◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「おじいさんの無事を心配」って?

2011-01-16 09:27:15 | 気になる言葉、具体例
                                   無事ですよ
 先日、とても悲しいニュース映像を見ました。洪水で多くの建物が水没し、わずかに水面より上に出ている屋上に女性がいて、隣のビルから投げられたロープをつかんで濁流に飛び込んだのですが、実は、その女性、犬を抱いていたのです。そもそも左手に犬を抱いて右手だけでロープをつかんで、なんて無理だったのですが、当然のことながら、水中から引き上げられたときは両手でロープをつかんでいました。犬は・・・消えた・・・(TдT)・・・なのに、「女性は無事救出された」というナレーションが入り、ものすごく腹が立ちました。この状況でなぜ「無事」なんて言えるのでしょうか?
 「無事、おいしいと言ってくれました」というのが聞こえたときは、食事を出すということと「無事」がつながらなくてメモしたのですが、一体何を食べさせたんだ? だいぶ前から「無事」がおかしくなっています。「金属バットで殴られて意識不明の重体になったが、無事、一命を取り留め」とか、事故で大破した車から救出された人、見れば血だらけ、大けがをしているのに「今、無事に助け出されました!」とか、・・・おいおい・・・おかしくないですか?
 このごろは、「無事」と「ヘルシー」は本当だったためしがない。(ーー;) 「無事」とは、事なきを得る、変わったことはない、病気をしない、けがをしない、大きなミスがない、こういう意味ですが、無事じゃないのに「無事」と言う人たちは「無事」を何だと思っているのでしょうか。
 以前、「果たして乗客の無事は」というあほなナレーションについて書いたことがありますが、最近でも、「おじいさんの無事を心配していたおばあさん」という変な「無事」を耳にしましたよ。しかも、なんと、テロップも「おじいさんの無事を心配」でした。無事なら心配は要らないぞ、( ̄д ̄)ダラケッ! この場合、「無事」ではなく「安否(あんぴ)」ですが、知らないのでしょうかね、「安否」という言葉を、・・・プロなのに。

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