皆さんもほにゃららになってください
「コクリコ坂から」を見た翌日、能登へドライブ、ある場所で「皆さんにも、ゆったりした気持ちになってくださればと思っています」という一般人の文章を目にしました。アナウンサーでさえ「たくさんのかたが来ていただきまして」などと言うこのごろですから、というより、そもそもアナウンサーがスーパースプレッダーなのですが、行為の主体ということが全く意識されなくなってしまったようです。
「お会いしていただけない」の主体はというと、幾らお願いしても、とても忙しい人だから僕ら学生なんかに会ってはもらえないだろう、ということは、自分です。自分が主体です。でも、「会う」という行為そのものは、僕らが相手(偉い人)に会うのではなく、僕らの求めに応じて、相手(偉い人)が時間を割いて僕らに会うのです。「会う」が入る敬語表現をちゃんとできない人はこの点を理解していないのではないでしょうか。
例えば「お客様に買っていただく」で考えると、買うのはお客様、買っていただくのは店員、これは分かりやすいですから、「お客様にお買いいただく」「お客様にお買い求めいただく」と言えますよね。「買っていただく」を「会っていただく」に置き換えたら、「お会いしていただく」なんてありえないということが分かるでしょ?!
「△△部長が○○検事にお会いしたいそうです」は、△△部長の地位が上であることを完全に忘れています。「会いたい」と言っているのは△△部長なのですよ。「お会いしたい」は目下の人が目上の人に会いたいというときの表現ですから使えませんよね。あるいは、実際の地位はさておき、本人が「お会いしたい」と言ったのだとしても、謙遜して言っているのを他人が「お会いしたいそうです」なんて言いません。
大好きなドラマ「相棒」でも、容疑者に右京さんが「殺された柴先生とお会いしたことは?」と質問する場面がありました。右京さんは紳士ですから、だれに対しても非常に丁寧な言葉遣いで質問します。脚本家は気をつけてセリフを書いているのでしょうね。それでもたまにつまらない誤りがあり、日本語力という点で評価すれば「並」です。お願いだから、右京さんにこんなセリフを言わせないでください。正しくは「殺された柴先生とお会いになったことは?」ですよ。
「皆さんにも、ゆったりした気持ちになってくださればと思っています」はどこがどうおかしいでしょうか。ゆったりした気持ちになってくれるのは「皆さん」です。これが「ゆったりした気持ちになっていただく」なら自分が主体で、「皆さんにも、ゆったりした気持ちになっていただければと思っています」となりますが、「なってくれる」ですから、「皆さんも、ゆったりした気持ちになってくださればと思っています」です。
「たくさんのかたが来ていただきまして」などと言うアナウンサーはアナウンサー失格ですよ。「大勢のかた」が主体なら「大勢のかたが来てくださいまして」ですし、「自分」が主体なら「大勢のかたに来ていただきまして」です。こんな簡単なことも分かっていないのに、自分はアナウンサーだなんて言わないでいただきたい。
そうそう、能登へドライブしたのですよ。穴水駅で「ぶらり能登2011ガイドブック」を手に入れ、別所岳SAの展望台と志賀町(しかまち)のフローリィに寄り、志賀町福野の喫茶店でコーヒーを飲んで帰りました。そんなことを言いそうには見えない、よく日焼けしたおばちゃんという感じのママが「豆の味を出すために14時間かけて出している」と言う水出しコーヒーです。強焙煎の豆でいれるものとは違う、とてもおいしいアイスコーヒー、ごちそうさまぁ(⌒・⌒)。
次回に続く。
「コクリコ坂から」を見た翌日、能登へドライブ、ある場所で「皆さんにも、ゆったりした気持ちになってくださればと思っています」という一般人の文章を目にしました。アナウンサーでさえ「たくさんのかたが来ていただきまして」などと言うこのごろですから、というより、そもそもアナウンサーがスーパースプレッダーなのですが、行為の主体ということが全く意識されなくなってしまったようです。
「お会いしていただけない」の主体はというと、幾らお願いしても、とても忙しい人だから僕ら学生なんかに会ってはもらえないだろう、ということは、自分です。自分が主体です。でも、「会う」という行為そのものは、僕らが相手(偉い人)に会うのではなく、僕らの求めに応じて、相手(偉い人)が時間を割いて僕らに会うのです。「会う」が入る敬語表現をちゃんとできない人はこの点を理解していないのではないでしょうか。
例えば「お客様に買っていただく」で考えると、買うのはお客様、買っていただくのは店員、これは分かりやすいですから、「お客様にお買いいただく」「お客様にお買い求めいただく」と言えますよね。「買っていただく」を「会っていただく」に置き換えたら、「お会いしていただく」なんてありえないということが分かるでしょ?!
「△△部長が○○検事にお会いしたいそうです」は、△△部長の地位が上であることを完全に忘れています。「会いたい」と言っているのは△△部長なのですよ。「お会いしたい」は目下の人が目上の人に会いたいというときの表現ですから使えませんよね。あるいは、実際の地位はさておき、本人が「お会いしたい」と言ったのだとしても、謙遜して言っているのを他人が「お会いしたいそうです」なんて言いません。
大好きなドラマ「相棒」でも、容疑者に右京さんが「殺された柴先生とお会いしたことは?」と質問する場面がありました。右京さんは紳士ですから、だれに対しても非常に丁寧な言葉遣いで質問します。脚本家は気をつけてセリフを書いているのでしょうね。それでもたまにつまらない誤りがあり、日本語力という点で評価すれば「並」です。お願いだから、右京さんにこんなセリフを言わせないでください。正しくは「殺された柴先生とお会いになったことは?」ですよ。
「皆さんにも、ゆったりした気持ちになってくださればと思っています」はどこがどうおかしいでしょうか。ゆったりした気持ちになってくれるのは「皆さん」です。これが「ゆったりした気持ちになっていただく」なら自分が主体で、「皆さんにも、ゆったりした気持ちになっていただければと思っています」となりますが、「なってくれる」ですから、「皆さんも、ゆったりした気持ちになってくださればと思っています」です。
「たくさんのかたが来ていただきまして」などと言うアナウンサーはアナウンサー失格ですよ。「大勢のかた」が主体なら「大勢のかたが来てくださいまして」ですし、「自分」が主体なら「大勢のかたに来ていただきまして」です。こんな簡単なことも分かっていないのに、自分はアナウンサーだなんて言わないでいただきたい。
そうそう、能登へドライブしたのですよ。穴水駅で「ぶらり能登2011ガイドブック」を手に入れ、別所岳SAの展望台と志賀町(しかまち)のフローリィに寄り、志賀町福野の喫茶店でコーヒーを飲んで帰りました。そんなことを言いそうには見えない、よく日焼けしたおばちゃんという感じのママが「豆の味を出すために14時間かけて出している」と言う水出しコーヒーです。強焙煎の豆でいれるものとは違う、とてもおいしいアイスコーヒー、ごちそうさまぁ(⌒・⌒)。
次回に続く。