アジアカップは日本が連覇した。 今回はスポーツとしてだけでなく政治絡みでメディアでの露出度がかつて無く高く、サッカー好きの私も初めて全試合のTV中継を見た。 優勝した事もあるが予想以上に日本チームの強さを実感し満足した。 一方中国サッカーファンの度を越した日本チームへの反応の仕方に大変興味を覚えた。
1.日本サッカーの実力は上がったのか?
厳しいゲームを乗り越える過程でチームとしての一体感が出て強くなったと感じた。 従来、日本チームはスマートで洗練されたゲーム運びをするが、追い込まれ逆境になるとズルズルと後退し負けてしまう精神的に脆さがあると見られていたと思う。今回、リードされても落ち着きを失わず最後まで点を取り返す強い意思を感じ、結果を出した。 そうなるとファンとしては、これは本物か、一時の精神的な高揚がもたらした結果か、持続力のある強さか、と言うことが将来オールジャパンのへ大事な問いかけとなる。 これに対する私の分析は次のとおりである。
ジーコの自主性重視方針の浸透と川口の凄みのあるセービングが触媒となって化学変化が起こった。 大会前の練習期間を十分に取り、直前の欧州遠征で非常に良い結果を出した事が化学変化を起こしやすい環境を作ったと言える。 私はニュージャパンは新しい段階に入り、今後継続していく言わば新種に生まれ変わったと思う。 答えはイエス、実力は上がった。 かつて欧州の強いチームと戦ったとき個人技に優劣は感じないが、肝心なところでの集中力で大差がつく例を何度も見たが、もうそれ程か弱くはないという見る側にも変な安心感を与えるレベルになってきたと思う。 これは世界の頂点に立ったことのある男だからこそチームに植え付けることが出来た精神であると思う。 最近まで日本選手にはまだまだその領域に達していない、難しいと言われていたことである。
2.ニュージャパンの課題はないのか?
実際のところ山ほどある。 今後、所謂中田英等の欧州組や久保等傑出した個人技を持つプレーヤを含めたニュージャパンを機能させる作業がある。 化学変化が今回と同じく1ヶ月の共同合宿を必要とするなら非常に難しいだろう。 実際、最強のブラジルと言えどもワールドカップ予選は寄せ集めチームとしてやっと通過し、本大会の中で力をつけていくと言う例を見た。 日韓ワールドカップでブラジルは本大会の予選リーグすら化学変化途上だったと思う。 しかし、日本はそんな状態では実力的に本大会への出場権を得られないかも知れない。
予選を乗り切る為には、一方で、一人でゲームの流れを変えることができる傑出したプレイヤー、特にストライカーが必要である。 ワールドカップ予選前半では久保だった。 加えて、選手全体にセカンドボールが取れる強さを身に付けるよう望みたい。 今大会でも接触プレイの直前で日本選手は緩んだように見え中東のチームにボールを取られ、事態を打開できないシーンが何度もあった。 怪我を恐れての事で長い目で見るとそのほうが賢いと言う意見もあろうが。
もう一つの懸念は守りに入ったときの弱さがまだ残っていると言うことである。 これはまだ新種になりきれてない部分である。 今大会でもバーレーン戦で後半逆転後急にボールが回らなくなってしまった。 名手中村も急に狭い地域でボールを持ちすぎ追い詰められてボールを取られ再三ピンチを招いた。 受身になったときの彼はがっかりするほど弱い。 0対0ならチームとしても頑張るのにリードして守りに入ったときの弱さは何とかしなければならない、多分中田や小野がカバーする事になるのだろうと期待したい。
3.中東の変化と中国サッカー
今回、中東のサッカーが着実に変化しつつある事が明らかになった。 従来の個人技と速攻だけから、欧州人監督の指導でその特徴を生かしつつもシステマチックなゲームプランを持ち込み、特にスピードのあるサイド攻撃は見てて非常に脅威であった。 今までの日中韓の東アジア優勢の構図は崩れつつあると言うのが実感である。 中国のサッカーはフェアでオーソドックスなスタイルであり、現在は攻めの形がサイド攻撃に限られ決定力に欠けているが将来性を感じさせる。 個人的には、中国が強くなる時代はすぐ近くに着ており、それはバスケットボールのヤオミンのようなス-パスターの突然の出現から始まるのではないかと思う。 中国経済の発展によりスポーツ、特にサッカーへの投資額が今後急増しそれに比例してサッカーが強くなるだろう。 卓球やバドミントンでは手に入らない巨額の収入を求めて、短期間に裾野として世界最大のサッカー人口を持つ国になろう。 韓国のファンは今回残念だった思うがイランとの戦いは決して侮れない事を証明した。 失望する事は無い。
4.中国サッカーファン
会場内外での騒動はアジアカップのニュースをスポーツ欄から政治・社会面にまで広げサッカーに興味の無い人の耳目まで到達した。 結果的に世界中に醜態のニュースを広げ識者の眉をしかめさせ、北京オリンピックの成功に一抹の不安を持たせる事になった。 スポーツと政治を切り離して考えよとは言うものの歴史的にサッカーほど政治的な感情を引き起こさせるものは無い。 私は右寄りではないが、正直なところ、石原知事の言うようにその程度の民度だからしょうがない、共産党独裁の政治体制維持のために必然的に起こったことだと決め付けに同意する部分がある。 天安門事件後の愛国教育、特に94年からのその一環としての反日教育の必然的結果であると言うのは事実であろう。 一方で、日本からの3兆円にも昇るODA支援は全く触れてない事には政治的意図がある。 しかしそれだけでは片付けられない事があると思う。
知事の言うとおり中国と言うのはそんな国だと言えばそれまでだが、私は日本が第二次大戦をキチンと総括しなかったことが一因であると考える。 そこを曖昧にしたため毎回戦争責任を引き合いに出されるのを避けなければならず、必要以上に税金を使って支援を与え追及を斟酌してもらうように、日本外交は相手国の問題に対して曖昧で言うべきことを言わないスタイルを続けて来た。 人権問題など口が裂けても言えない。 戦時の当事者が政権内に残ればそういう道しか残されていなかったのだろうし、かといってイラク戦争でも明らかになったようにバース党全員追放など実際のところ不可能だった。 何れにしろこのアプローチは当座の取り繕いとしては効果があるだろうが長期的に日本の弱みの源泉でありいつも残念に思う事である。
ここまで背景を説明した後言わせてもらえば、この騒動の敗者は中国で一番損をしたのではないだろうか。 日本ファンはあの混乱の中で日中友好を唱え中国ファンに比べ中国風に言うと「大人」振りを発揮、サッカー優勝以上のものを得た。 結果として、中国政府はその限界を露呈したと言ってよい。 しかしWTO加盟し北京五輪を迎える中国には後戻りは出来ない。 12億以上の人口を抱える中国で今回騒動を起こした人の数など本の一握りであり冷静に対応すべきである。 中国の数の怖さは0.01%の跳ね返りと言っても十万人以上いることになるが、同じ比率で親日家を作ろうというのが建設的である。 同じ反日教育をした韓国とは若者が中心となって2002ワールドカップを上手くやることが出来たのだから中国と出来ない理由は無い。
1.日本サッカーの実力は上がったのか?
厳しいゲームを乗り越える過程でチームとしての一体感が出て強くなったと感じた。 従来、日本チームはスマートで洗練されたゲーム運びをするが、追い込まれ逆境になるとズルズルと後退し負けてしまう精神的に脆さがあると見られていたと思う。今回、リードされても落ち着きを失わず最後まで点を取り返す強い意思を感じ、結果を出した。 そうなるとファンとしては、これは本物か、一時の精神的な高揚がもたらした結果か、持続力のある強さか、と言うことが将来オールジャパンのへ大事な問いかけとなる。 これに対する私の分析は次のとおりである。
ジーコの自主性重視方針の浸透と川口の凄みのあるセービングが触媒となって化学変化が起こった。 大会前の練習期間を十分に取り、直前の欧州遠征で非常に良い結果を出した事が化学変化を起こしやすい環境を作ったと言える。 私はニュージャパンは新しい段階に入り、今後継続していく言わば新種に生まれ変わったと思う。 答えはイエス、実力は上がった。 かつて欧州の強いチームと戦ったとき個人技に優劣は感じないが、肝心なところでの集中力で大差がつく例を何度も見たが、もうそれ程か弱くはないという見る側にも変な安心感を与えるレベルになってきたと思う。 これは世界の頂点に立ったことのある男だからこそチームに植え付けることが出来た精神であると思う。 最近まで日本選手にはまだまだその領域に達していない、難しいと言われていたことである。
2.ニュージャパンの課題はないのか?
