流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

中二病でも恋がしたい! 8話 を語る

2012-11-24 22:02:11 | <中二病でも恋がしたい!>




中二ワールド。
現実で受けた痛みは増幅され六花は吹き飛ばされ、
戻ろうとしていた家は破壊され消えていく。
六花の痛みをこのように表現して見せているのは、
それだけの痛みを抱えているんだというアピールと同時に、
中二病的な、自己中心的なナルシスティックな部分、
っていうのを掘り下げてもいるようで、
中二病である六花と悲しみに暮れる六花をイコールで繋ぐには少し無理があるように思う。
私はこんなに痛い思いをしているのに!
というメッセージを六花が発しているとは思えない。
六花はただ、失ったものを取り戻したいだけ。
それを中二病的な世界観で見せるのはミスリードなのかなという気がするけど、
六花が中二病的なかっこ良さの中に可能性を見出しているからこそ、
このような描写になっているのを考えると、
六花自身は中二病ではなく、中二病のもつ世界観の中に可能性を見出した、
ただの少女なのではないかと思えてくる。
六花は中二病ではなく、中二病の力を借りたい少女。
それが一番しっくりくるようなやり取りだったのではないかなと思った。





カエルちゃんと時間と駅と。
この流れで駅に行きましたと繋げるには個人的に無理があるように見えたかな。
影と光の切り取り方が京アニだと吉岡忍さんとか思い出す。
光が当たる駅のホームと線路の落差で光の当たる量を考えての構図だと思うけど、
なんかあまりにも綺麗にホームと線路を切り取るものだからちょっと違和感があるような。
しかし電車っていうのは思っていたより作品中では重要なポイントなのかな。
1話でもそうだし、6話とか今回も。
やっぱり逃避としての電車、とかになるのかねぇ。



目があった。
2人の距離感の縮まり方もはぐらかされるような中二病スタイル。
六花自身は無意識にやってるように見せてるのが気になる感じかなー。
最後に笑ってみせるからこそ、伝わるものがわかるシーンになってて、
そういう繋がり方がいいなと思えたシーンだったなと。

電車内で車体が揺れる度につり革動かすのはよくやるなと思ったけど、
窓に映り込んだつり革は動いてなかったしそもそもガタンゴトンと揺れてなかったね、
なんてツッコミはつまんなすぎるのでやめたい。

どうでもいいけど、
高校の時反対側で他校に進学した女子たちの会話を外を見る振りして見てたけど、
それに気づいた1人にさり気なく手を振られたのが妙に記憶に残っています。



鏡。
駅のホームでもそうだけど、
反射とか映り込み、光などで切り取るところを直線的にそのままやるから、
少し違和感のある構図になってるように思えた。





液晶が消える演出は最近よく見かけるようになってきたような。
なんかアニメ見ててTVに映り込んだ自分を見てウワーってなっちゃう感じを思い出すなー。
しかし勇太のメール文面、モリサマーさんに送ったものとは違っているので、
そこの意識の違いに目が行くような感じ。
姉ちゃんの憔悴したような表情とか髪に味があって良い画がきてるなーと思ったり。
姉ちゃんの描写は作品中で一番追いやすく演出されているような印象。

今回は鏡なんかを使った演出が目立ってて気になる感じ。
鏡はフルメタTSRのヤマカン回が傑作なんだけど、今後ああいうことができる方、
または別のものを提示してくれる方が出てくるか私、気になります。
鏡の関係 武本康弘さんと山本寛さんと を語る 



中二病でも恋がしたい! 5話 を語る
5話では勇太が六花を追いかける形で移動してきたけど、今度はその逆。
六花から見る勇太への視点を追いかけていくように後半シフトしていくので、
その導入とも思える反復と対比。



