◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「結構間違いが多い方だったので」って?

2011-09-04 09:19:46 | 言葉についてあれこれ
                                   置きました

 「ぴーかんテレビ」検証報告書はもうご覧になりましたか? 感想を一言で言うと・・・( ̄д ̄)!です。検証番組も見ましたが、なんか変だなぁ~と思いました。なぜかというと、例の不適切なテロップを作成したテロップ制作者と、それを放送画面に出したタイムキーパー、そして、このテロップの存在を知っていたのに、だれにも報告せず、結果的に放置したアシスタントプロデューサー、この3人が一言も謝罪していないのです。
 この事件で最初に謝ったのは司会者の福島アナですが、顔面蒼白といった感じで謝っているのを見たときは、裏方の過ちを表で謝るのはアナウンサーだから気の毒だなぁと思いました。でも、検証番組の中で、不適切なテロップが目に入ったけれどオンエアだとは思わなかったと言っていましたから、この人もたるんでいたと言うしかありません。ほかにも気づいた人はいましたが、やはりオンエアだとは思わなかったそうです。
 リハーサル用のダミーなのだからと気軽にこういうものを作成したテロップ制作者、この人は懲戒解雇になったようです。一方、ひどい内容であることを知っていたのに、実際に放送されるものではないのだからとそれを画面に出す操作をしてしまったタイムキーパー、この人の処分は? 分かりません。テロップ制作者と同じぐらい罪が重いと思うのですがね。
 テロップ制作者とタイムキーパーに対するヒアリングの場面はありましたが、顔も名前も出ていません。アシスタントプロデューサーに至っては、よほど貴重な人材なのでしょうか、出てきませんでした。この辺に放送業界の抱える深刻な問題が見えるような気がしますけれど・・・(ーー;)。
 さて、ここから本題です (~_~;ゞ ヤットダヨ。検証報告書にはアシスタントプロデューサーの証言が載っていました。それが、今日のタイトルの「結構間違いが多い方だったので」です。テロップ制作者のことを言っているのですが、まず、これをどう読むか。おおいほう? それとも、おおいかた?
 仕事が遅い、スキルに難がある、要請に即応できない、周囲の人はみんなこう思っていたようで、アシスタントプロデューサーはテロップ制作者をびびらすぐらいに怒ったようですから、比較的多いというより、もういいかげんにしてよっ、と思っていたわけですよ。よって、「おおいほう」ではなく「おおいかた」です。このように、「方」は「ほう」とも「かた」とも読めて紛らわしいので、表記辞典では「大きいほうがいい」「あちらのかた」と平仮名で書くことになっています。
 それで、「間違いが多いかた」ですが、いいかげんにしてよっと思うぐらいの・・・事件後は全国の人がふざけるなっと思っている、そんな人を「かた」とは・・・なぜ? ヒアリングでも、質問者がテロップ制作者に対して「かた」と言いましたから、昨今の「かた」大安売りはここまで来ているわけですが、放送業界の「言葉」の扱い方は本当にゆがんでいます。
 「当事者意識とコミュニケーション不足」という文も載っていたのですが、どういうことか想像してみてください。普通に読めば、当事者意識ということ、そして、コミュニケーション不足ということ、ですよね。ところが、内容を読み、さらに検証番組も見て、ここは「当事者意識の欠如とコミュニケーション不足」と書かなければいけないところだったのだなと分かりました。ほかにも突っ込みどころ満載なのですが、検証報告書をチェックする人はいなかったのですかね?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする