◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「いじめを止められず」をどう読むか。

2010-11-24 23:49:38 | 気になる言葉、具体例
                                  んまいのよね
 10月27日に「辞める」と「やめる(止める)」について書きましたが、今回は「やめる」と「止める」です。実は、「やめる」のつもりで「止める」と書く人が多いので「やめる(止める)」と書きましたが、「止める」を「やめる」と読むのは常用漢字の音訓外であり、「やめる」の表記は平仮名です。私は、「やめる」のときは「やめる」、「とめる」のときは「止める」と書いています。
 ただ、「とめる」には「止める」と「留める」があり、「けんかをとめる」は、辞書には「けんかを留める」、漢字使い分け辞典には「けんかを止める」と書いてあったりなんかして~(ーー;)、これだけで記事が書けるくらい改めて考えないといけないので、それはちょっとあっちに置いておいて、とりあえず「止める」で書きます。
 朝の報道バラエティ番組(日テレ)でいじめについてあれこれ話していたのですが、リポーターが示したフリップに「いじめを止められず大人になって後悔している人が」と書いてあったのです。話の流れから、「やめられず」と読むだろうと予想したのですが、リポーターは「とめられず」と読みました。
 「とめられず」ということは、その人はいじめに直接かかわっていたのではなく、傍観者であったという意味になります。でも、大人になってからとても苦しんでいるといった深刻な話で、それは加害者の心理ではないか、つまり、「とめられず」ではなく「やめられず」と言うべきだったのではないか、そう感じたのです。
 「やめられず」のつもりで「止められず」なんて書くから分からなくなるのですよ。ふだんから「やめる」は「やめる」、「とめる」は「止める」と表記していればはっきりするわけで、視聴者を悩ませることなんかないのです。放送業界で給料をもらっている人たちに、誤解を生じない的確な表現、分かりやすい日本語ということを一度真剣に考えてもらいたいものです。
 次回、28日は、朝ではなく夜に更新します。

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