勇太のカッコイイポーズ。
前回モリサマーさんが水鉄砲構えるところ強調してたけど、
中二病でも恋がしたい! 7話 を語る
勇太のかっこ良さを追求する姿こそがあるべき姿という、
モリサマーさんとは違ったベクトルでの中二病の発露した姿っていうのを意識させれる感じ。
モリサマーさんは戦うかっこよさというよりは占いとか運命とか、
そういう女の子がハマりそうなものを深く追求してしまっただけという感じっぽいし。
だから水鉄砲の構えはダサく見えて正解みたいな対比の仕方なのかなというか。



個人的に8話で冴えてるなと思ったのはここ。
勇太がしゃがみ込むときにズボンの裾を上げてるのが凄いリアルだなーと。
女の子がスカートを押さえるように座るのと同じように、
男の子の芝居を見せようって感じが新しく見えて新鮮だった。
やっぱこういうのをやってこそ、ですよね。
ここはコンテからなのか作画からなのか気になるなー。



時計っていうのは時間経過の演出で度々京アニでも出てくるけど、
公園の時計がまたかっこ良さを出してて作品に寄ってていいなと思った。
やっぱりサブタイトルでエピソードをローマ数字で表してるからとかかな。



勇太を待つ六花。
スポットライト的な演出はこの話数で頻出するけど、
ここの六花の描き方は転換としてはいいバランスのところにあるのかなーと。
勇太を待つ時間を持て余す姿が、
電話の内容とリンクするように六花が勇太を意識して覚悟を決めているような、
そんな風に見える狭間があるようなミステリアスな感じが魅力的でいいなと。



勇太の匂い。
六花自身は自分の気持がよくわかってない、
モリサマーさんと昼寝先輩の間にいるような揺れ動きをしているという感じなのかな。
中二病は隠れ蓑でなくガチだけど、それ故に表現の仕方が、
自分の気持がわからなくなってる感じになってるのかなーみたいな。
電車の中でのやりとりのように理解している部分もあるけど、
まだ理解が進んでいない感情を持て余す感じっていうのがまた新鮮な感じ。
ただあまりにも六花に踏み込むような演出を取らないので、
なかなか心情を味わい辛い。
この辺はどういう意図なのかはまだ見えない感じ。



消失思い出す芝居だなぁ。
実に石原さんっぽい。
涼宮ハルヒの消失が恋愛を意識させない恋愛色の濃い話のように描かれていたけど、
自分自身はそこに違和感があったので、
この作品はそこをやってるのかなーという気がしないでもない。
恋愛色を強くするはずの作品なのに、恋愛色は決して高くない、みたいな。
人が人を求める描写っていうのが希薄だからかもしれないけど、
ここから急転直下になっていくのか、はたまた順調に恋していくのか気になるところです。

脚本:花田十輝
絵コンテ・演出:太田里香
作画監督:鴨居知世 西屋太志

太田回。
坂本さんが原画に入ってたけど、前回からの続きのシーンなんかやってたんだろか。
最後のベッドシーンなんかはやっぱ西屋さんが見てるのかな。
太田さんは堀口さんとやった氷菓の回とか気になるけど、まだ先っぽい。


2 コメント

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Unknown (shin)
2012-11-25 18:49:41
 以前、流星さんが凸守の中二病をごっこ遊びなのかなあと書いてましたが、今回、六花は姉の言うように現実逃避のように見え、これも中二病に入るのか入らないのか、と思ったり、様子見です。

 実は勇太と森夏だけが本当の中二病で今も引きずっている、と最終話の方でなるかと思ったのですが、流星さんによると森夏は中二病ではないかもとのことなので、様子見です。

 流星さんの「1人にさり気なく手を振られたのが妙に記憶に残っています」って、こういう甘酸っぱい青春、好きです。

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Unknown (流星の人)
2012-11-26 23:04:06
モリサマーさんは中二病バレの回でも色々炸裂させてたんで、
まだ中二発動はするんじゃないかなーと思います。
ただ勇太のモリサマーさんでは中二病的なところの目指す場所が違うのかなと。
モリサマーさんは銃をかっこ良く扱うようなタイプじゃないよね、という。
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