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安倍後の外交を予測する(2)

2022-07-17 21:04:34 | 日記・エッセイ・コラム
安倍元首相が亡くなった翌日の国内メディアの報道は森加計桜等を取り上げる等概してクールな評価だったが、たった1日で一転して元首相の功績を高く評価し彼の死を悼む論調に変わったという印象がある。多くの国民が元首相を追悼し海外の政治家や識者が安倍氏を実績を称える海外一流紙の報道を見て、風向きが変わった様に感じて情けない思いをした。

何故、日本のマスコミは安倍氏の活動全体を見た上で総合的な判断が出来ないのだろうか。活動全体を把握した上できちんと評価できない「三流日本マスコミ報道」を嫌になる程見て来た私には、今回のみっともない豹変も残念ながら想定内でやむを得ないという気持ちもあった。

安倍元首相は世界の政治家達が右往左往していた時、日本トップというより世界のリーダーといってもおかしくない実績を上げたと私が認識した時がある。それは、トランプ大統領が離脱を表明したTPPを慌てることなく残りの国を取り纏めTPP11を成立させた時だ。安倍氏がいなければTPP11は成立せず消滅したと思う。

これは凄いことだ、日本人政治家がこんなことできるのかと安倍元首相が世界に通じるリーダーシップを発揮した政治力に驚かされた。その後も彼は日中関係改善に努める一方で、「自由で開かれたインド太平洋」を打ち出しその後の自由民主主義国の基本コンセプトとして受け入れられた。

紛れもなく彼は世界政治のリーダーとして世界各国から注目され評価された。だが、その一方で国内マスコミは森加計桜等のマイナス情報に比重を置いて報じ、彼等の報道量を通算すると否定的な情報の比率が多くマイナス印象を与えていた。その延長が元首相暗殺直後の報道に現れていたと思う。

翌日一転して報道の基調が変わったのは、冒頭に述べたように安倍元首相に対する内外の高い評価を突き付けられた、従来の報道姿勢とのギャップに気付き路線変更を強いられた結果だ。正直言うと、それが報道姿勢の基本的な見直しか一時的に現実的な対応をしたのかまでは分からないが。

加えて私の個人的な考え方だが、日本のマスコミの中にまだ「戦後民主主義」の残滓が残っており、それが従来の報道姿勢に反映されていたように感じる。つまり、海外から透明なガラス越しに日本を見たのに比べ、日本マスコミは曇った眼鏡で見ていたと私は疑う。私は昭和40年代初めに社会人になった時、自動的に共産党・社会党を支持する労働組合員になった。

私が30代後半に幹部社員になり経営側になるまでの15年間の組合員の経験では、両党は春闘での賃上げ交渉等の組合活動とは別に、時に戦後民主主義を押し付けるような印象があった。それが組合からの支持を徐々に失い別の道を歩み、結果的に野党の離散集合の遠因になった印象がある。

にも拘らず、日本マスコミは労働組合と野党勢力との離散集合の本質を理解してない、或いは分かっていても自らは認められなかったことが、突然の元首相暗殺で露わになった原因なのではないかと推測する。彼等は私が具体的なデータを基に議論せよという主張に反すると思った。そういう私の思いつきだが、これが1日でマスコミに変心させた理由として私の心の隅に芽生えた疑いだ。■

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