かぶれの世界(新)

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仮説: 日米中関係

2005-03-13 17:21:10 | 国際・政治
日中関係がこのところ悪化している。日中関係は日米中関係の中で考えなければならない。このテーマは私には大きすぎ何か言うには気が重いが、今日現在でこうかもしれないという私の仮説をあえて誤解を恐れず表明することによりさらに考えを深めていきたい。

中国の経済急成長に伴い日本企業は中国大陸へ生産シフトさせ日中間の貿易額が急増、2004年中国が我国貿易の最大取引国となった。一方、政治的には小泉首相の靖国神社参拝、李登輝氏への査証発行、魚釣島所有権、南シナ海ガス油田利権等の摩擦が続き「政冷経熱」と言われる状況が続いている。アジアカップで中国ファンの日本人に対する過剰な嫌がらせがTV報道され両国の国民感情も悪化の一方を辿っている。対照的にイラク戦争以降日米関係は史上最良の関係になったと言われている。報道は目先のことを追いかけて底流に流れる本質を捉えていないので、歴史を振り返って我国のあり方を考えてみたい。

歴史上殆どの時代で中国は超大国であった。各時代を通じて儒教を基本に独特で選民的な中華思想がベースにある。天安門事件後鄧小平の方針転換(政治体制を変えない経済自由化)がグローバリゼーションの波に乗りにより驚異的な成長率で経済が発展してきた。南アジア各国の華僑が重要な役割を占めており、世界各国に先駆け資本投下し中国経済成長に勢いをつけ、将来大中国圏を構成するものと考えられる。北京オリンピック及び万博後急成長が一服する見込みがある一方で、中国市場はもっと奥深く更に10年以上高成長を続ける潜在力があると言う見方もある。昨年12月のCIAレポートによれば、このまま同じペースで成長を続ければ2020年には米国のGDPを上回ると予測している。しかし、一人っ子政策のため老齢化が急速に進むことを考えると2020年以後も高成長が続く事はないだろう。

米国は振り返ると常にナンバー2を叩きその力を弱める政策をとってきた。第1次世界大戦からドイツ、フランス(世界連盟)、日独(第2次大戦)、英国(スエズ)、ソ連(冷戦)、日本(貿易戦争)と常にナンバー2を弱体化させて来た。多くの場合ナンバー3をうまく利用して目的を達してきた。今、ブッシュ政権は目先のテロに対応しながらも長期的には明らかに中国を最も警戒し対応している。欧州から中国への武器販売に反対し、台湾海峡の均衡を保ち、中国に高度技術が流出させないよう用心深い仕組を作っている。LenovoのIBMPC部門買収について一時共和党右派は神経質になった背景でもある。ベイカー大使は帰任直前のNHKのインタビューに答えて北朝鮮もさることながら日本の最重要外交課題は日中関係だと言い切ったが、これは米国政界に共通する認識である。

中国の超大国化を考える上で高度経済成長と併せて人口増加と構造変化を考えておく必要がある。先月24日の国連発表によると2050年には世界の人口は現在の65億から91億人になる。先進45カ国の人口は減少し12億人に留まる。インドは2025年中国を抜いて世界一の人口を抱え、全体としてアジアの人口が他地区を圧倒することになる。中国はその頃から老齢化が視野に入り2010年代半ばから経済成長が鈍化し、かなりの高い確率でインドとの対立が表面化してくると私は考える。歴史はその国の25歳以下の人口が20%を越えるとその国は過激な外交を経験している。中印の相対的な力が強まり対立した時、文化的により欧州に近いインドに欧州がつく可能性が高く、日本がどちらに付くか選択を迫られる可能性がある。

人口と経済の規模と言う観点では、2020年まで日本は米国につくか、中国につくか、中間で均衡を図るか3つの選択を迫られ続ける。(その後インド・ファクターがより重要になると予想される。)米中のどちらかにつき、その時々の都合の良いほうにつくと言う解は存在し得ない。米国から中国へと言う転換はありえるが、力を背景にしないで中間で均衡を図ると言うことは現実的にあり得ない。核武装を含め米中からリスペクトされる強力な軍備を背景にして両国のバランスをとることである。分かり易くいうとポチとして米中のどちらかにつくか、サムライとして筋を通していくかである。

