◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「○○さんも詫びております」って?

2009-09-09 20:23:11 | ちゃんとしゃべれ!変な日本語
                               呼んでなぁい
 前回、「○○代表は国民に深くお詫びした」という例を挙げましたが、久しぶりに降りてきましたよ、ちゃんとしゃべれ!の神様が(⌒・⌒)。
 6日の朝、テレビをちらちらと見ながらパソコンに向かっていたら、「先ほど、不適切な表現がありました。○○さんも詫びております」というお詫びが聞こえてきました。しゃべっているのはフジテレビのSアナウンサー(役員待遇エグゼクティブアナウンサー)で、○○さんというのはゲスト出演している政治家です。
 おっ? 「お詫び」じゃなくて「詫びて」だよ、だよね、そう来なくっちゃぁ、と思ったのですが、その後がいけない、「おります」と続き、あ~やっぱりぃ~~~Sさんらしいなぁ~~~とがっくり。まぁ、Sアナウンサーは小倉さんほどひどくはないので、Sさんということにしておきましょうかね。
 以前、首相官邸の前から中継で・・・エグゼクティブアナウンサーなのに中継先にいるという、良く言えばフットワークの軽さ、悪く言えば重みのなさ、ま、いいですけど、「首相は官邸におります。これから出発いたします」なんて言っちゃうのですから( ̄д ̄)ダラケッ! 秘書でもないのに「おります」「いたします」ってどういうこと?
 「おります」の受け取り方は世代によっても異なるようですが、私は、「雨が降っております」なら丁寧語、「首相は官邸におります」なら謙譲語というふうに受け取ります。よって、首相と同じ立場でないなら「いらっしゃいます」もしくは「います」でしょう。そして、「いたします」も謙譲語ですから誤りで、「出発なさいます」もしくは「出発します」と言うべきです。でも、大方の人は「首相は官邸におられ、これから出発されます」かな? あ! こういう言い方をしないところがSさんらしいかも(⌒_⌒)。
 というわけで、「○○さんも詫びております」ではなく、「○○さんも詫びています」が妥当だと思うのですよ。不適切発言を詫びるのですから「いらっしゃいます」とは言いにくい、でも、Sさんはアナウンサー、○○さんはゲストなのですから、単純に「います」ということでどうですか?
 さて、「○○代表は国民に深くお詫びした」は、「お詫び」を「した」のではなく「お詫びした」ですから謙譲表現です。ナレーターという立場なら「○○代表は国民に深く詫びた」と言わなければなりません。「お詫びした」と言ったナレーターは、「お詫び」を「した」と言っているのと同じ感覚、つまり、「お出掛けした」のような感覚だったのかもしれませんね。かなり幼稚です( ̄ ̄)。

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