実際のところ山ほどある。 今後、所謂中田英等の欧州組や久保等傑出した個人技を持つプレーヤを含めたニュージャパンを機能させる作業がある。 化学変化が今回と同じく1ヶ月の共同合宿を必要とするなら非常に難しいだろう。 実際、最強のブラジルと言えどもワールドカップ予選は寄せ集めチームとしてやっと通過し、本大会の中で力をつけていくと言う例を見た。 日韓ワールドカップでブラジルは本大会の予選リーグすら化学変化途上だったと思う。 しかし、日本はそんな状態では実力的に本大会への出場権を得られないかも知れない。
予選を乗り切る為には、一方で、一人でゲームの流れを変えることができる傑出したプレイヤー、特にストライカーが必要である。 ワールドカップ予選前半では久保だった。 加えて、選手全体にセカンドボールが取れる強さを身に付けるよう望みたい。 今大会でも接触プレイの直前で日本選手は緩んだように見え中東のチームにボールを取られ、事態を打開できないシーンが何度もあった。 怪我を恐れての事で長い目で見るとそのほうが賢いと言う意見もあろうが。
もう一つの懸念は守りに入ったときの弱さがまだ残っていると言うことである。 これはまだ新種になりきれてない部分である。 今大会でもバーレーン戦で後半逆転後急にボールが回らなくなってしまった。 名手中村も急に狭い地域でボールを持ちすぎ追い詰められてボールを取られ再三ピンチを招いた。 受身になったときの彼はがっかりするほど弱い。 0対0ならチームとしても頑張るのにリードして守りに入ったときの弱さは何とかしなければならない、多分中田や小野がカバーする事になるのだろうと期待したい。
3.中東の変化と中国サッカー
今回、中東のサッカーが着実に変化しつつある事が明らかになった。 従来の個人技と速攻だけから、欧州人監督の指導でその特徴を生かしつつもシステマチックなゲームプランを持ち込み、特にスピードのあるサイド攻撃は見てて非常に脅威であった。 今までの日中韓の東アジア優勢の構図は崩れつつあると言うのが実感である。 中国のサッカーはフェアでオーソドックスなスタイルであり、現在は攻めの形がサイド攻撃に限られ決定力に欠けているが将来性を感じさせる。 個人的には、中国が強くなる時代はすぐ近くに着ており、それはバスケットボールのヤオミンのようなス-パスターの突然の出現から始まるのではないかと思う。 中国経済の発展によりスポーツ、特にサッカーへの投資額が今後急増しそれに比例してサッカーが強くなるだろう。 卓球やバドミントンでは手に入らない巨額の収入を求めて、短期間に裾野として世界最大のサッカー人口を持つ国になろう。 韓国のファンは今回残念だった思うがイランとの戦いは決して侮れない事を証明した。 失望する事は無い。
4.中国サッカーファン
会場内外での騒動はアジアカップのニュースをスポーツ欄から政治・社会面にまで広げサッカーに興味の無い人の耳目まで到達した。 結果的に世界中に醜態のニュースを広げ識者の眉をしかめさせ、北京オリンピックの成功に一抹の不安を持たせる事になった。 スポーツと政治を切り離して考えよとは言うものの歴史的にサッカーほど政治的な感情を引き起こさせるものは無い。 私は右寄りではないが、正直なところ、石原知事の言うようにその程度の民度だからしょうがない、共産党独裁の政治体制維持のために必然的に起こったことだと決め付けに同意する部分がある。 天安門事件後の愛国教育、特に94年からのその一環としての反日教育の必然的結果であると言うのは事実であろう。 一方で、日本からの3兆円にも昇るODA支援は全く触れてない事には政治的意図がある。 しかしそれだけでは片付けられない事があると思う。
知事の言うとおり中国と言うのはそんな国だと言えばそれまでだが、私は日本が第二次大戦をキチンと総括しなかったことが一因であると考える。 そこを曖昧にしたため毎回戦争責任を引き合いに出されるのを避けなければならず、必要以上に税金を使って支援を与え追及を斟酌してもらうように、日本外交は相手国の問題に対して曖昧で言うべきことを言わないスタイルを続けて来た。 人権問題など口が裂けても言えない。 戦時の当事者が政権内に残ればそういう道しか残されていなかったのだろうし、かといってイラク戦争でも明らかになったようにバース党全員追放など実際のところ不可能だった。 何れにしろこのアプローチは当座の取り繕いとしては効果があるだろうが長期的に日本の弱みの源泉でありいつも残念に思う事である。
ここまで背景を説明した後言わせてもらえば、この騒動の敗者は中国で一番損をしたのではないだろうか。 日本ファンはあの混乱の中で日中友好を唱え中国ファンに比べ中国風に言うと「大人」振りを発揮、サッカー優勝以上のものを得た。 結果として、中国政府はその限界を露呈したと言ってよい。 しかしWTO加盟し北京五輪を迎える中国には後戻りは出来ない。 12億以上の人口を抱える中国で今回騒動を起こした人の数など本の一握りであり冷静に対応すべきである。 中国の数の怖さは0.01%の跳ね返りと言っても十万人以上いることになるが、同じ比率で親日家を作ろうというのが建設的である。 同じ反日教育をした韓国とは若者が中心となって2002ワールドカップを上手くやることが出来たのだから中国と出来ない理由は無い。