちゃんてぇえぇ」かなぁ、分かりやすいでしょ(⌒・⌒)。
 「女もするなり混浴を」は、「女も混浴をするなり」もしくは「女もするなり、混浴を」ならいいのですが、もっといえば、普通は、「混浴を」と続くなら「すなる」です。コロ助(アニメ『キテレツ大百科』に出てくるキャラクター)でも「女もするなり混浴を」とは言いませんよ。でも、「女もすなる混浴を」は、あれを知っている人は分かる、知らない人は分からない、ということになるでしょうね。ほら、あれですよ、あれ。
 「すなる するなり」で検索していたら出てきましたよ、あ、これだ、これ、これ、紀貫之の『土佐日記』の書き出し、「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり」ですよ。「女もするなり混浴を」を書いた人はこれを意識したのでしょうか。もしそうだとしたら、大新聞の記事にしてはちょっとお粗末ですね、しかもタイトルですから、ちゃんと「女もすなる混浴を」と書かないといけません。あるいは、コロ助のほうだとしても「女も混浴をするなりぃ~」ですよ(⌒ー⌒)ニシシ。
 定型の言い回しを応用するときは気をつけないといけませんね。そういえば、「これから恐るべし存在になる」とか、「金メダリストが来るや来るやの大盛況」とか、「押しも押されぬ会社」とか、いろいろ聞こえてきます。「これから恐るべき存在になる」「金メダリストが来るわ来るわの大盛況」、三つめは・・・次回(⌒・⌒)/。
コメント
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