半分消えた
「1年でおよそ5センチずつ崩れているというチヴィタ・ディ・バニョレージョ、皆さん、村が消えゆく前に一度訪れてみてはいかがですか」と言ったのは「世界の何だコレ!?ミステリー」の立木文彦ナレーター。断崖絶壁の村、チヴィタ・ディ・バニョレージョ、川による浸食や地震の影響で徐々に崩れていき、その面積は、村ができたときに比べて3分の1くらいにまで小さくなり、現在の住民は10人ほど。やがて消滅するのですが、観光地として有名になっているようです。
さて、「村が消えゆく前に」の何が問題なのか、分かりますか? 「消えゆく」は現在進行形ですから、「消えゆく前に」は成立しません。村が消滅する前に、もっといえば、観光地として訪れることが可能なうちに、ということですが、単純に「村が消える前に一度訪れてみてはいかがですか」でいいのです。どうしても「消えゆく」というドラマチックな言い方をしたかった?
ナレーションの原稿を書く人たちが重視しているのはインパクトで、可能な限り大げさに書こうとしていますよね。「日本の水で洗って国産を装う偽装工作まで図っていた」「C社が会社ぐるみで計画、A社、B社とともに偽装したことが発覚した」は「世にも不思議なランキング」のナレーションです。
「図っていた」は、そのほうが雰囲気が出ると思っているのでしょうけれど、「していた」でいいですよ。内部告発により、ある食品の産地偽装に気づいた食品Gメンが偽装のからくりを調べていくのですが、最初にA社の不正が発覚し、そこからB社、さらにそこからC社という黒幕にたどり着く、そういう過程をずっと見せてきて、最後に「発覚した」はないでしょ( ̄д ̄)! そこは「判明した」ですよ。
「専門家へ依頼すると」は「世界法廷ミステリー6」で聞いたナレーションですが、ナレーターも、すっかり慣れてしまって疑問など感じることはないのでしょう。「専門家に」なのに「専門家へ」と書く人、多いですよね、むしろ、最近はみんな「に」ではなく「へ」と書くようですが、すごくおかしいですよ。
「に」と「へ」のニュアンスは違いますから、区別しなければいけません。なのに、何でもかんでも「へ」って、そんなにおおげさに言いたい? 「に」でないと意味がおかしくなるのに、こんなに「へ」ばかりになって、「へ」の本来の意味を伝えたいときはどうするのでしょうか。「いちばん最初」「いちばん最後」も、いつもそう言っていたら、本当に「いちばん最初」「いちばん最後」と強調したいときはどうするのでしょうか。
「○さんが車を降りる様子は見て取れない」は「報ステ」で聞いたナレーション。「見られない」と言えばいいのに「見て取れない」を連発、そんなに「見て取れない」と言いたいのか? 「人々は足止めを余儀なくされた」も、「足止めされた」が正しいのですが、「余儀なくされる」という大げさな言い方をしたくてたまらないのでしょう。それならそれで「人々はそこにとどまることを余儀なくされた」と言えばいいのですが、そんな日本語力はないようで。
ところで、女優の○○の会見について「少しやつれた表情で現れた○○は、冒頭で『このたびは、申し訳ありませんでした』と深々と頭を下げた」と書いてある記事(msnニュース 時事通信社)を見たのですが、実際は「このたびは、お忙しい時間を頂きまして、大変申し訳ありません。併せまして、遠方から来られている皆様にも重ねてお詫び申し上げたいと思います」と言っていて、全く異なります。
珍しく「申し訳ありませんでした」ではなく「申し訳ありません」と言ったなぁと思ったのですが、記事はなぜか「申し訳ありませんでした」で、過去形! 何も終わっていないのに、皆さんお得意の過去形。しかも、事件のことを謝っているのではなく、会見のために集まった人たちに対して、皆さん忙しいのにわざわざすみませんと言っているだけですから、何ともいいかげんな記事ですよ。
それと、ファミマの冷やし中華のCMを見て何か気づきませんか? サラリーマン風の男性が冷やし中華を食べているのですが、箸の持ち方がすごく変なのですよ。あれでよく箸を持っていられるなぁと不思議でたまりませんが、一体なぜ、ちゃんと箸を持てない人がCMで堂々と麺をすすっているのか・・・、もしかして、ファミマの経営陣も箸をちゃんと持てない人ばっかりなのかな? だから気にならないのかな?
