西日本を大雨でずぶ濡れにした台風が去って、多分今日が最後の涼しい日となり、明日からは又猛暑の夏が復活しそうだ。午後、中央図書館に出掛けた。館内に入ると蒸し暑い。冷房中の体感温度は外気との温度差だ。館内の温度設定が28度で一定だとすると、今日みたいに30度以下で風がある日は却ってエアコンが効いている室内の方が暑く感じるのだろう。
それにしても台風が来てくれたお陰で気温が下がり、沸騰しかけて機能不全に陥っていた私の脳みそが復活した。この2、3週間数ページしか進まなかったSハンチントンの本をやっと読み終えた。それまではエアコンを切った部屋に寝転がって、テレビのサッカー中継や映画を見るくらいだった。
暑い日が続くと私は昔から食事が乱れ体重が増えるのが常だった。暑さを紛らわす為にしょっちゅう何か食べる。この夏は一度暑さで立ちくらみしたので用心して動き回らない。テレビも老人は用心しろと言ってることだし。今回も暑かったこの2、3週間で2kg増え、68kgになった。先週土曜日に久し振りに家族揃って高尾で食事をした時撮った写真の私は、お腹の膨らみがシャツからはみ出す勢いで相当にみっともない。涼しかったこの数日は踏みこたえているが体重は減らない。
このところ調子が悪かったのは何も私だけではない。日本の政治はずっとグタグタだし、欧州は繰り返すギリシャ危機から抜け出せず、米国は財政危機を巡り大統領と議会の対立が続き国債が債務不履行の瀬戸際にある。新興国は物価上昇を抑える為金利上昇が相次ぎ経済成長が減速し始めた。これを反映して世界の株式市場は軟化し、海外シフトした私の金融資産も随分値打ちが下がった2、3週間だった。
ところが、台風に本土に近づいた頃から事態は好転し始めた。欧州では民間負担を含むギリシャ救済スキームが合意したと今日の夕刊は伝えた。米国では財政赤字を減らす為の増税と、財政赤字の上限値を見直すギリギリの交渉がまだ続いている。だが一方で、好調な企業業績が続き財政不安を乗り越えNY市場は株価を一気に押し上げた。その結果がEUの株・ユーロ高、米国の株高・ドル安であり、これを反映して今日の日本の株・円高となった。
多分週末に私はもう1冊本を読み、体重は少し減らし、金融資産は少し値を戻すだろう。これは全て台風のお陰である。昨年お世話になった田舎の老庭師からたまたま午後一番で電話を受けた。聞くと、愛媛は昨日午後から急に暑くなったという。天気予報は東京も明日から30度を越える気温になるという。出来れば北方の高気圧にもっと頑張って欲しい。不見識な発言を許して頂ければお盆までに後2,3個台風が来て日本と私の脳みそを冷やして欲しい。■