八十路徒然なるままに

人間の大事。餓えず、寒からず、風雨にをかされずして、閑かに過ぐるを楽しびとす。徒然草より

閼伽井嶽薬師の龍燈

2024年01月27日 12時59分15秒 | Weblog

画像は、前回に続いて、閼伽井嶽薬師 常福寺の龍燈場の図。図の中ほど左側に東屋がある。龍燈を見るための宿泊所とか。かなりの人数が、泊まれたという。右側に「夏井川」があり、その先は、海岸になる。龍燈は、海側から夏井川を上り、山を上がり、閼伽井嶽まで、達するとある。龍燈は、二つずつ並んで上るとか。図の中央の上側の突きでているあたりで、よく見えたという。龍燈の話は、鴨志田義康著の「いわきの伝説」から。ずうーつと昔、赤井の村里に龍の化身の若者がいて、近くにいる娘さんをすきになり、嫁にしようと、薬師様に願ったが、龍の化身と知っていたので、許してもらえなかった。娘さんをさらって、深海の竜宮へ、乙姫にした。年月が経ち、乙姫は身ごもったが、難産でもだえ苦しんだとか。海中の神々に安産を祈願したがダメで、思いあまって、閼伽井嶽の薬師如来様に、安産をお願いしたら、すぐさま苦痛はなくなり、美しい子を産んだ。龍神と乙姫様は、お礼に灯明をあげた。このお燈明が、四倉の海に数十の明かりとなつて現れて、薬師堂に入るもので、龍燈となずけられた。龍燈の明りが、梢に輝いたという杉もある。この龍燈は、明治の終わりころから、現われなくなつたという。龍燈は、光の異常屈折による気象光学現象の一種で、近代になつて、この現象が現れなくなつたのは、大気と海水、河水の温度が小となったためらしいと、読んだ。


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