「1年でおよそ5センチずつ崩れているというチヴィタ・ディ・バニョレージョ、皆さん、村が消えゆく前に一度訪れてみてはいかがですか」と言ったのは「世界の何だコレ!?ミステリー」の立木文彦ナレーター。断崖絶壁の村、チヴィタ・ディ・バニョレージョ、川による浸食や地震の影響で徐々に崩れていき、その面積は、村ができたときに比べて3分の1くらいにまで小さくなり、現在の住民は10人ほど。やがて消滅するのですが、観光地として有名になっているようです。
さて、「村が消えゆく前に」の何が問題なのか、分かりますか? 「消えゆく」は現在進行形ですから、「消えゆく前に」は成立しません。村が消滅する前に、もっといえば、観光地として訪れることが可能なうちに、ということですが、単純に「村が消える前に一度訪れてみてはいかがですか」でいいのです。どうしても「消えゆく」というドラマチックな言い方をしたかった?
ナレーションの原稿を書く人たちが重視しているのはインパクトで、可能な限り大げさに書こうとしていますよね。「日本の水で洗って国産を装う偽装工作まで図っていた」「C社が会社ぐるみで計画、A社、B社とともに偽装したことが発覚した」は「世にも不思議なランキング」のナレーションです。
「図っていた」は、そのほうが雰囲気が出ると思っているのでしょうけれど、「していた」でいいですよ。内部告発により、ある食品の産地偽装に気づいた食品Gメンが偽装のからくりを調べていくのですが、最初にA社の不正が発覚し、そこからB社、さらにそこからC社という黒幕にたどり着く、そういう過程をずっと見せてきて、最後に「発覚した」はないでしょ( ̄д ̄)! そこは「判明した」ですよ。
「専門家へ依頼すると」は「世界法廷ミステリー6」で聞いたナレーションですが、ナレーターも、すっかり慣れてしまって疑問など感じることはないのでしょう。「専門家に」なのに「専門家へ」と書く人、多いですよね、むしろ、最近はみんな「に」ではなく「へ」と書くようですが、すごくおかしいですよ。
「に」と「へ」のニュアンスは違いますから、区別しなければいけません。なのに、何でもかんでも「へ」って、そんなにおおげさに言いたい? 「に」でないと意味がおかしくなるのに、こんなに「へ」ばかりになって、「へ」の本来の意味を伝えたいときはどうするのでしょうか。「いちばん最初」「いちばん最後」も、いつもそう言っていたら、本当に「いちばん最初」「いちばん最後」と強調したいときはどうするのでしょうか。
「○さんが車を降りる様子は見て取れない」は「報ステ」で聞いたナレーション。「見られない」と言えばいいのに「見て取れない」を連発、そんなに「見て取れない」と言いたいのか? 「人々は足止めを余儀なくされた」も、「足止めされた」が正しいのですが、「余儀なくされる」という大げさな言い方をしたくてたまらないのでしょう。それならそれで「人々はそこにとどまることを余儀なくされた」と言えばいいのですが、そんな日本語力はないようで。
ところで、女優の○○の会見について「少しやつれた表情で現れた○○は、冒頭で『このたびは、申し訳ありませんでした』と深々と頭を下げた」と書いてある記事(msnニュース 時事通信社)を見たのですが、実際は「このたびは、お忙しい時間を頂きまして、大変申し訳ありません。併せまして、遠方から来られている皆様にも重ねてお詫び申し上げたいと思います」と言っていて、全く異なります。
珍しく「申し訳ありませんでした」ではなく「申し訳ありません」と言ったなぁと思ったのですが、記事はなぜか「申し訳ありませんでした」で、過去形! 何も終わっていないのに、皆さんお得意の過去形。しかも、事件のことを謝っているのではなく、会見のために集まった人たちに対して、皆さん忙しいのにわざわざすみませんと言っているだけですから、何ともいいかげんな記事ですよ。
それと、ファミマの冷やし中華のCMを見て何か気づきませんか? サラリーマン風の男性が冷やし中華を食べているのですが、箸の持ち方がすごく変なのですよ。あれでよく箸を持っていられるなぁと不思議でたまりませんが、一体なぜ、ちゃんと箸を持てない人がCMで堂々と麺をすすっているのか・・・、もしかして、ファミマの経営陣も箸をちゃんと持てない人ばっかりなのかな? だから気にならないのかな?