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大胆解説・東芝会計不正(けじめ)

2015-11-13 16:50:40 | ニュース
最初に大胆解説を投稿したのが5月だった。それから半年、東芝の粉飾決算の概要が明らかになって来た。東芝の役員責任調査委員会の報告書の全文が公開され、責任を指摘された元役員5人が民事訴訟で責任を問われることになった。ほぼ予想通りの展開になったのは驚きだ。今迄の報道で会社ぐるみの不正が明らかになったので歴代社長の責任は当然だろう。東芝の意向を受けた調査委員会という批判もあるが新たに判明した事実もある。

調査対象の元役員98人のうち14人が不正に関与し、法的な責任は5人に絞り込んだと報じられている。私は14人のうち5人と残りを分ける線が何か、更に98人内の14人の線引きが何か知りたい。報告書は会社の経営を統括すべき役員会議の責任を問わないで、業務に直接関わる役員だけに絞り込んだ印象だ。他の役員の責任は問えないのかという声(日本経済新聞11/10)は当然だと思う。

法的な責任を問い対外的に象徴的な「けじめ」をつけるという点では多分これでいいのかもしれない。だが、東芝は会社組織として継続して活動し、他の会社や顧客の信頼を取り戻し立て直していかなければならない。会社ぐるみの不正が明らかになった後、不正に関わった上司や同僚が今迄のように一緒に働けるか、不正な取引を強要された取引先とどう付き合うのか。5悪人だけ処分しても、組織としての「けじめ」や取引先との「けじめ」が付いたわけではない。

私が最も興味があるのはこの実行レベルの「けじめ」だ。報道では東芝社内では深串副社長(パソコン担当)など複数の事業責任者が会計不正の懸念を社長に直言したという。だが、彼等事業責任者は社長に押し切られ結局のところ部下に不正を強いたはずで、部下は部下で不正を実行したはずだ。問題提起しましたから罪はありませんなんていう論理は通用しない、申し訳ないけど不正に手を染めた実行犯だ。彼等が実行犯の責を逃れるためにはエンロンの会計責任者のように内部告発するしかなかったと私は思う。

東芝トップの民事訴訟に続いて社内的な処分がどうなるかとても気になる。上記のように心情的にも不正に関わった人達をそのままにしてはおけないが、残された人達で組織を機能させる為には当該事業を熟知する専門家が絶対に必要だ。東芝の新しい組織の責任者は人材をどう振り分けて活性化するか悩みに悩むだろう。私は社内的にも象徴的な人事で「けじめ」をつけ、その後は福島原発事故みたいに”公正委員会”が作った新ルールを遵守して「皆で頑張ろう」しかないと思う。関わった者全員を左遷するわけにはいかない。                                     

不祥事が相次いだ東洋タイヤは幸いにも事業の8割を占めるタイヤに不正はなかったとされる。経営幹部の不適切な処置があったがそれは事業の2割の話で、これからは8割に集中して頑張りますといえば理屈は通る。ところが、東芝のように会社ぐるみの不正でリンゴの芯から果実まで腐っていたとみなされると難しい。マスコミのありきたりな論調を借りて言うと、東芝新経営陣の手腕が問われることになる。■

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