『クマのプーさん展』に行く。と言っても私がクマのプーさんの大ファンな訳ではないし、新聞販売店からもらった招待券も第一希望でもらった訳でもない。ただ、せっかく切符があるからと渋谷bunkamuraに行くと何と40分待ち、ただ他にすることもないし、ゆっくり待って入場。
私の前はなぜか20歳位の男性、それも革ジャン着て結構頑張っている人がじっと列が進むのを待っている。やはり、プーさんのファンは幅広く、かなり人気があるみたいである。もちろん、ほとんどが家族ずれかカップルではあったが。
クマのプーさんのプロフィールは作者の息子クリストファーロビンとそのぬいぐるみが主人公。そのため、本当のクマはでてこない。黄色いのはヌイグルミだからなのである。他に出てくるイーヨ、コブタ、カンガとルー、トラーもぬいぐるみなのである。話の始まりはまずは主人公が階段をクマのぬいぐるみを引っ張って降りてくるところから。
まさにお父さんがぬいぐるみと息子を主人公に色々な話をしてやるという設定の中でイギリスの田舎が舞台で起きる小さなできごとをまとめているのである。そして、絵はアッシュダウンの森を含む家の周囲を描いて、その中にぬいぐるみ達を置いている、すなわち、最近のインスタと同じ原理なのだ。
クマのプーさんは元々1924年の『クリストファーロビンのうた』を皮切りに『クマのプーさん』(1926年)、『クマのプーさんとぼく』(1927年)、『プー横丁にたった家』(1928年)が出版されていて、日本でも石井桃子さんの訳で戦前から子供達に愛されている。
どうも、ディズニーのプーさんばかりを知っていた私としては素朴で優しいプーさんの原画を見て、ほとんどシルエットだけの絵や首をわずかに折った表情から言いたいことを言ってしまう挿画の素晴らしさに感動することになった。ピーターラビットもそうだが、思わず引き込まれる魅力がどこにあるのかを見つけるだけでも楽しいものである。
クマのプーさんは是非読み返して見たいと思った。なお、プーさんのファンにはこたえられないグッズが多数揃っていて、ただ結構売り切れていた。私も当初はあまり興味はなかったが、プーさんのついた紅茶の詰め合わせとポストカードをもとめていたのである。