日本は適切と考える強国と同盟して自国の安全を守る判断力を持っていることを歴史が証明している。よく言えば現実主義の国であった。しかしその判断の基になる普遍的な根拠に欠け、理屈なしに強い国についていくと思われてきた。かといって日本の武装化について私は懐疑的である。世界大戦の総括をきちんとしなかった。今日でも日本は依然として不透明で一部に民意を反映しないで決定する政治システムが残っている。新聞や国民が戦争を止めるどころか煽った歴史があり、今も多数の国民は既得権益を守ることに選挙を利用している。つまり武力を保有し使用する健全な政治システムが日本にはなく、将来、もと来た道をたどる恐れがないとは思えないのである。自ら天に唾する発言をしたくはないのだが日本人に鉄砲を持たせるのは非常に危険なのである。

この文脈において今日の動きを説明すると、米国(#1)はポチとしての日本(#3)の対中国警戒感もしくは恐怖感を利用して、中国(#2候補)の動きをけん制している。米国にとって日本の軍備強化は避けねばならないが、その可能性を中国に暗に見せることは効果があると見ているようである。私は米国のポチと承知した上で中国との関係を傷つけないよう気を使いながら、米国に利用されていくのが現実的であると考える。#1と#2の相対関係が変化するのはまだだいぶ先である。


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確定申告

2005-03-13 14:40:09 | 社会・経済
父から相続した田舎の国道沿いの狭い農地を貸しているので、毎年不動産所得の確定申告をしてきた。現在はそれに加え時折入ってくる経営コンサル及び退職金の残りを投資した金融資産からの収入が少しずつあり、納税額は少ないのだが今年もいつもの通り確定申告をした。提出しなければならない申告書や資料の種類は多いのだが、実は納税額は昨年の家内が得た内職の税額とあまり変わらない。

最初は今年から導入されたe-taxを利用するつもりで最寄りの税務署に登録、ソフトを入手しインストールしてデータ入力を開始したのだが、本人確認のための電子認証で躓いた。手軽にできる電子認証の手段として、市役所で例の住基カードに書き込んで貰い、パソコンに接続されたカードリーダで読み取り国税庁のシステムに送って本人確認する方法がある。カード書き込みの費用は500円程度だが、私はカードリーダを持っていない。市役所に問い合わせたが電子認証はカードしかできないという。民間で電子認証を発行してくれるところがあるが、いずれもビジネス用途で発行料金が高い。他にカードリーダを利用する予定もないのでe-taxの利用はやめることにした。

昨年までと同じように国税庁のWebを利用して確定申告を作成・印刷して税務署に提出することにした。要領は昨年とほとんど変わらない。不動産所得は特に変更なく収入から税金などの必要経費を差し引いた収支計算書を手書きで作成し、その結果を入力する。変わったのは証券会社の特定口座上で行った株式売買で得た所得(譲渡益という)は、証券会社が1年間の取引を整理した報告書を書き写せば済むようになったことだ。計算は楽になったが必要経費を計上できなくなった。税務署に問い合わせると特定口座では証券会社が計算した経費以外は認めないと冷たい返事が返ってきた。

控除額計算は社会保険・生命保険・損害保険と扶養控除や基礎控除などの合計で特別問題はないが、収入が減った現在社会保険料が相対的に非常に大きい金額になったのを実感した。年金未払いが多くなっているのも当然かと妙に納得した。税金計算上は配偶者控除がなくなったことが痛い。これだけで3万8千円余計に税金を払わなければならない。データ入力が終わるとその後は自動的に税金が計算され、定率減税と納入済み税金の差分が加味されて最終的に支払う税金が算出される。その後住所や事務的な情報を入力して申告書が作成されプリンターに打ち出し、それに源泉徴収票などを添付して終わった。

申告書作成に実質1日もかからなかったが、新しく買い換えたパソコン上で入力画面からPDF形式の申告書作成時アプリがエラーになった。ホームネットワークを使い古いパソコンに入力画面を転送してPDF文書を作成し、送り返しそれを印刷するという技を使った。エラーの原因はわからないが、こういう時は複数の環境の異なるパソコンがあると便利である。このテクニカルな問題を除けば、インターネットを使った確定申告は簡単で便利である。この後、家内の申告書作成を手伝ったが実に簡単に作成できた。家内の給与は源泉徴収されてないが、自動的に計算された必要経費は交通費・材料費・設備償却など考えうる実費の積み上げ事前の推定値よりやや多く妥当と思われる。手書きの申告書に比べ少なくとも計算ミスがない分税務署の信頼も高くなると思われ、是非とも利用を勧めたい。明日提出する。■


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ブロッガーが初めてホワイトハウス取材を許される

2005-03-13 12:20:56 | ブログ
8日CNNによればホワイトハウスのマクラレン報道官はグラフ氏(23)に朝例のブリーフィングに出席できる記者証を交付したと述べた。申請後1週間で交付されたとのこと。ブロッガーがジャーナリズムとして認知されている象徴的なニュースである。グラフ氏のサイトFishbowl D.C.を覗いてみると格調高い、認められてもおかしくないという印象だった。

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インテル排除勧告

2005-03-09 13:13:47 | 社会・経済
今朝の朝日新聞はインテル社の独禁法違反の排除勧告を大々的に報じた。どのテレビ放送も依然としてライブドアとフジテレビの買収合戦を扱っているのと好対照である。ニュースの咀嚼能力に欠けるのか視聴者を見くびっているのか、何をニュースにするのか誰を対象にするのかの基準の差だろうか。私は80年代の代表的CPUである80486以来仕事でインテル社の営業や開発技術者と直接関わるようになり、彼らが大変なプレッシャーの元で働いていることを肌で感じていたので、このニュースを聞いて驚かなかった。

私の知る限りインテルの社員は非常に優秀で猛烈に働く。それでも一定期間に成果を挙げないと生き残るチャンスはない。私が付き合ったのは上記エリートだけではない。ワシントン州の工場にいたとき同じ地区に進出し工場建設したインテルに生産管理・技術の実務スタッフを好条件で相当数引き抜かれた。1年後たまたまその技術者の一人にサンノゼの飛行場で会った時、まだ同じところで働いているのは彼一人だと聞いた。インテルには短期間に実績を上げそれが自分の成果であることを示さないと居づらくなる環境がある。アンディグローブ元会長が言ったようにパラノイアしか生き残れないのも大げさではない。しかし、成果を挙げれば得られるものも大きい。私の付き合った当時のマネージャで億万長者になったものも多い。

今回の排除勧告はインテルジャパンが対象である。日本企業が顧客なので本社とはやや異なる日本的な香りがある。しかし変わらないのは本社が支社に求める業績達成のプレッシャーである。90年代にも独禁法遵守のため透明で公平な価格、即ち取引数量に基づく価格の徹底の指示が本社から出ていた。一方で顧客は当然それ以上に安い価格を求めて強烈な圧力をかけ、本社からは欧米と同じかそれ以上のシェアが求められた。2000年頃日本市場では融通のきかないインテルの数量連動価格の弱みをついて低価格設定が功を奏しAMDのCPUは世界の他地区より高いシェアを獲得し、インテルは78%までシェアを落とし本社で大きな問題になっていた。当時でも、数量ベースの基準価格を変えないが、パソコンメーカのマーケティング費用を負担し、販売店に同社CPU使用製品の販促支援をしていた。しかし、顧客はそれ以上を求め、シェア奪還にはもっと効果のある施策が必要と判断したのだろう。

今回指摘されているパソコン5社への特別価格、先行値下げ、開発資金提供は従来から一歩踏み込んだ拡販施策だったようである。結果として2004年には90%までシェアを戻した。半数のシェアを失った競合会社のAMDはたまらず訴えたのであろう。インテル社は従来から独禁法対策には気を使っており多くの弁護士を抱え、当然事前に十分検討した結果実施したことであると思われ簡単に引き下がるとは思えない。インテル本社は最終顧客に何も不利益を与えていない、取引先の要請による値引きで押し付けではない公正な取引であるとコメントしたようである。Wintelビジネスモデルは90%以上の圧倒的なシェアが前提であり、そのシェア維持は利益確保するための生命線であり、インテル社にとっても後には引けない。欧州でも同様の調査が実施されていると報じられており注目していきたい。


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ブログは報道?

2005-03-08 11:08:04 | ブログ
アップル社の未発表商品情報を流した3つのブログサイトに、同社は情報提供者の名を明かすよう訴え、カリフォルニア州地裁判事はニュースソース開示の仮処分を出したと7日ビジネスウィークは報じている。ブログには報道を守るためのニュースソース秘匿の権利を認めない、つまりブログは報道ではないと判断されたということである。米国ではパーソナルジャーナリズムとしてブログは既に評価を得ているが、一方でその不正確さなどの問題が指摘されている。今のところ主流メディア並みの規律を保てるかという問いかけに答えていない。しかし主流メディアをやめて質の高いブロッガーとして活動しているプロの記者もおり事態は複雑だ。つまりブログはピンからキリまであるということで、一括りで決め付ける事には無理がある。今後の展開に注目したい。

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